【文章が書けなくなる文章術の話】
電通コピーライターとして24年間活動した青年失業家・田中泰延氏が、『読みたいことを、書けばいい。』と題して、脱テクニックを謳った「読者としての文章術」を指南する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
あなたが日々書いている文章。
その文章って、あなたが書く必要ありますか?
本書は、文章にテクニックは必要ないと提起し、自分が読みたい文章を書く「読者としての文章術」を指南する一冊。
書く必要があるか?なんて言われたら、大抵イラッとします。
ただ、この本はそう問いかけてきます。
では、なぜイラッとしてしまうのか。
そこには、「(あなたに)読んでもらいたいから書いている」という気持ちがあるからです。
これに対して、その気持ちこそが間違いのはじまりだと著者は指摘します。
「読んでもらいたい」ではなく、「自分が読みたいか」が最初にくるべきだと。
自分が読んで楽しいかどうか。
楽しいなら読者も楽しいと思ってくれるし、楽しくないなら読者も100%楽しくないのです。
テクニックで脚色したり、迎合するために自分にウソをついたり無理をしたり。
そんな文章を書いても、楽しくありません。
つまり、読者のために書いても、読者からの「楽しそうですね!」は生まれません。
自分のために書くからこそ、読者からの「楽しそうですね!」は生まれるのです。
したがって、書いて楽しくない文章は、あなたが書く必要がないということです。
ほかの誰かが書いた似た文章の読み手であればいいのです。
このように、文章を書くことへの姿勢を問われる内容です。
まじめに文章を書いている人ほど、文章を書けなくなるかもしれません。
しかし、あなたが文章を書くのが好きなら、この本を越える必要があります。
そう言えるほど、「文章を書く」本質的な部分を問われる一冊です。
◆読んで心から楽しめる文章を書いているか?
読みたいことを、書けばいい。
田中泰延 ダイヤモンド社 2019-6-13
売上ランキング(公開時):132
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■【要約】15個の抜粋ポイント
目的意識があることは結構だが、その考え方で書くと、結局、人に読んでもらえない文章ができあがってしまう。
すべての文章は、自分のために書かれるものだからだ。
書きたい人がいて、読みたい人がいる(かもしれない)、それが「文章」なのである。
人間は、事象を見聞きして、それに対して思ったこと考えたことを書きたいし、また読みたいのである。
定義をしっかり持てば、自分がいま、なにを書いているかを忘れることはない。
自分自身がその言葉の実体を理解することが重要で、そうでなければ他人に意味を伝達することは不可能なのだ。
読み手など想定して書かなくていい。
その文章を最初に読むのは、間違いなく自分だ。
自分で読んでおもしろくなければ、書くこと自体が無駄になる。
「自分が読んでおもしろい文章」とは、「まだだれも読んでいない文章を自分で作る」ということである。
「わたしが言いたいことを書いている人がいない。じゃあ、自分が書くしかない」
読み手として読みたいものを書くというのは、ここが出発点なのだ。
事象とは、つねに人間の外部にあるものであり、心象を語るためには事象の強度が不可欠なのだ。
書くという行為において最も重要なのはファクトである。
ライターの仕事はまず「調べる」ことから始める。
そして調べた9割を棄て、残った1割を書いた中の1割にやっと「筆者はこう思う」と書く。
つまり、ライターの考えなど全体の1%以下でよいし、その1%以下を伝えるためにあとの99%以上が要る。
「物書きは調べることが9割9分5厘6毛」なのである。
「わたしが愛した部分を、全力で伝える」という気持ちで書く必要があるのだ。
愛するポイントさえ見つけられれば、お題は映画でも牛乳でもチクワでも良く、それをそのまま伝えれば記事になる。
ともかく重要なことは、「事象に触れて論理展開し心象を述べる」という随筆に、起承転結ほど効率よく使えるコード進行はないということだ。
文章を書いて人に見せるたびに、「それは誰かの役に立つか?いままでになかったものか?」と考え抜けば、価値のある意見には、必ず値段がつく。
書くことは、生き方の問題である。
自分のために、書けばいい。
読みたいことを、書けばいい。
■【実践】3個の行動ポイント
【1465-1】文章を書く際は、事象と心象を意識する
【1465-2】定義を疎かにしない
【1465-3】「愛した部分を全力で伝える」気持ちで書く
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】読みたいことを、書けばいい。
【著者名】田中泰延 ・ 著者情報
【出版社】ダイヤモンド社
【出版日】2019/6/13
【オススメ度】★★★★★
【こんな時に】書く力を身につけたいときに
【キーワード】文章力、教養、ことばのチカラ
【頁 数】272ページ
【目 次】
序章 なんのために書いたか
第1章 なにを書くのか
第2章 だれに書くのか
第3章 どう書くのか
第4章 なぜ書くのか
この本が、あなたを変える!
読みたいことを、書けばいい。
田中泰延 ダイヤモンド社 2019-6-13
売上ランキング(公開時):132
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田中泰延さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/
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