【自らの思考を記録に残す大切さ】
メディアアーティスト・落合陽一氏が、『半歩先を読む思考法』と題して、連載上に書き溜めた言葉を紐解きながら、激動する世界でも、常に自分のコアに立ち戻る重要性を指南する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
そのとき、自分がなにを考えていたか。
あなたは振り返ることができますか?
本書は、著者が「note」の連載で書き溜めた言葉を紐解きながら、激動する世界に振り回されないために、思考を深化させて、常に自分のコアに立ち戻る重要性を指南する一冊。
なにをしたかを記録することはあるとおもいます。
でも、なにを考えていたかを記録していることは、あまりないのではないでしょうか。
その日、どんなニュースに触れてどんなことを考えたのか。
その日、どんな会話をしてなにを思ったのか。
その日、どんなことを思考してどんなアイデアが浮かんだのか。
この本を読むと、「振り返りができる仕組みを構築する」ことの大切さをまず感じました。
まるで著者になったかのような錯覚を覚えるほど、著者の思考を追体験できます。
したがって、著者の特別な思考法を学びとる、というような本ではありません。
もちろん、思考を追体験することで、著者の思考の仕方を知ることはできます。
ただ当たり前ですが、著者は著者、あなたはあなた。
思考パターンをマネたところで、著者になれるわけではありませんし、そこに価値はありません。
あくまで、「振り返りができる仕組みを構築する」ことが大事です。
なぜなら、仕組みがあれば、いつでも過去の自分と対話できるからです。
「あのとき、君はなぜそう考えたの?」といつでも問いかけられるわけです。
すると、思考の”つながり”ができます。
さらに、仕組みがあれば、いつでも”共有”することもできます。
「こう考えてきて、ここで詰まっているんだけど、なにかアドバイスはありますか?」といった風に。
こうした仕組みが強固になればなるほど、揺らぐことのない”核(コア)”が出来上がります。
連なる思考が自信を生み、自信は価値観となり、価値観は”自分=核(コア)”を形成していくのです。
ぜひ、この感覚を見つけてみてください。
ひと味違ったテイストの本、おもしろいです。
◆注目の著者による思考の記録。
半歩先を読む思考法
落合陽一 新潮社 2021-7-19
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■【要約】15個の抜粋ポイント
習慣の中に取り入れることでしか変わらないし、好きなものを拾い集めることでしか旅路が見えてこないし、心の老化を止めるには自分の好きな部屋で小さな発見を繰り返すしかない。
壊れた装置や他人から見たらただのゴミのようなものと、デジタルデータに囲まれて浸っていられることが、豊かさなのだとも思っている。
何を覚えていて、何を忘れていて、何を拠り所に生きていかないといけないか、というあらゆるこだわりを徐々に捨てながら、透明な自分を目指す中で出てくるほんの僅かな違いが感性なのかなと思っている。
「1.面と向かって言えないことは他人にSNSで言及しない」、そして、「2.そういうことを表明するヤツを目にしたら自分のネットワークから遠ざける」、この2つを守るだけで随分と爽やかなネット環境が手に入るのに、なんとなくこの人をアンフォローやミュートしたら悪いかな、とか忖度して随分と空気を読みながら空気を淀ませてきたんだと思う。
発信者として心掛けているシンプルなことがある。
コアメッセージを疲れさせないことだと思う。
忙しく生きるのは現代人の常だとは思うけれど、どういうときにのびのび生きる忙しさがあるのかを考えていた。
こののびのびした忙しさというやつは他人と比べるマインドセットからは多分出てこないんじゃないかなぁと思う。
斜に構えてモノを見る、ポジティブにモノを見る。
それを繰り返すことで副音声付きの世界を見る。
多分、この辺のチョイスは人によって異なるとは思うけれど、心の副音声を聴くあたりは普遍性がありそうな気もしている。
「分かりにくいもの」は「分かりにくいものです、考えるところから一緒にやりましょう」と伝えましょうということ。
定期的に無知を体感することが重要だ。
定期的に素人になることとも言えるかもしれない。
全能感とまっさら感の反復横跳びが思いこむ力と突っ走る力を生むと思っている。
常に新しい方向へ向かないと飽きる。
偶発性は救いにはならない。
人はデジタルを通じた体験の中で徐々に調教されている。
データの所作や身体性を読み取れるように我々の脳が徐々に変化しているのかもしれない。
本気ってなによ?と言われれば絶望と消耗に至る現場性の獲得かもしれない。
日常を探している。
以前の日常に戻るということではない、新しい日常を確立するということだ。
自然の脅威の中、読めない世界を右往左往する時間が我々に課す精神的な荷重はかなり大きいと思う。
人を見る目と信頼性によって成り立つ関係性を活かしていかないと伝達速度に限界が来るから信頼と現場力と場数を組み合わせながらやっていくしかないと思って人生を生きている。
イマジネーションの共有がもっとも重要。
脳が直列するような並列するような場づくりが一番大切。
■【実践】3個の行動ポイント
【1987-1】思考を書き溜めて、振り返る仕組みを構築する
【1987-2】分かりにくいことは、「分かりにくいものです、一緒に考えましょう」と最初に伝える
【1987-3】定期的に、”初心者”の状態になれるモノを体験する
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】半歩先を読む思考法
【著者名】落合陽一 ・ 著者情報
【出版社】新潮社
【出版日】2021/7/19
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】考える力を身につけたいときに
【キーワード】思考、発想力、働き方
【頁 数】256ページ
【目 次】
第1章 「平成」という永い修業を経て、「令和」への全力疾走
第2章 さよなら青春のインターネットの日々よ
第3章 草鞋を複数履きながら走る日々を実現するには?
第4章 誰かに理解されるより先に次の行動に移すこと
第5章 ぬか漬けにしたピーターパンからは日本の匂いがするだろうか?
第6章 天気の奴隷にならないために
▼さっそくこの本を読む
半歩先を読む思考法
落合陽一 新潮社 2021-7-19
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落合陽一さん、素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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