【書評:1558冊目】100歳まで読書(轡田隆史)

【もっと本を読もう!】
元朝日新聞社論説委員・轡田隆史氏が、『100歳まで読書』と題して、本を読むことは自分が人間であることの証明だと提起し、死ぬまで「読書の楽しみを味わい尽くす極意」を指南する一冊。

■書籍の紹介文

あなたにとっての”本”。
どんな存在ですか?

 

本書は、やわらかな変幻自在の精神こそが”成熟の証明”だと指摘し、その精神を養うことにつながる、成熟した本との付き合い方を考察する一冊。

 

お経や聖書の記述と朗読は「あの世」に向けて送られている。
ということは、人間は死んでも本を読むことから離れられないのである。

 

まさに、「死ぬまで本を読む」どころか「死んでも本を読んでいる」のです。
にも関わらず、現在の社会では「本離れ」が深刻化しています。

 

このジレンマの解消に一石を投じるかのごとく、「読書とはなんなのか」「読書の楽しみ方」などを雄弁に語っていきます。
80歳を過ぎ、3万冊を越える蔵書をもつ読書家の”読書観”が溢れかえっています。

 

◎本は、時と場所を選ばない相談相手
◎本の「拾い読み」こそ、極上の「暇つぶし」
◎「書評」を読むのだって立派な読書

 

こうした言葉を中心に、ユーモラスたっぷりに現在の社会が忘れかけている”読書を味わう方法”を示します。
名伯楽が後世につづく若者に語りかけるように。

 

読書に親しんでいる人は、さらにそれを進化させるために。
読書と縁遠くなっている人は、新しい楽しみの発見に。

 

読まれることを、オススメします。
教養っぽさも説明っぽさも感じない、読んで楽しい一冊です。

 

◆読書は、人類だけの特権!

100歳まで読書
轡田隆史 三笠書房 2019-11-8
売上ランキング(公開時):28,002
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「死ぬまで本を読む」というのは「死ぬまで質問しつづける」というに等しいのである。

 

健康のためにせっせと歩いている人は、それと同じように、なんでもいいからせっせと読めば、精神が「歩行」し躍動する。

 

人類がここにこうして存在しているのは、すべて「文字」、すなわち書物によって文化と文明が伝承されてきたからである。
だから、本を読むのだ。

 

読書がなぜ大切なのか?
どんな本を、どう読んだらいいのか?
ほんのひとことで答えよう。
それを知りたいならば丸谷才一さんの『思考のレッスン』(文春文庫)を読め、と。

 

本を読んでいれば、ごく自然に自分も文章を書いてみたくなるはずである。
では、文章をどう書いたらいいのか?
いい方法はあるのか?
そういう難問にぶつかるにちがいない。
そこで丸谷さんの『文章読本』(中公文庫)を推薦するのだ。

 

書店のなかにいるだけであなたは、何かを読んでいるのだ。
だから何をおいてもまず書店に入ることをぼくはおすすめしている。
何も買わなくても、書店に入る行為そのものに意義があるのだ。

 

量と速さは気にしないで、一冊でもいいからいい本を手にしよう、といいたいのである。

 

「食わず嫌い」をあえて「食ってみる」ことこそ「死ぬまで読書」精神の心髄なのであるとぼくはいいたい。

 

芸能、芸術、歴史、「観光案内」「穴場案内」「旨いもの案内」などのような肩のこらない記事に「掘り出しもの」がある。
ものによっては、立派な読書に匹敵する文章に出会って、大いに得をする。
読書とは書物を読むだけではないことを強調しておきたい。

 

小さな一冊の本が秘めている楽しみの宝庫も、語り合う仲間がいればこその奥深さなのである。

 

探偵などは『女には向かない職業』の典型かもしれないが、自立した精神で、勇気を持って挑むコーデリアの生き方は、日本の女性にとっても魅力的である。
これまで読む機会に恵まれなかった人びとこそ、一〇〇歳までにぜひとも一読してもらいたい。

 

「引用」は無知の告白であるのと同時に、知らなかったことを知った証拠でもある。
喜びの表明でもある。

 

読書感想文を書こうとするなら、まず感想は抜きにして、読んだ本の要約を書いてみることをおすすめする。
それも、長さをはじめから「四〇〇字で」とか「八〇〇字で」というように、字数を制限しておく。
「書く」という作業は、「要約」する作業なのである。

 

「絶望」の物語を「読む」ことによって、人間は「希望」への道を模索することができるのである。
「読書」は「希望」への道筋を示してくれる灯火なのである。

 

人間に死はあっても、読書に「死」はないのである。
だから、死んでも読書はつづけられるのである。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1558-1】『思考のレッスン』を読む

【1558-2】『文章読本』を読む

【1558-3】『女には向かない職業』を読む

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】100歳まで読書
【著者名】轡田隆史
出版社三笠書房
【出版日】2019/11/8
オススメ度★★★★☆
こんな時に読む力を身につけたいときに
キーワード教養読書術勉強法
【頁 数】264ページ
【目 次】
1章 だから、ぼくは死ぬまで本を読む
2章 「100歳まで読書」の基本ルール
3章 こんな読み方、楽しみ方もある!
4章 本が人生に与えてくれるもの

 

この本が、あなたを変える!

100歳まで読書
轡田隆史 三笠書房 2019-11-8
売上ランキング(公開時):28,002
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轡田隆史さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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