【書評:1994冊目】稼ぎ方2.0(村上臣)

【これから本格化する新たな働き方の波を知る】
元リンクトイン日本代表・村上臣氏が、『稼ぎ方2.0』と題して、「クリエイターエコノミー」という新たな潮流を解説しながら、うまく波に乗り活躍する方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

将来の稼ぎ口。
どれくらい不安を抱えていますか?

 

本書は、これから日本でも本格化するとみられる『クリエイターエコノミー』という新たな潮流を解説しながら、新たな時代の「稼ぎ方」を指南する一冊。

 

収入ー支出=貯蓄。
また、健全な家計運営の観点では、収入ー貯蓄=支出が推奨されています。

 

しかし現在、物価上昇など「支出圧力」が増し続けています。
工夫や我慢で耐えるのは限界に達しつつあるという人も増加の一途です。

 

もはや、基本的な家計モデルを維持するのもいっぱいいっぱい。
マイナスに転落しかねない恐怖感に苛まれている人も多いでしょう。

 

さらに、「安いニッポン」というキーワード。
最近、経済ニュースで目にする機会が増えており、一層不安な気持ちを煽ります。

 

過去30年間、日本の平均給与は緩やかな右肩下がりの下降線を描いています。
対して、世界は、差はあれど右肩上がりの上昇線を描いています。

 

わたし達は、このまま窮した生活を続けていかなければいけないのか。
「いや、そんなことはない!」と声をあげたのが著者であり、提示したのが本書です。

 

今後、間違いなく本格化する『クリエイターエコノミー』という潮流を解説。
そのうえで、いかに窮した生活を脱し、自分らしい生活を確保していくかの働き方を提起します。

 

クリエイターエコノミーとは、誰もが「消費者」から「生産者」になれることを指します。
つまり、だれもが個人で稼げる時代を意味し、だれもが複数キャリア(パラレルキャリア)を築く時代が到来することを意味します。

 

現在、多くの社会人は1つの稼ぎ口から収入を得て、やりくりしながら生活しています。
ただし、前述したように、普通の生活を維持するのも大変な状況になっています。

 

1つの稼ぎ口だけでは、不安になるのも当然。
であるならば、テクノロジーの発達を活用して、2つ、3つと十分な収入源を確保していこう、という流れです。

 

こう聞くと、「また副業・フリーランスの賛美かよ」「仕事帰りにバイトしろってか」と思う方もいるでしょう。
しかし、そうした表面的な話は一切出てきません。

 

そもそも、自分は「仕事人」として何ができるのか、何で貢献できるのか。
こうした根本的なマインドセットの書き換えを重視しています。

 

そのうえで、勤めている会社で貢献できることは、精一杯貢献する。
さらに、スキルをスライドさせて、個人でも貢献していくための環境づくりをする。

 

その先に、複数の稼ぎ口、パラレルキャリアを築いていこうというのが著者の主張です。
そして、一部の人間だけの話ではなく、日本の働き方全体に、いよいよ本格的な潮流としてやってくると説きます。

 

極端だと感じるような主張もなく、客観的に動向を知るのに適しています。
これからのキャリアを考える際に、知っておきたい一冊です。

 

◆会社→個から個→会社へ。

稼ぎ方2.0
村上臣 SBクリエイティブ 2023-4-8
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■【要約】15個の抜粋ポイント

仕事がなくなったときに、社外にネットワークを持っていれば、確実に次の仕事は見つけやすくなります。
その社外との接点を作るために有効なのが本業以外の副業を持つことです。

 

本業以外の仕事を持てば、単に収入が増えるだけでなく、自分の「タグ」が増えることも期待できます。
(略)
たくさんタグを持っている人は、周囲から認知されやすくなり、転職や起業、さらに別の副業をする上でも非常に有利になります。

 

これからは誰もが個で稼ぐことができる時代が現実のものとなります。
それを実現するのが、クリエイターエコノミーです。
クリエイターエコノミーとは、一言でいうと消費者として経済活動に参加していた人が、消費側・販売側のどちらにもなれる双方向型の経済圏のこと。

