【書評:1979冊目】人間とは何か?(マーク・トウェイン)

【結局、人は自分を超えられない】
「トム・ソーヤの冒険」で知られる世界的文豪マーク・トウェイン氏が、『人間とは何か?』と題して、「人間とは機械である」と主張し、若者と老人の対話を通じて人間観を考察する一冊。

■書籍の紹介文

「人間とは機械である」。
この主張に、あなたは何を感じますか?

 

本書は、『人間とは機械である』という主張を掲げ、若者と老人の対話を通じて、そう主張するに至った人間観を考察する一冊。

 

人間は2つの要素でできている。
「気質」と「外的要因」である。

 

「気質」とは、その人が元来持っている性格や能力。
「外的要因」とは、その人が生まれ育った環境によってもたらされる外的な影響力のこと。

 

この2つ、双方の結果によって、人間の行動は決定されている。
ゆえに「人間とは機械である」、これが著者の導き出した人間観です。

 

なるほど、おっしゃる通りですね。
とは絶対にならない、一度聞いただけでは決して受け入れられない主張だとおもいます。

 

ただ、

 

◎ありのままを受け入れなさい
◎どんな状況においても謙虚でありなさい

 

読み込んでいくと、”機械”にはこういう意味があるかなと感じます。
「気質」+「外的要因」=「自分」、この公式以上にも以下でもないと受け入れなさいというわけです。

 

これは、他人に対しても同じことです。
理不尽な言動の人に触れても、「この人はこういう人なんだ」と”ありのまま”に評価せずに受け入れる。

 

大きな成果を得ても、「公式の範囲内、範囲内」と”謙虚”に努める。
こういった、生きるうえで大切にしてほしい生き様を説いているように感じ取りました。

 

ぜひ、じっくりと向き合い、あなたなりのメッセージを見つけてみてください。
自分の中に、”芯”が一本通った感覚を覚えます。

 

◆何度も読み返す一冊。

人間とは何か?
マーク・トウェイン 文響社 2022-3-3
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■【要約】15個の抜粋ポイント

私たちは私たちができるものを造っていかなくてはならない。

 

人はまず、自分自身の心を満足させているのだ。
他の人の利益というのはつねに二の次だ。

 

人間がやることはいつだって自分の精神が最も安らぐ行為なんだよーーーそれこそが人生におけるたった一つの法則だからさ。

 

要するに人間は、どんな場合でも例外なく、他人の痛みにまったく無頓着なんだな。
そうでなくなるのは、他人の痛みで自分自身が不快になったときだ。

 

人は日常的に他者のために犠牲になる、だがそれは、自分自身のためであることが第一だ。
その行為が自らの精神を満たすことが第一なんだ。
他に利益を受ける者は二番目になる。

 

人間はいつだって自らの生まれ持った気質と訓練に忠実なのさ。

 

気質は絶対になくならないよ。
だが、しっかりと気を付けてさえいれば、ほとんどずっと抑えつけておくことはできる。
その気質を備えていること、それがキミの限界だ。

 

キミの理想をただひたすらに訓練し高く、さらにずっと高く、頂を目指すことだ。
その境地に達すれば、キミ自身の至高の喜びを見出だすことができるんだよ、自己満足を得られると共に、必ずや周囲の人々や社会にも利益をもたらすことになる行為のなかにね。

 

結局のところ、主殿は心であって、キミではないからな。

 

わしはもう何の疑いもなく悟っているのさ。
人間を動かす動機はただ一つあるのみーー自分自身の魂を満足させることだけだとーーそして、人間は単なる機械であり、何をやったとしても個体自体の功績を称えられる資格はないのだとね。

 

人は記憶力の助けを借りて、観察や推論したことを保存し、それらを熟考するなり、追加するなり、組み換えるなりして前進していき、彼方にある結果へと段階的に向かっていくんだ。

 

人間が善悪の判断ができるという事実は、他の動物に対する知的優位性を証明するね。
だが一方で、人間は悪行を働くことができるという事実が、そうできないどんな生き物よりも道徳的に劣っているということを証明している。
この見解には難癖をつけようがないと、わしは思うよ。

 

「気質」が好みを決定づけるーーーそして、気質は生まれ持ったものだ、作られるものではない。

 

生まれつきの気質に対抗しようなんて、無駄骨折りでしかない。

 

信条は習得するものであり、気質は生まれつき備わっているものだ。
それゆえ、信条は変化し得るが、何であろうと気質を変えることは絶対にできない。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1979-1】自分の気質について書き出す

【1979-2】自分や相手を過度に追い詰めない

【1979-3】自分に過度な期待はしない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】人間とは何か?
【著者名】マーク・トウェイン
出版社文響社
【出版日】2022/3/3
オススメ度★★★☆☆
こんな時に自分を変えたいと思ったときに
キーワード自己対話哲学生き方
【頁 数】200ページ
【目 次】
1 人間は機械である
2 人間が持つたった一つの衝動
3 証明
4 訓練
5 再掲 人間機械編
6 本能と思想
7 結論

 

▼さっそくこの本を読む

人間とは何か?
マーク・トウェイン 文響社 2022-3-3
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マーク・トウェインさん、素敵な一冊をありがとうございました!

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