【書評:1968冊目】ミスしない大百科(飯野謙次、宇都出雅巳)

【ミスは仕組みづくりで回避せよ!】
スタンフォード大学工学博士・飯野謙次氏とトレスペクト教育研究所代表・宇都出雅巳氏が、『ミスしない大百科』と題して、根性論を廃した、ミスをなくす科学的な方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

また同じようなミスをしてしまった・・・。
そんなふうに落ち込んでしまうことはありませんか?

 

本書は、「ミスしないように気をつける」ことは”脳的”に限界があると提起し、科学的にも腑に落ちる「ミスのなくし方」を指南する一冊。

 

「ミスを起こしやすいメカニズム」と「ミスを起こさないメカニズム」。
脳には2つのメカニズムがあるといいます。

 

だれもが、常に後者のメカニズムでいたいと思うはずです。
では、なぜ前者に陥りミスを起こしてしまうのでしょうか。

 

それは、脳が抱え切れないほど「注意」で溢れかえっているからです。
いわゆる、「これもやらなきゃ、それもやらなきゃ、あっ、あれもやらなきゃ」と頭がいっぱいいっぱいの状態です。

 

脳科学的に、脳が正常に管理できる「注意」の数には限りがあります。
その数を超えたとき、目が行き届かなくなり、ミスの起こる確率が跳ね上がるわけです。

 

つまり、「注意」の数を適正な範囲に収めている限り、脳は「ミスを起こさないメカニズム」で稼働してくれるわけです。
そのために重要になるのが、本書で紹介される『仕組み』です。

 

ミスをすると、多くの人は「次から気をつけよう」で終わらせてしまいます。
ここで一歩踏み込み、「気をつけなくてもミスしなくなる」状態をつくることが『仕組み』づくりです。

 

この本では、仕事や人間関係でよく起こるミスをとりあげます。
ひとつひとつ、ミスのメカニズムを紐解きながら、肝心の『ミスをしない仕組み』を提示していきます。

 

ミスはだれにでも起こること。
大切なのは、きちんと立ち止まり「なぜミスしたのか」「どうすれば防げるか」と考えることです。

 

そのうえで、ミスを起こさない『仕組み』にまで落とし込む。
これをくり返すことで、ミスをしない、ミスにつよい人になっていけるのです。

 

減らないミスに自己嫌悪に陥っているなら。
この本は大いに力を与えてくれます。

 

◆ミスは仕組みづくりのチャンス!

ミスしない大百科
飯野謙次、宇都出雅巳
SBクリエイティブ 2021-3-6
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■【要約】15個の抜粋ポイント

一度失敗したら、それをなくすための仕組みをつくること。

 

●身の回りのミスの5つの要因
(1)注意不足
(2)伝達不足
(3)計画不良
(4)学習不足
(5)自然(不可抗力・倫理)

 

●脳のムダ遣いをなくすために
①脳が「注意」を使っているモノを手放す
②脳から「注意」を奪うモノから離れる
③脳が「注意」を使わないレベルまで体得する

 

時間のかかる仕事であれば、その仕事をいくつかの作業に分割してマイルストーン(中間目標)を置き、小ゴールを決めて取り組むのもよいでしょう。
「あとどれくらいで終わるか」がわかるようにしておくと、仕事も早くなり、ミスも少なくなります。

 

優先順位については、「優先順位を付ける」というよりも「その仕事は自分がやらなければいけないのか」「自分以外の人でもできる仕事なのか」の判断が大事です。

 

すぐモノをなくす人に共通する行動として、「ついどこかにモノを置いてしまう」ということがあります。
それをなくすためには、「どこに何を置くか」を決めることです。

 

大事なメモを付箋に書いたら、すかさず、そのメモを写真に撮ります。
するとなくなっても、写真を見返せばいいので、安心です。

 

読書はアウトプット先をつくる

 

●メールのチェックリスト
□名前は間違いないか
□アドレスはあっているか
□添付書類は添付したか
□添付書類に余計なものがついていないか
□今送信する相手向けのメッセージになっているか

 

意図を確認するためには、同じ意味を別の言葉で確認するのが、勘違いを避けるためには重要です。

 

相手が自分の話についてきていないようなら、
①これまでの話を繰り返したり、
②要約したり、
③相手の記憶に結びつきやすい具体例を話したりする
ことで、相手の注意を楽にしてあげましょう。

 

火種を先に潰しておくためにも、聞きにくいことは先に確認しておくことも大事です。
後で何かあれば信頼関係を壊しかねませんし、逆にお客さまにとってのデメリットを正直に伝えることで信頼関係を得られる可能性もあります。

 

実際に相手に注意を向けて聞いてみると、相手は思った以上に話してくれるものです。
ついつい、自分のほうに注意が向きがちになりますが、そのことを自覚しつつ、相手に注意を向けてみましょう。

 

ほんの一瞬で、焦り・不安の連鎖に注意を奪われ続けることにストップをかける一言があります。
それは「自分はかなり焦っている」の一言です。

 

●フロー(ゾーン)に入る条件
(1)目標の明確さ
(2)どれくらいうまくいっているかが直ちに明確にわかる
(3)挑戦と能力の釣り合いを保つ
(4)仕事の意義・意味が明確
(5)注意を奪うものを遠ざける・避ける
(6)対象と一体化する
(7)活動・経験自体を楽しむ

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1968-1】時間のかかる仕事は、分割してマイルストーンを置く

【1968-2】数・曜日・日にちの確認は曖昧さに気をつけて行う

【1968-3】焦り・不安が大きいと感じたら、「自分はかなり焦っている」と口に出す

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】ミスしない大百科
【著者名】飯野謙次著者情報
【著者名】宇都出雅巳著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2021/3/6
オススメ度★★★☆☆
こんな時に自分を変えたいと思ったときに
キーワード苦手克服生活習慣術信用残高
【頁 数】224ページ
【目 次】
Part0 ミスをなくすための考え方
Part1 よくあるミスをなくす方法
Part2 「なくす」「忘れる」がなくなる整理術
Part3 メール・SNSでのミスをなくす
Part4 コミュニケーションのミスを解決!
Part5 ミスしやすい状況をどうなくすか

 

▼さっそくこの本を読む

ミスしない大百科
飯野謙次、宇都出雅巳
SBクリエイティブ 2021-3-6
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飯野謙次さん、宇都出雅巳さん
素敵な一冊をありがとうございました!

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