【書評:2093冊目】数値化の魔力(岩田圭弘)

【ここまでやってこそ”数値化”に価値がある!】
アスエネ株式会社共同創業者・岩田圭弘氏が、『数値化の魔力』と題して、出身であるキーエンス時代に培ったノウハウを基に、「数値化」を使った仕事術を徹底解説する一冊。

■書籍の紹介文

あなたの1日の業務内容を数値で説明してください。
咄嗟に問われて答えられますか?

 

本書は、『1年で他社の10年選手が育つ』と形容されるキーエンスで育まれている、「数値化」を活用した仕事術を徹底解説する一冊。

 

いまさら数値化をテーマにした仕事術本?
もしかしたら、あなたはそう思われたかもしれません。

 

数値化して定量的に仕事をこなしていく。
ほぼすべての仕事の現場で行われている、”当たり前”のことですよね。

 

ですがそこに、著者は「その”当たり前”、どこまで極められていますか?」と問いかけます。
そして、「『数値化』を使った仕事とは、ここまでやってはじめて語れることですよ?」と突きつけてきます。

 

最小の労力で最大の結果を得る。
これが仕事を数値化することの最大の目的です。

 

いま、自分が仕事で扱っている数値化は、この目的を達成するために本当に有用だろうか?
この確認に、とてもとても役に立つ内容の書籍です。

 

なかには、「そもそも数値化の意味を履き違えていたかも・・・」と恥ずかしい気持ちになる方もいるかもしれません。
それだけ、本質的な話をムダなく濃い濃度で解説されています。

 

数値化することが目的になっているかもと不安な方。
部下の育成やチームの育成に悩んでいるリーダーの方。
自分の仕事をもっと評価してほしいと悩む方。


 

改めていうまでもなく、仕事は結果がすべてです。
そして、結果の尺度は『数字』です。

 

結果が出せる「数値化」を使った仕事術。
今一度、きちんと咀嚼しておいて無駄なことはないとおもいます。

 

◆読みごたえのある一冊。

数値化の魔力
岩田圭弘 SBクリエイティブ 2023-12-24
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「『仕事の結果』とは結局、確率によって生まれる」
「だからこそ、『確率を最大限高めること』こそが、『結果を最大化すること』につながる」
この仕組みを理解し、意識することが、「仕事ができる人」になる第一歩になります。

 

「仕事の結果=確率」の「確率」とは、「『行動の量』×『行動の質』」を指し、あなたが結果につながる行動を「どれだけの数(行動の量)」、「どのように(行動の質)」起こしたか、つまり、「仕事の結果=『行動の量』×『行動の質』」ということになるのです。

 

「結果」を出すためには、「結果が出せない原因(課題)」を特定し、改善する必要がありますが、ここで最も重要なのは「How(解決策)」よりも「Where(どこに原因があるのか)」の特定です。

 

この最も重要な「Where」を客観的に特定できるのが、「『自分の行動』の見える化」であり、「数値化」なのです。

 

●「自分の行動」を見える化する3つのSTEP
STEP1:ゴールを定量化する
STEP2:ゴールに至るまでの行動を「業務プロセス」で分解する
STEP3:分解したプロセスごとに「行動目標」を数値で設定する

 

「行動の量」とは「成果を上げるための方向性(プロセス)」と、「どこまで努力をすればいいのか(KPI)」を明らかにした上で必要なだけの努力を効率的に行うことです。

 

●「行動の量」のボトルネックを見つける3つの「比較」
メソッド1:「行動目標」と「行動実績」を比べる
メソッド2:「過去の数字」と「行動実績」を比べる
メソッド3:「他人の数字」と「行動実績」を比べる

 

転換率とはあるプロセスの「行動の量」に対する次のプロセスの「行動の量」の割合です。
つまり、「ファネルにおいて次の層に絞られる確率」を示します。

 

改善すべきプロセスを見つけ出すために、「行動の量」でアプローチする際には件数を見ました。
同様に改善すべきプロセスを見つけ出すために、「行動の質」でアプローチする際には転換率に注目するのです。

 

転換率で注意すべきなのは「行動の量」のときのように数字を増やすのではなく数字を小さくするか同等にすることです。

 

優先順位をつけるための基準は「インパクト」と「取り組みやすさ」です。

 

余裕を持って目標を達成できた場合は、「自分は能力がある」と自己評価して成長を止めるのではなく、「もっとできるはずだ」とさらなる高みを目指すべきです。

 

仕事の結果というのは行動からしか生まれないのですから、結果を数字で分解することで初めて改善すべき行動を明らかにすることができるのです。
それこそがキーエンスで言うところのマネジメントです。

 

成果が出せていない企業では、数値化しているといっても、行動と結果の因果関係を追跡できないほどに大雑把なのです。

 

人を責めるのではなく仕組みを攻めることで、ものごとの根本的解決と再現性を生み出せます。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2093-1】ゴールは定量化して定める

【2093-2】ゴールに至るまでに必要な行動をプロセスごとに分解する

【2093-3】分解したプロセスごとに行動目標を数値で設定する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】数値化の魔力
【著者名】岩田圭弘著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/12/24
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード働き方リーダー組織改革
【頁 数】288ページ
【目 次】
はじめに なぜキーエンスの社員は10倍速で成長できるのか?
序章 “キーエンス 数値化の魔力”とは何か?
第1章 数字で「自分の行動」を見える化する
第2章 数字からボトルネックを見つける:「行動の量」編
第3章 数字からボトルネックを見つける「行動の質」編
第4章 “キーエンス 数値化の魔力”:実践編
終章 チームで実践する”キーエンス 数値化の魔力”

 

▼さっそくこの本を読む

数値化の魔力
岩田圭弘 SBクリエイティブ 2023-12-24
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岩田圭弘さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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