【書評:1676冊目】武器としてのITスキル(グロービス経営大学院)

【理解してこそ使いこなせる!】
グロービス経営大学院が、『武器としてのITスキル』と題して、一般のビジネスパーソンこそ身につけることで差がつくと提起し、ITを使いこなすための19のポイントを解説する一冊。

■書籍の紹介文

普段使っているアプリやソフト。
どんな原理で動いているか、想像したことがありますか?

 

本書は、ITの理解なくしてビジネスパーソンの競争力は高まらないと提起し、ITを使いこなす人材になるための19のポイントを解説する一冊。

 

専門のエンジニアでなくても、ITスキルはこれからの時代に必須である』。
いろいろなところで叫ばれていることです。

 

だからこそ、多くの人が一生懸命にアプリやソフトの使い方を学習しています。
ただ、本書でいう”ITスキル”はそこではありません。

 

アルゴリズム、統計学、プログラミングなどが、”ITスキル”です。
言うなれば、どういう考えで、どういう仕組みで、どういう技術で、というITの根幹部分を身につけるスキルを指します。

 

根幹を理解することで、テクノロジーの流れが理解できるようになります。
・通販サイトのレコメンド機能の仕組みは?
・AIはどういう手順で学習しているのか?
・GAFAのプラットフォームはなぜ強いのか?
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”ITスキル”を理解することで、流れが理解でき、優位なポジショニングができる可能性が高まるのです。
まさに、テクノロジーが進化し続ける時代を生き残っていく術となるのです。

 

では、どこから手をつければいいのか。
それをまとめたのが本書です。

 

ひとつひとつの内容は、初歩的なものです。
大学で履修科目を決めるときの「シラバス」のイメージです。

 

一般のビジネスパーソンにとっては、ハードルの高さを感じるスキル習得です。
だからこそ、本書のような本で全体像を把握してから取り組むべきです。

 

それによって、迷子になることなく学習を継続できます。
ポイントポイントで、参考書籍が紹介されているのも嬉しい点です。

 

ただ使うよりも、理解した上で使う。
この差は、ますます大きい時代になっていきます。

 

早いうちに、スキル習得をはじめましょう。
自分自身の成長のために、自分自身を守るために。

 

◆理解してこそ使いこなせる!

武器としてのITスキル
グロービス経営大学院 東洋経済新報社 2018-4-20
売上ランキング(公開時):149,089
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■【要約】15個の抜粋ポイント

コンピュータと人間が役割分担をしながら問題解決するという新しい考え方「テクノベート・シンキング」(Technovate Thinking)には4つのステップがあります。
(1)問題の定義
(2)データの構造化
(3)アルゴリズム化
(4)実行(プログラミング、外部リソースの活用等)

 

もっともよいアルゴリズムとは「もっとも計算量が少ない」アルゴリズムのことをいいます。
プログラム言語をいくら使えるようになっても、このアルゴリズムを学ばない限り、効率的にコンピュータを使えるとはいえません。
だからこそ、ビジネスパーソンもまずはアルゴリズムを学ぶべきなのです。

 

コンピュータが扱うことのできる代表的なデータ構造
・配列
・リスト
・ツリー
・グラフ

 

ITシステムの構築は、大きくは以下のような流れを経ます。
ステップ1:ITを使って実現したいこと、コンピュータに考えてもらいたいことを考える(要件定義を行う)
ステップ2:1をアルゴリズムに落とす(仕様に落とす)
ステップ3:プログラミングをする(実装する)
ステップ4:実際に想定通りに動くかどうかテストする
ステップ5:使い始める

 

ビッグデータの世界では、因果関係は説明できなくても相関そのものをビジネスに活かしていく方向へと大きく変化しており、その意味でも相関を理解することはとても大切です。

 

テクノベート時代における生産性とは、こなす仕事の量やスピードのことではなく、コンピュータを活用した業務の自動化や今抱えているさまざまな資産の有効活用、そしてそれらを通じた「スマートで高品質な働き方」の実現のことなのです。

 

テクノロジーを効果的に使って生産性を向上させるには、従来のやり方をそれまで通用させていた誤った常識を洗い出し、業務内容をより効率的で正しいものに変えていくといった発想が大事です。

 

「隣の人が使っていれば自分も使う」というネットワーク経済性の強力な効果がそのまま表れるのが、テクノベート時代のビジネスの特徴なのです。

 

●プラットフォーム型ビジネス構築の4つのステップ
(1)できるだけニッチな顧客層を狙え
(2)顧客に「最高の体験」を提供せよ
(3)ユーザー同士が「価値を伝え合う」仕組みを作れ
(4)資産を活かして隣接エリアに事業を拡大する

 

デジタル技術の活用やそれにともなう消費者のニーズの変化にあわせた企業の変革、すなわちデジタル・トランスフォーメーションは、大きく分けて4つのコンセプト(考え方)から成り立っています。
それは「サービス化」「ソーシャル化」「スマート化」「オープン化」です。
4つの要素の頭文字を取って、「3SO」と呼ぶこともあります。

 

問題解決、課題解決には、コンサルティングファームによって定式化されたフォーマットがあります。
それは、
①「イシュー(課題)を設定する(Issue、What)」
②「どこで問題が発生しているか、どこが改善感度が高いかを見きわめる(Where)」
③「なぜその問題が発生したのかを突き止める(Why)」
④「対策を打つ(How)」
というものです。

 

●新しいテクノロジーを使って事業を変えていくリーダーに必要な4つの能力
①自分たちのビジネスの今後、将来のビジョンを思い描く
②ビジョンに多くの人を巻き込み、一緒に取り組んでもらう
③組織の新たな意思決定の仕組みを作る
④ITとビジネスの現場をつなぐ

 

データをみることと合わせて、自分よりも現場に近い人、新たな知識を持っている人、ユーザーなど、今起きていることそのものに近い人から学ぶことが大切です。

 

発言が思った以上に参照され、広まってしまうことがあると自覚し、透明性のあるコミュニケーションを心がけた方がよいでしょう。

 

自分で考え、自分から変化を起こせるか。
これからの時代に一番必要なスキルは、「グロースマインドセット」を持つこと、主体的に自己変革する力なのではないでしょうか。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1676-1】アルゴリズムの学習をする

【1676-2】『入門統計学』を読む

【1676-3】普段なら選ばない方を選んでみる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】武器としてのITスキル
【著者名】グロービス経営大学院著者情報
出版社東洋経済新報社
【出版日】2018/4/20
オススメ度★★☆☆☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード働き方勉強法教養
【頁 数】240ページ
【目 次】
1 コンピュータ+データの基本スキル
2 戦略・マーケティングの基本スキル
3 リーダーシップ・組織の基本スキル

 

この本が、あなたを変える!

武器としてのITスキル
グロービス経営大学院 東洋経済新報社 2018-4-20
売上ランキング(公開時):149,089
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グロービスさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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