【書評:1839冊目】世界2.0 メタバースの歩き方と創り方(佐藤航陽)

【人類の進む道が今、示される】
株式会社スペースデータ代表取締役社長・佐藤航陽氏が、『世界2.0 メタバースの歩き方と創り方』と題して、メタバースで起きる変化を示しながら、これからの世界を考察する一冊。

■書籍の紹介文

メタバース。
どんな印象や捉え方をお持ちですか?

 

本書は、メタバースによって起きる世界の変化を示しながら、メタバースを手にした人類がこれからどう進化していくかを考察する一冊。

 

インターネット上に作られた3D(3次元)の仮想空間。
それが、メタバースです。

 

メタバースとは「神」の民主化だ
このフレーズがいつまでも心に残り、本書の印象を決めているように感じます。

 

神とは、世界を創造する存在。
言い換えれば、世界を創れるのは神だけだといえます。

 

メタバースとは、世界を創造する力。
この力は、テクノロジーなのでだれでも手にすることができます。

 

神だけが持っていた力を、だれもが持てるようになる。
ゆえに、『メタバースとは「神」の民主化だ』というわけです。

 

メタバースという新しいテクノロジーがテーマの書籍です。
しかしながら、内容はより深い「真理」に迫っていく哲学的な空気感を抱えています。

 

なぜなら、世界を創造するということは世界の仕組みを理解しなければなりません。
世界とは何か?構成要素は?といった領域までを考えなければならないため、話が深くなるのです。

 

現実世界の問題を、仮想世界で実証して、現実世界にフィードバックする。
人間の飽くなき欲望を仮想世界で満たしていくことで、現実世界への負荷を軽減させる。

 

まさに、SF映画のような世界がこれから急速に目の前の世界に拡がっていきます。
そのための心構えをしておくために、目を通しておくべき一冊だと強く感じます。

 

新しいテクノロジーを手にしたら、人類は絶対に手放せません。
であるならば、自分なりの付き合い方、歩み方を一刻も早く築いておくことです。

 

◆メタバースという新領域。

世界2.0 メタバースの歩き方と創り方
佐藤航陽 幻冬舎 2022-3-31
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■【要約】15個の抜粋ポイント

●テクノロジーの本質的な3つの特徴
①人間を拡張するものであること
②いずれ人間を教育し始めること
③掌から始まり、宇宙へと広がっていくこと

 

メタバースの今後を占うためにも押さえておきたいテクノロジーの法則があります。
それは、新しいテクノロジーは「過剰な期待」と「過剰な幻滅」に交互にさらされながら普及していく、というサイクルです。

 

メタバースというのは、世界を創造するということです。
そして世界を新たに創り出すためには、「世界とは何なのか」「世界とはどう動いているのか」という自然・人間・歴史などの普遍的な法則性を理解しなければなりません。

 

人間社会とは、①経済、②感情、③テクノロジーという3つのベクトルが引っ張っています。

 

メタバース革命とは、単なるVR技術の革命ではありません。
①コンピュータの性能、②通信速度、③3DCG技術という3つの進化が相まった「インターネットの3次元化」の革命です。

 

メタバースにおいては、ゲームが「入り口」であり、その他のコミュニケーションやビジネスはゲームを入り口にして、あとから派生していきます。
従来の流れとは真逆のベクトルなのです。
『Fortnite』の中ではデジタルスキン(アバターと呼ばれる自分の分身に着せる服)を毎年5500億円売り上げています。
これはグッチなどのラグジュアリーブランドと変わらない規模です。

 

Web3の時代では人々が欲しがる作品をデジタルデータという形でゼロから作ることができるクリエイターが経済的な成功を手に入れることになるでしょう。

 

世界とは、視認できるビジュアルとしての「視空間」と、社会的な機能と役割をもつ「生態系」が融合したものです。
(略)
メタバースは、視空間+生態系の合わせ技で構築しなければなりません。
設計は非常に難易度が高い作業です。

 

●メタバース構築のための3つのアプローチ
①まずアバターから先に作り、続いて仮想空間を広げていく
②まず仮想空間を提供し、アバター作りは後づけで充実させていく
③ゲームや映像といったエンタメコンテンツを提供し、そこに集まる人々のコミュニケーションを促進させる

 

「世界を変えたい」と考えている人は、既存の世界の問題点を克服するために新しい生態系のモデルを考え、仮想空間(もう一つの生態系)を実際に成り立たせることを成功させればよいのです。

 

●生態系を強固にする要素
①価値の重ね合わせ
②コミュニケーションの促進
③ヒエラルキーの存在
④流動性の確保
⑤不確実性の担保

 

メタバースの時代は、若者が「日本には何もない、もはや死んだ国だ」と投げやりな気持ちになったとしても、わざわざ僻地や無人島の土地に「脱出」する必要はありません。
現実世界のルールになんて縛られず、メタバースの空間で自分なりの世界を創り出してしまえばいいのです。

 

かつて「王」の上に「法」を置いたように、今度は「法」の上に「AI」や「アルゴリズム」を置くという新しい考え方が必要になってくるでしょう。

 

人類に残されたフロンティアはもはや①宇宙空間と②仮想空間くらいしかありません。

 

私にとっては「知る」ということは、自分の手で「再現できる」ことであり、さらに私以外の誰でも再現できて初めて本当に「知った」といえると考えています。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1839-1】なにかを創作するクリエイティブな時間を設ける

【1839-2】「なぜ?」と疑問をぶつける回数を意識して増やす

【1839-3】自分の目で確かめることにこだわる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】世界2.0 メタバースの歩き方と創り方
【著者名】佐藤航陽著者情報
出版社幻冬舎
【出版日】2022/3/31
オススメ度★★★★★
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード哲学発想力社会
【頁 数】284ページ
【目 次】
序章 メタバースとは何か?
第一章 メタバースの衝撃
第二章 世界の創り方 I【視空間】
第三章 世界の創り方 II【生態系】
第四章 競争から創造の世紀へ
第五章 ポストメタバースの新世界
終章 世界の真実は自分の目で確かめるべき

 

この本で、あなたは変わる!

世界2.0 メタバースの歩き方と創り方
佐藤航陽 幻冬舎 2022-3-31
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佐藤航陽さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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