【書評:1758冊目】怒らないこと(アルボムッレ・スマナサーラ)

【怒りは猛毒、解毒するのは笑うこと!】
スリランカ上座仏教長老/アルボムッレ・スマナサーラ氏が、『怒らないこと』と題して、なぜブッダは怒りを全否定するのかを説きながら、怒りに侵されない方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

怒ることは自然なことだ。
こう聞いて、あなたはどうおもいますか?

 

本書は、怒ることは自分で毒を飲むことに等しい蛮行だと説教し、ブッダの教えにしたがって、怒りに侵されない方法を説く一冊。

 

この本は、怒らない方法を身につけるものではありません。
そもそも怒らない、怒りと無縁な自分であることを目指すものです。

 

怒ることは、決して自然なことではありません。
むしろ、激しく自分を破壊する愚かな行為であると認識するべきです。

 

この激しく自分を破壊する行為を、仏教では「怒りは死ぬくらいの猛毒」という教えにしています。
そして、現代人は”怒り”に対する認識があまりにも軽いと警鐘を鳴らします。

 

ハッキリ言って、かなりの衝撃を受ける内容です。
「怒るなんて普通のこと、普通のこと」と笑っている人ほど、より強烈だとおもいます。

 

では、どうすれば「怒らない」自分になれるのか。
ほとんどの人は「そんなの無理でしょ!」とおもうことでしょう。

 

そう、無理なのです。
あなたが「怒りを追い出そう!」と決心し追放の戦いをはじめないかぎり。

 

毎日、怒りをきちんと自覚し、怒りを追い出すために戦い続ける
すると、徐々に徐々に怒りを体外に排出することができるのです。

 

怒りを放置していてはいけないんだ。
怒りを放置するとこんなに悪影響があるんだ。
これはマズい!

 

このように自覚することが、まずは大事です。
「怒りは猛毒」と説く仏教の教えに触れることで、”危機感”があなたのなかに芽生えるはずです。

 

その”危機感”を忘れず、大切に育てていきましょう。
諦めずにコツコツと挑戦することで、「怒らない」という極楽世界の住人になれるのです。

 

『怒りたいから、怒っている』
ここを認めることからはじめなさいと、ブッダは導きます。

 

◆怒りは負け犬の遠吠え!

怒らないこと
アルボムッレ・スマナサーラ
大和書房 2021-6-12
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■【要約】15個の抜粋ポイント

自分が今怒っているかどうかわからない場合は、「今、私は楽しい?」「今、私は喜びを感じている?」と自問自答してみればいいのです。
「べつに楽しくはない」「何かつまらない」と感じるならば、そのときは心のどこかに怒りの感情があります。
「退屈だ」「嫌だ」などの感情があるときは、心に怒りがあるのです。

 

この世の中にある、ものをつくり上げる創造の源泉は愛情であって、創造したものを破壊していくのは怒りの感情です。
それは普遍的な、世の中にある二種類のエネルギーの流れです。

 

人間というのは、いつでも「私は正しい。相手は間違っている」と思っています。
それで怒るのです。
「相手が正しい」と思ったら、怒ることはありません。
それを覚えておいてください。
「私は完全に正しい。完全だ。完璧だ。相手のほうが悪いんだ」と思うから、怒るのです。

 

「自分を直すことができれば、怒りから逃れることができる」

 

怒りには何かを破壊する力がありますが、何よりも先に破壊されてしまうのは自分なのです。

 

怒りは自分を壊し、自然を破壊し、挙句の果てには他人の幸福まで奪います。
ですから、自分を甘やかしてはいけません。
我々は怒りをなんとかするよう、真剣に努力すべきです。
「怒らないこと」は個人の課題でもあり、生命全体からの要請でもあります。

 

無視したことによって、自分が損をしてはいけません。
「あなたは私に損を与える。だから私はそれを無視する。それによって私は幸福になる」というのを見せつけることです。
わずかでも「口を利かないことは寂しい」とか「やっぱり口を利いたほうがいい」などとは思わないことです。
あなたがニコニコして、堂々と楽しく生きていると、向こう側が「やっぱり自分のほうが間違っているかもしれない。折れなくてはいけない」と考え直すようになります。

 

日常的に「鏡を見る」という自己観察をして自分の行動に誤りがあるかないか、調べるのです。
自分がやったことには自分で反省しなければ意味がないのです。
反省の気持ちにならないと、過ちを直すことはできません。
よい人間になりたいと思う人々は、自分にどれだけ反省の気持ちがあるのかと、見たほうがよろしいのです。

 

重要なことは、いちばん古いと言われている経典の最初に、「怒りを死ぬくらいの猛毒として見てください」と書いてあるということなのです。

 

誰かが悪いことをしていたら「それは悪いことですから、やめなさい」と言うだけ。
それだけで終わるのです。

 

仕事があるなら仕事を楽しむ。
仕事が終わってからは老後を楽しむ。
孫が来たら、孫と遊んで楽しむ。
そういうことです。

 

すべてのものに完璧な能力がある人など絶対にいないのですから、人それぞれの能力を見つけて、生かせばいいのです。

 

怒らないでいる瞬間には、自分がその状況に打ち勝っているということを、しっかり感じて覚えておいてください。
そうすれば負け犬にならず、勝利者になれるのです。

 

笑いは強者の証明で、怒りは敗北者の烙印です。
楽しく生きるために、今、笑いましょう。
それで怒りとは無縁です。
怒るのは、敢えて失敗を選ぶ愚か者です。
智慧ある人は迷わず笑う道を選ぶでしょう。
難しいことは何もありません。

 

怒っている人の状態は、何かひどいものを食べておなかを壊して吐いているのと同じなのです。
その人の言葉や行動は溜まっている毒を出しているだけですから、きれいになって落ち着くまで、思う存分出させてあげましょう。
「あの人が吐いたものを食べて、私までおなかを壊す必要はない」という態度でよいのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1758-1】「怒ると、自分を壊してしまう」と自覚しておく

【1758-2】鏡を見て、自省する時間を設ける

【1758-3】笑うことを意識して生活する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】怒らないこと
【著者名】アルボムッレ・スマナサーラ
出版社大和書房
【出版日】2021/6/12
オススメ度★★★★★
こんな時に心の平穏や導きがほしいときに
キーワード哲学メンタル自己対話
【頁 数】216ページ
【目 次】
第1章 「怒り」とは何?
第2章 怒りが幸福を壊す
第3章 怒らない人
第4章 怒りの治め方

 

この本が、あなたを変える!

怒らないこと
アルボムッレ・スマナサーラ
大和書房 2021-6-12
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アルボムッレ・スマナサーラさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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