【書評:1992冊目】無神経の達人(千原せいじ)

【無神経とは、素の自分を取り戻すこと】
芸人・千原せいじ氏が、『無神経の達人』と題して、日本人は人間関係についてあれこれ考え過ぎであると提起し、ストレスなく生きるために大切にしている心得を指南する一冊。

■書籍の紹介文

もっと無神経に生きよう。
こう言われたら、どのように感じますか?

 

本書は、日本人はあれこれ考え過ぎるばっかりに、かえってコミュニケーションが下手になっていると提起し、”普通”のコミュニケーションを取り戻す心得を指南する一冊。

 

もっと無神経に生きようよ。
著者のメッセージは、このひと言に集約されます。

 

ただ、無神経という言葉を少し整理する必要があります。
あなたにとって、「無神経」という言葉はどんなイメージですか?

 

自分勝手に振る舞い、相手を不快にさせる。
感情に流されるままに、相手を貶めたり傷つけたりする。

 

このようなイメージで、本書のメッセージを受け取ってはいけません。
では、この本での「無神経」のイメージとはなにか。

 

自分をよく見せようと飾ったり、大きく見せようとマウントをとったりしない。
”素”の自分で”普通”に接しよう。

 

これが、著者のいう「無神経」です。
ここを認識したうえで、『もっと無神経に生きようよ』という言葉、いかがでしょうか。

 

気遣いは必要でも、気を遣いすぎて素の自分を見せられなかったら。
よい人間関係はもちろん、深い人間関係も築けないでしょう。

 

「お・も・て・な・し」が、善意の「お・し・つ・け」に。
相手のためが、自己満足の言い訳に。

 

日頃のコミュニケーションを立ち止まって考えるのに役立つでしょう。
著者の無神経な言葉が、グサグサと刺さること間違いなしです。

 

人間関係に関する本が、書店にはズラッと並んでいますよね。
でも、そんなの一回横にどけて、素の自分でいきませんか。

 

素の自分を受け入れてくれる人も、拒絶する人もいます。
だったら、受け入れてくれる人とだけ仲良くすればいいじゃないですか。

 

それで人生なにか問題が起こりますか?
そんな著者の言葉を浴びてみてください。

 

「素の自分」が分からなくなる前に。
無神経さを取り戻しましょう!

 

◆これは良書!

無神経の達人
千原せいじ SBクリエイティブ 2023-4-6
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■【要約】15個の抜粋ポイント

人間関係やコミュニケーションのことで悩んでいて「どうにかしたい」と思っているとしたら、「どうにかしたい」と思っていること自体が、すごく前向きでいいことだと思います。

 

誰かが発した言葉の意味合いを、自分の考える意味合いのまま受け取ると、知らないうちに相手を誤解してしまうかもしれない。
そのせいで、本当は絶たれなくてもよかった関係性が絶たれるようなことになったとしたら、もったいないですよね。

 

もし問題が起こったら、その都度考えて対処していけばいいんです。
それくらい図太く、無神経でいい。
そういうタイプのほうが、これからは可能性が広がる気がする。

 

悪あがきなんて、時間の無駄。

 

初めから自分のことを「もともと大したやつとちゃう」と潔く認めてしまえば、人と接するときも開き直れるし、素の自分で接するのも怖くなくなると思います。

 

人付き合いは、ごく「普通」でいい。
もっといえば、「アホ」でいいと僕は思っています。
あれこれ考えてカッコつけたり、賢く見せたりするくらいなら、「なにも考えない」くらいのほうが、簡単に素になれて、普通に人と接することができます。

 

まずは、単純に「笑う」ことが大事。
人にどう思われるかなんて気にせずに、笑う。

 

自分が楽しむには、「楽しそうなことに素直に乗っかる」こと。
たとえば、誰かが怪談を話していたら、素直に怖がる。
マジックを披露していたら、素直にびっくりする。
怪談は人を怖がらせるため、マジックは人をびっくりさせるためのものなんだから、素直に乗っかれば、即、自分が楽しめるんです。

 

ちょっとでも思い立ったら、なんでも人に聞いてみること、自分の手で触れてみること、やってみることが、すごく大事だと思う。
面倒くさいし大変かもしれないけど、そのぶん大きなリターンが必ず得られるんです。

 

文句でも要望でも、正面切って表明せずに、いったん安全圏に避難してから間接的に攻撃するのは、やっぱり卑怯だと思います。

 

そもそも人間関係は、相手と自分の相互のことだから、僕だけの意思でなんとかできるものではありません。
「あー、やっちゃった」と思ったら、ひたすら自分はリカバーに努めるだけ。
その姿をどう受け取って、どう対応するかは、相手次第です。
「これで許せや!」というプレッシャーを与えても、好転することはないんです。

 

「自分は、○○という人間で、こういう意見、意志があります」という、ごく普通レベルのコミュニケーションができないことが、誹謗中傷や痴漢といった卑劣な行為につながっていくように見えるんです。
人としての神経が欠如しているということだけど、無神経とはまったく違う。

 

悪口を言う人には、ルイトモで悪口を言う人が集まってくる。
悪口でつながる人間関係です。
そんなところに巻き込まれたら・・・なんて考えただけで、ゾッとしません?
だから、悪口を言う人からは、早々に逃げたほうがいい。

 

「優しさ」「気遣い」と、「余計なお節介」「善意の押し付け」は、ぜんぜん違うということです。

 

人との付き合いは、あれこれ考えてもしょうがない。
相手がどう考えてるかなんて、本当のところはわからない。
だから、「コミュニケーションはとったもん勝ち」というのが僕の考えです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1992-1】楽しければ笑う、楽しむために笑う

【1992-2】楽しそうなことに素直に乗っかる

【1992-3】面と向かって言えないことは発言・発信しない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】無神経の達人
【著者名】千原せいじ著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/4/6
オススメ度★★★★★
こんな時に明日の人間関係を良くしたいときに
キーワード人間関係生き方マインド
【頁 数】208ページ
【目 次】
第1章 日本人のコミュニケーション、僕はこうしたらいいと思う
第2章 心得①「自分、大したヤツちゃうで?」と認識する
第3章 心得②とにかく「普通」でいい
第4章 心得③とりあえず乗っかれ!
第5章 心得④ネット情報は二の次三の次
第6章 心得⑤ケンカ上等! 人は違って当たり前
第7章 心得⑥切るべき人間を見極める
第8章 心得⑦無神経にも「流儀」がある
第9章 世界を虜にする「無神経さ」

 

▼さっそくこの本を読む

無神経の達人
千原せいじ SBクリエイティブ 2023-4-6
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千原せいじさん、素敵な一冊をありがとうございました!

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