【書評:2087冊目】記憶脳(樺沢紫苑)

【AI時代こそ「記憶」に活路を見出せ!】
精神科医・樺沢紫苑氏が、『記憶脳』と題して、記憶の仕組みと秘められた力を明かしながら、人間の脳とデシタル脳を一体化させた「記憶脳」を手に入れる方法を解説する一冊。

■書籍の紹介文

記憶に関する能力がアップします。
そう言われて、あなたはどんなメリットを想像しますか?

 

本書は、「記録する」と「記憶の索引をつくる」の2つをキーワードに、記憶の概念が一新される、人間の脳とデシタル脳を一体化させた「記憶脳」を手に入れる方法を解説する一冊。

 

「記憶」という言葉を辞書で引くとこう出てきます。
『経験した物事を心の中にとどめ、忘れずに覚えていること』。

 

心の中とは、すなわち、脳内に蓄えておくということです。
この認識に異存がある人はいないとおもいます。

 

しかし、本書で解説される「記憶脳」では、”脳内に蓄えておく”ことを否定します。
より正確に言えば、脳内に蓄えることに”依存しない(固執しない)”ところに活路を見出しています。

 

キーワードは2つ。
◎「記憶する」から「記録する」へ
◎「記憶の索引」を作成して「忘れる」

 

この2つのことを理解し実践できるようになると、記憶のポテンシャルは限界知らずになると著者は主張します。
合わせて、精神科医として脳の仕組みと向き合ってきた経験からも、2つのことは理にかなった方法であると説いていきます。

 

デジタル空間上にいくらでも情報を蓄積できる時代。
問われるのは、従来の覚える記憶力ではなく、記憶したもの(過去の知識、情報、経験)をいかに早く引き出し活用できるのかです。

 

本書では、その活用する力を「記憶脳」と名付け、最大限に力を引き出す方法(行動習慣)がまとめられています。
「思いついたらメモをとる」「時間に制限を設けて作業する」など、紹介されている行動習慣はハードルの低いものばかりです。

 

したがって、ハードルが低いからこそ取り組む姿勢が成否を分けます。
「記憶脳」を手に入れることで、どんな未来を想像しどんな自分になりたいのか、目的を明確にしてから読むことをオススメします。

 

ただ読んだだけでは、読んだことすら記憶には残りません。
「記憶脳」、あなたは手に入れたいですか?

 

◆記憶の概念をアップデートせよ!

記憶脳
樺沢紫苑 サンマーク出版 2024-2-8
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■【要約】15個の抜粋ポイント

●「記憶脳」で得られる3つのメリット
(1)脳の衰えや認知症を防ぐ
(2)成績が良くなり、試験に合格する
(3)自己成長が猛烈に加速する

 

記憶するためには、何度もアウトプットをしてその情報を使用し、「この情報は重要です!」ということを、脳に教えてあげればいいのです。
結果として、アウトプットしたものは、しっかりと記憶に残る。
これが、「記憶の大原則」です。

 

メモするだけで記憶に残る。
忘れたら困ることは何でもメモしまくる。
そんな習慣をつけたいものです。

 

どんな情報や知識、体験、経験も、5W1Hを含む短文にまとめてアウトプットするだけで、ストーリー化して、記憶にとどめられる。
これが、「5W1H記憶術」です。
今日からできて、汎用性のある凄い記憶術です。

 

勉強もしかり、読書もしかり。
何かを理解し、記憶したい場合はまず、全体をとらえることです。
全体の構成、流れ、展開を理解する。
富士山の頂上から風景を見渡すように、まず全体を俯瞰し、オーバービューする。
次に、細部を読みながら記憶していく。
「全体→細部」という道筋をとることで、圧倒的に記憶効率、学習効率が高まるのです。

 

毎日6時間以上の睡眠をとって、集中力を高めて、脳のパフォーマンスをベストに維持する。
これが集中力や記憶力、さらにはビジネスの作業効率を保つためには必須なのです。

 

深呼吸のリラクゼーション効果は絶大です。
「緊張したら、深呼吸をする」ことを普段から習慣にしておくのがベストです。
本当に極度に緊張してしまうと「深呼吸をすれば緊張がとれる」ということすら忘れてしまいます。

 

仕事をするときも、何かを記憶するときも、時間制限をしたほうがいいのです。

 

今日あった、楽しい出来事をSNSに投稿するだけで、自分自身にポジティブな記憶を植えつけることができます。
それを習慣化することによって、考え方や行動までもがポジティブに変わっていくのです。

 

自分の考え、アイデア、気づき、思いつきをドンドン、メモしよう。
本を読んだり、映画を見たり、旅行に行ったりしたら感想を書こう。
自分の体験を記録しよう。
それが「外化」です。

 

日記を書くというのは、「文章にして、整理してまとめる」、ということです。
「整理・まとめ」「言語化」「ストーリー化」が、記憶の定着の重要な促進剤になる

 

人間、誰かに監視されていたほうが、より良いパフォーマンスを発揮できます。
「アウトプットしなければならない」「たくさんの人が読むかもしれない」というプレッシャー。適度の緊張が、ノルアドレナリンを分泌させ、集中力、観察力、記憶力を高めてくれるのです。

 

●脳メモリを最大化する7つのルール
(1)マルチタスクしない
(2)気になることは全て書き出す
(3)未完了タスクを貯めるな
(4)「2分ルール」で仕事を加速する
(5)決断は「30秒ルール」で行う
(6)机がキレイな人は仕事ができる
(7)ときどきは「脱スマホ」をする

 

「TO DOリスト」は紙に書く。
そして、机の上の見えるところに置いておく。
この2つの原則を守る限り、「TO DOリスト」は間違いなく私たちの脳メモリを解放するのに役立ちますし、仕事を効率化する強力な武器となります。

 

私たちの「記憶の本体」は、そう簡単にはなくなりません。
「記憶の索引」を忘れるだけなのです。
「書く」ということは、無数の「記憶の索引」を物理的に複製する作業なので、書いたら忘れても、すぐに思い出せるというわけです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2087-1】5W1Hを意識した日記を習慣化する

【2087-2】考え、アイデア、気づき、思いつきをメモすることを習慣化する

【2087-3】仕事にしろ勉強にしろ、時間を区切って取り組む癖をつける

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】記憶脳
【著者名】樺沢紫苑著者情報
出版社サンマーク出版
【出版日】2024/2/8
オススメ度★★★★☆
こんな時に自分を変えたいと思ったときに
キーワード記憶法習慣術働き方
【頁 数】272ページ
【目 次】
第1章 「記憶脳」を鍛えることで得られる3つのこと
第2章 無理に詰め込まなくてもいい
第3章 記憶力に頼らずに成果を最大化する
第4章 感情が動くと記憶も強化される
第5章 無限の記憶を獲得する
第6章 脳の作業領域を増やして仕事を効率化する

 

▼さっそくこの本を読む

記憶脳
樺沢紫苑 サンマーク出版 2024-2-8
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樺沢紫苑さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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