 

日本では「趣味はお金を消費して楽しむもの」「趣味がお金になるはずがない」という根強い思い込みがあります。
そのせいで、趣味を極めているにもかかわらず、それを副業にするという発想に思い至らず、最初からあきらめている人もいます。
しかし、需要と供給が一致すれば、何を教えてもお金を得ることができる時代が到来しているのです。

 

クリエイターエコノミーの世界で成功するためには、絶対的に共感のフックが必要です。
そして、共感を生み出す情熱は、クリエイターの自己実現欲求に根差しているのです。

 

ファンといかにコミュニケーションを取るかがポイントです。
ファンの声を頻繁に聞いて、素早く行動できるかどうかが、クリエイター活動の成否を左右します。

 

できれば本業と副業をつなぐコネクションを持っておくのが理想です。
「文章を書く」とか「プレゼンをする」とか使うスキルがつながっているだけでも十分ですし、「本業と副業がつながっている」と自分が信じているだけでもかまいません。

 

クリエイターとしてファンの共感を得るためには、ファン心理を知る必要があります。
ファン心理を知るためには、実際にファンコミュニティに参加してみるのが最善の方法です。

 

ファンの共感を深めていく上では、さまざまなタッチポイント(顧客接点)を通じてファンとのコミュニケーションを取っていくことが大切です。

 

アイデア段階でもコミュニティ内でどんどん発信してみて反応を探ってみる。
そして、未完成でもいいから何かを作ってアウトプットし、ファンからのフィードバックを得ることが肝心です。

 

ファンからフィードバックをもらうときも、「何が欲しいか」ではなく、「どんな課題を抱えているか」という背景を聞き出す必要があります。

 

いったん「良い・悪い」の判断は保留し、とにかくアウトプットしてみる。
そしてファンの反応やフィードバックを見ながら判断していくのが望ましい進め方です。
また、最初から1つのアイデアに固執しないというのも大きなポイントです。
できれば5つくらいのアイデアを同時並行で動かし、結果の評価を行ない、一番良かったものをさらにチューニングしていくのが理想です。

 

フィードバックを得るために、自分からファンの声を求めるのもおすすめです。
「ぜひコメントをください」
「ご意見があればお寄せください」
こんなふうに、オープンに意見を求める姿勢を発信することには大きな意味があります。

 

ヨコのつながりを作るにあたって、最初に取り組みたいのは、「会社人」から「仕事人」へとマインドセットを変えるということです。
(略)
仕事人は自分に何ができるかを考えます。
自分が持っているスキルを生かすことを優先し、それによって会社にどう貢献できるかを追求しています。

 

一緒に何かのプロジェクトに取り組んだという経験を共有していると、数年の時間を隔てても普通に会話ができる関係を維持できます。
何かあったときに相談したり、コミュニティへの参加を呼びかけたりしやすくなります。
つまり、「何かを一緒にした」という人の数を増やした分だけ、強いヨコのつながりが生まれるのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1994-1】自分の仕事スキルを「タグ」にしてみる

【1994-2】すぐに「小さく始める」クセをつける

【1994-3】自分に何ができるかを常に意識して仕事する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】稼ぎ方2.0
【著者名】村上臣著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/4/8
オススメ度★★★☆☆
こんな時に稼ぐ力を身につけたいときに
キーワード稼ぐ力副業キャリアアップ
【頁 数】272ページ
【目 次】
PROLOGUE 誰もが「個で稼ぐ力」が必要な時代
1 誰もが個で稼げる”1億総クリエイター時代”の到来
2 ”1億総クリエイター時代”に活躍する「稼ぎ方2.0」とは?
3 稼ぎ方2.0の目的
4 稼ぎ方2.0の思考法
5 稼ぎ方2.0の価値基準
6 稼ぎ方2.0の行動
7 稼ぎ方2.0の人間関係

 

▼さっそくこの本を読む

稼ぎ方2.0
村上臣 SBクリエイティブ 2023-4-8
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村上臣さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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