【書評:1877冊目】限りある時間の使い方(オリバー・バークマン)

【管理するほど、時間の管理は利かなくなる!】
著名な賞の受賞歴もある気鋭ライター/オリバー・バークマン氏が、『限りある時間の使い方』と題して、時間の本質を説きながら、人生における時間の捉え方を指南する一冊。

■書籍の紹介文

時間をもっとうまく使いたい。
あなたは、このように望んでいませんか?

 

本書は、時間をコントロールしようという態度こそが”忙しさ”の諸悪の根源だと指摘し、時間の本質を説きながら、人生における時間の捉え方を指南する一冊。

 

時間をコントロールしようとする態度になる。
すると、「もっと時間をうまく使おう、使わないと、使えるはずだ!」という”強迫観念”に苛まれる。

 

これが、現代人が陥った「時間管理/効率化の罠」の正体です。
もっと予定を詰め込めるはずだ、もっと仕事をこなして生産性を上げられるはずだと、自分で自分を痛め続けてしまうわけです。

 

でも、薄々気づいているはずです。
どんなに予定を詰め込んでも、仕事をたくさんこなしても、その分だけ”余計に”忙しくなるだけだと。

 

つまり、どんなに時間効率を追求しても、夢見る「ラクをする時間」は永遠に訪れません。
まさに、霧の中の幻想を追いかけ続けている状態といえます。

 

では、どうすれば罠から脱出できるのでしょうか。
それは、そもそも時間とはなにか、人間にとっての時間とはなにかといった、本質から捉え直すことです。

 

そのために役立つ教えが大いに詰まっているのが本書。
「有意義に時間を使えている」という自負がある人ほど、ガツンとやられること間違いなしの内容です。

 

くり返しくり返し読み、擦り込まれた「時間管理崇拝/生産性崇拝」を体から追い出しましょう。
それこそが、もっとも時間を有意義に使えるようになる最短ルートです。

 

時間を使おうとしなければしないほど、使い方が上達する。
ここに隠された時間の本質を、ぜひ掴み取りましょう!

 

◆時間の真髄がここに。

限りある時間の使い方
オリバー・バークマン かんき出版 2022-6-22
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■【要約】15個の抜粋ポイント

限界を受け入れるというのは、つまり「何もかもはできない」と認めることだ。
自分がやりたいことも、他人に頼まれたことも、すべてをやっている時間はない。
絶対にない。
だから、それを認めて生きる。
そうすれば、少なくとも無駄に自分を責めなくてすむ。

 

やるべきことはいつだって多すぎるし、これから先もそれはきっと変わらない。
そのなかで心の自由を得るための唯一の道は、「全部できる」という幻想を手放して、ひと握りの重要なことだけに集中することだ。

 

選べなかった選択肢を惜しむ必要はない。
そんなものは、もともと自分のものではなかったのだ。

 

●タスクを上手に減らす3つの原則
第1の原則:まず自分の取り分をとっておく
第2の原則:「進行中」の仕事を制限する
第3の原則:優先度「中」を捨てる

 

人の心のなかには、SNSに限らず、気をまぎらせてくれる何かを求める傾向があるようだ。
敵は内部にいる。
限りある人生をよりよく生きるためには、僕たち自身の内にひそむ厄介な敵のことを理解しなくてはならない。

 

「現実は思い通りにならない」ということを本当に理解したとき、現実のさまざまな制約は、いつのまにか苦にならなくなっているはずだ。

 

未来をコントロールしたいという執着を手放そうということだ。
そうすれば不安から解放され、本当に存在する唯一の瞬間を生きられる。
つまり、今を生きることが可能になる。

 

今を生きるとは、今ここから逃れられないという事実を、ただ静かに受け入れることなのかもしれない。

 

余暇を「無駄に」過ごすことこそ、余暇を無駄にしないための唯一の方法ではないだろうか。
何の役にも立たないことに時間を使い、その体験を純粋に楽しむこと。
将来に備えて自分を高めるのではなく、ただ何もしないで休むこと。
一度きりの人生を存分に生きるためには、将来に向けた学びや鍛錬をいったん忘れる時間が必要だ。

 

「ものごとの進むスピードを自分はコントロールできない」という真実に直面し、不安を押さえつけようとする努力をやめたとき、不安は何か別のものに変化する。

 

忍耐が強みになる場面が増えたのだ。
誰もが急いでいる社会では、急がずに時間をかけることのできる人が得をする。
大事な仕事を成しとげることができるし、結果を未来に先送りすることなく、行動そのものに満足を感じることができる。

 

●忍耐を身につける3つのルール
(1)「問題がある」状態を楽しむ
(2)小さな行動を着実に繰り返す
(3)オリジナルは模倣から生まれる

 

個人主義的な時間に対抗して、少しだけ共同の時間を取り戻してみてはどうだろう。
たとえば、自分のスケジュールをいくらか妥協して、地域のスポーツや音楽の集まりに参加する。
孤立しがちなデジタルの世界を離れて、フィジカルな世界で人との一体感を味わってみる。

 

本当の話、あなたが人生で何をするかは、そんなに重要なことじゃない。
あなたが限られた時間をどう使おうと、宇宙はまったく、これっぽっちも気にしていないのだ。

 

時間をうまく使ったといえる唯一の基準は、自分に与えられた時間をしっかりと生き、限られた時間と能力のなかで、やれることをやったかどうかだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1877-1】時間をコントロールしようとしない

【1877-2】地域のコミュニティに参加してみる

【1877-3】「やれることをやったか」毎日寝る前に振り返る

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】限りある時間の使い方
【著者名】オリバー・バークマン
出版社かんき出版
【出版日】2022/6/22
オススメ度★★★★☆
こんな時に自分を変えたいと思ったときに
キーワード働き方時間術マインド
【頁 数】304ページ
【目 次】
第1章 なぜ、いつも時間に追われるのか
第2章 効率化ツールが逆効果になる理由
第3章 「時間がある」という前提を疑う
第4章 可能性を狭めると、自由になれる
第5章 注意力を自分の手に取り戻す
第6章 本当の敵は自分の内側にいる
第7章 時間と戦っても勝ち目はない
第8章 人生には「今」しか存在しない
第9章 失われた余暇を取り戻す
第10章 忙しさへの依存を手放す
第11章 留まることで見えてくるもの
第12章 時間をシェアすると豊かになれる
第13章 ちっぽけな自分を受け入れる
第14章 暗闇のなかで一歩を踏みだす

 

この本で、あなたは変わる!

限りある時間の使い方
オリバー・バークマン かんき出版 2022-6-22
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

オリバー・バークマンさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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