【書評:1993冊目】瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。(荒木俊哉)

【「言葉」は「問い」から生まれる】
コピーライター・荒木俊哉氏が、『瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。』と題して、メモ3枚1日6分でできる、必要な言葉が「瞬時に」出てくるようになる方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

伝えたいのに言葉が出てこない・・・。
この苦い経験をしたことはありませんか?

 

本書は、自分に「問い」を立て続けることで「言葉にする力」は磨かれると提起し、メモ3枚、1日6分でできる「言語化力トレーニング」の方法を指南する一冊。

 

「よし、今日の会議でこれを言おう!」と準備万端で参加した会議。
いざ、「君はどう思う?」と話を振られた瞬間・・・。

 

頭が真っ白になり、あわあわしてしまって気まずい空気になる。
似たような苦い経験を、あなたもしたことがあるでしょう。

 

この、言いたいことが「瞬時に」出てこない状態。
言いたいことはあるのに、頭の中がモヤモヤしてうまく言葉にならない状態。

 

これらの頻度が高い人ほど、紹介されている「言語化力トレーニング」は効果が期待できます。
著者も述べていますが、「一般ビジネスパーソン」向けをとことん意識して書かれているので安心して手に取ることができます。

 

「ハードル高!」「結局、デキる人自慢の本かよ」。
この手の本にありがちな、こうした”残念感”は感じませんので、その点もご安心を。

 

やることとその難易度、取り組みやすさ、習慣化へのハードルなど。
苦手な人でも「これならやれる!」と思えるトレーニングメソッドになっています。

 

・A4コピー用紙3枚
・使い慣れたボールペン
・1枚あたり2分
・1枚につき自分への「問いかけ」1個

 

用意するのは、これだけ。
あとは、簡単なルールにしたがって、頭の中のモヤモヤから言葉を引き出すだけです。

 

これを習慣にすることで、必要なときに「瞬時に」必要な言葉を引き出せるようになっていきます。
まさに、筋トレと同じですね。

 

唯一、コツというか慣れが必要と感じるのは、自分への「問い」の作成です。
でも、安心してください。

 

著者は、巻末に「問い」の例を500個も用意してくれています。
仕事、自己分析、人間関係など、役立つ「問い」がジャンルごとに収録されています。

 

伝えたいときに、自分の言葉できちんと伝えられる。
これができるようになれば、それだけで一層生きやすくなるとおもいます。

 

ぜひ、はじめてみてください。
メモ3枚1日6分でできる「言語化力トレーニング」を。

 

◆これは良書。

瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。
荒木俊哉 SBクリエイティブ 2023-4-4
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「言いたいことはあるんだけど、うまく言葉にできない・・・」。
そんなもどかしさを感じているとき、まさしくあなたは「言語化」に苦しんでいるときです。
この問題を解決するのが本書の目的です。

 

私たちが何か言葉を発する際、「どう言うか」を考える前に、そもそもの「言う”内容”」を考えるはずです。
この「言う”内容”」こそが「何を言うか」であり、そのためのスキルが「言語化力」です。

 

「どう言うか」では「視点」そのものは変わりません。
同じ視点のことを言い方を変えているだけで、「新しい視点」を加えるためには、「何を言うか」そのものを考える必要があるのです。
あなたが「何を言うか」で、あなたの評価は大きく変わる。
このことを理解していただけただけでも、本書を書いた意味はあると私は考えています。

 

まずは、「日々の何気ない日常の中でも、自分は必ず何かを感じている」という事実に、気がつけるかどうかです。
「気がつく」だけで、言語化できるようになるかの50%は決まるといっても過言ではないでしょう。

 

「とりあえず書き出してみる」という行為は、自分が無意識に感じていたことや、そう感じた理由を言語化するための近道なのです。

 

普段から、ありとあらゆるテーマの「問い」を自分に投げかけ、それに対して自分が「無意識に感じていること」を、メモに書いて次々と言葉にしていきます。
いわば、人から意見を求められたときの「予行演習」をするようなイメージで、これを毎日の習慣にし、自分(の思いや意見)を知っていきます。

 

「言語化力トレーニング」は、ぜひ「毎日の習慣」にしてほしいと思います。
「1日メモ3枚、計6分程度」で大丈夫です。
最終的な「量」は大事ですが、数日で一気に「量」をこなそうとするのではなく、「毎日少しずつ」を習慣として続けることによって、最終的な「量」に十分到達することができます。

 

●メモの書き方
(1)A4コピー用紙を「縦に」使用する
(2)一番上に「問い」を大きく書いて四角で囲む
(3)メモを2分割して「思考」と「理由」に分ける
(4)まずは「思い浮かんだこと」を一行書いてみる
(5)一行書いたことを深掘りする「芋づる式言語化思考法」
(6)「思考」の最終行から「理由」を書き出す

 

●さらに『言葉の解像度』を高める方法
(1)「同じ問い」や「言語化した思い」をさらに深掘りする
(2)同じ問いに「別角度で」取り組む
(3)あえて「反対意見」を考える

 

あまり難しく考えず、思いつくままにどんどん書き出してもらうことにこのトレーニングの意味があります。

 

メモを書き出すときに、漠然と考え始めるのではなく、まずは「問い」にまつわる過去のできごとに思いを巡らすこと。
自分が体験した具体的なできごとを思い浮かべて、それに対して「今の自分」はどう思い、どう感じるかを言葉にしてみる。
そうすることで、あなたならではの「思いや意見」が自然と書き出せるようになるはずです。

 

あなたが今の会社や仕事のどこに魅力を感じているかを言語化することで、明日からの仕事に対する意識や行動がよりよい方向へ変わるのではないかと思います。

 

メモを通して「問い」に対する言語化を進めていく中でぜひ意識していただきたいのが「自分の経験を思い出す」ということです。

 

経験とは何か。
もし私がそう聞かれたら、「できごと」と「感じたこと」という2つの要素で構成されていると答えます。
「できごと」とは、まさに過去に体験した事実や事柄そのものです。
そして「感じたこと」とは、過去に体験した事実や事柄を通じて自分が感じたことを指しています。

 

相手に伝わる言葉でないと意味がない。
言語化をもう少し丁寧に定義すると「自分が感じたことを、相手が理解・共有できる言葉で表現すること」だと私は考えます。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1993-1】「言語化力トレーニング」を実践する

【1993-2】言語化する際は、自分の経験を思い出すことを意識する

【1993-3】「なぜ?」「なんで?」と自分に問いかけることをクセにする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。
【著者名】荒木俊哉著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/4/4
オススメ度★★★★☆
こんな時に伝える力を身につけたいときに
キーワードことばのチカラ発想力文章力
【頁 数】280ページ
【目 次】
1 人は「伝え方」より「言語化力」で評価される
2 どうしたら「言語化」できるようになるのか?
3 瞬時に「言語化」できるようになるシンプルなトレーニング
4 瞬時に「言語化」できるようになるシンプルなトレーニング【実践編】
5 もっと「言語化」できるようになる方法【発展編】

 

▼さっそくこの本を読む

瞬時に「言語化できる人」が、うまくいく。
荒木俊哉 SBクリエイティブ 2023-4-4
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荒木俊哉さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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