【書評:1980冊目】孤独を楽しむ人、ダメになる人(有川真由美)

【孤独を楽しめるほど、人生は楽しくなっていく】
作家・有川真由美氏が、『孤独を楽しむ人、ダメになる人』と題して、「幸せな孤独」の姿を浮き彫りにしながら、自分で自分を幸せにしていく方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

ひとりの時間。
それは、あなたにとってどんな時間ですか?

 

本書は、多くの人が「孤独」をネガティブに捉えていると指摘し、「幸せな孤独」の姿を浮き彫りにしながら、自分で自分を幸せにしていく方法を指南する一冊。

 

「孤独を楽しむ人」とは、”ひとりで人生を生き生きと楽しめる力”を蓄えている人とのこと
なぜそうなるのか、どうすれば力を養えられるのか、この2つを理解するのが本書のテーマです。

 

ひとりは寂しい、だれかと一緒が楽しい。
もちろん、人と関わることは楽しいですし、人生を豊かにしてくれるのは間違いありません。

 

しかし、孤独を一方的に否定するのはもったいないと著者は指摘します。
そのうえで、人と関わりたいときは関わり、ひとりでいたいときはひとりでいる。

 

自分の気持ち次第で、どちらでも”選択できる”ようにしておくことがなにより大切である。
そのためにも、”ひとりで人生を生き生きと楽しめる力”を蓄えて「孤独を楽しめる人」であれと説いていきます。

 

孤独を否定したり遠ざけたりするのは、だれかに依存しながら生きている証。
この視点をもっておくと、「孤独」というものの見え方が変わるのではないでしょうか。

 

ひとりが苦にならなくなると、生き方の幅がグッと広がります。
時間や場所、仕事に人間関係、縛りつけられると息苦しくなるものから、自分で自分を開放してあげられるようになります。

 

依存をしないからこそ、無理をすることもなければ、自分の心を偽る必要もありません。
いつでも、自分の心に正直に、前向きかつ主体的に生きていけるのです。

 

そんなあなたの姿をみて、「自立したかっこいい人だな」と周囲の人は感じるようになります。
「孤独を楽しむ人」に近づくほど、かえって人間関係も好転していくわけです。

 

自分の人生に必要な人だけが残り、ほどよい距離感で関係性を深める。
互いを尊重しながら、協力や助けが必要なときに、さりげなく力を合わせる。

 

本書に書かれている「孤独を楽しむ人」の姿のイメージが出来上がるほど。
10代後半から20歳前後に抱いた『かっこいい大人像』に近いな、そんな感覚をおぼえました。

 

孤独への思い込みを解消し、孤独を楽しめる人を目指す。
過剰なつながりに疲弊している人ほど、一読一考の価値ありです。

 

◆孤独は、決してひとりではない。

孤独を楽しむ人、ダメになる人
有川真由美 PHP研究所 2023-3-17
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

いちばんの不幸は、「自分がなにをしたいのか」がわからなくなること。
さらに、「孤独でいる自分はダメな人間だ」という呪いをかけて自信まで失ってしまうことです。

 

一人でいることは恥でもなんでもなく、むしろ、精神的に自立している証です。
一人の自分を恥じるのではなく、一人で行動できないこと、一人でいる人に「かわいそう」と偏見の目を向けることを恥じるべきなのです。

 

人は孤独のなかで、心が自由になります。
芸術家や小説家が作品を生み出すのも孤独のなかから。
自分の生き方を迷いながら見つけるのも、気持ちを立て直すのも孤独のなか。
だれにも支配されない”個の自分”になって、生きる力を取り戻すのです。

 

「自分でなんとかする」の積み重ねは、”孤独力”になり、生きる筋力になっていると感じます。
自分の心と体を守るために、まず自分自身を頼ってください。

 

「正直」「好奇心」「楽観的」を意識するだけで、孤独に陥ることが劇的に減るだけでなく、”幸福体質”になることは間違いありません。

 

私たちはだれになることもできないし、逆にだれにもマネできない自分を生きています。
ものごとを決めるとき、「人はどう思うか」ではなく、「自分は自分を好きになれるのか」「どうあれば満足するのか」と”自分のものさし”で選んでください。

 

「一人だからこそ、できることがあるはず」と視野を広げると、さまざまな可能性があることに気づきます。
何歳でも挑戦したり学んだり、遊んだりしてもいいのです。

 

孤独を楽しむ達人になるために、最高のレッスンともいえるのが「プチ一人旅」。

 

人に頼るためには「自分はなにができて、なにができないのか」をわかっておく必要があります。
できないことが明確なら、頼る事柄も明確。
人も見つかりやすくなります。
孤独を生きる醍醐味は「たくさんの人とつながり、たくさんのサポートが得られること」。
だから「孤独はさびしい」なんんて、ほんとうにナンセンスな話なのです。

 

孤独を楽しむ人の流儀として、「与えたことはその場で忘れる。与えられた恩は忘れるな」という気持ちを忘れずにいれば、いつの間にか、まわりがまるでサポーターのように引き立ててくれるようになるのです。

 

食事は毎日、生きている間はずっと繰り返されるので、せっかくなら美味しいものを食べたい。
料理番組や料理動画を見るのも刺激になります。
ぜひ、「料理することは楽しい、面白い、美味しい」と自分を洗脳して、豊かな食卓を。

 

最低限の稼げる手段をもっておく、少ないお金とモノで暮らせるようにしておく、しがらみにとらわれず、できるだけ「時間・場所・人間関係」を選べるようにしておくなど一人でも動けるようにしておくと、逆に可能性は広がってきます。

 

自分で気づく能力を培うために、いつも危機感をもって、さまざまなものに触れ、「いまの自分は大丈夫か?」と振り返る機会をつくる必要があるのです。

 

孤独を生きる人にとっての敵は、相手ではなく、「相手を嫌いになる気持ち」。
日ごろから感謝したり、リスペクトを示したりしていれば、悪いことにはなりません。
人間関係の対立は感情にのみ込まれたほうが負けと心得ておいてください。

 

自分から「愛すること」で愛は増えていくのです。
自分を愛することは、世のため人のため。
そんな愛情深い人間になるためには、心を明るくして、自分の生き方に誇りをもち、好きになることが大事だと感じます。
「自分は自分を幸せにする力がある」「自分から愛することができる」という信念が心地よい場所と、ごきげんな毎日をつくっていくと、私は確信しているのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1980-1】定期的に、ひとり旅をする

【1980-2】料理をする習慣をつくる

【1980-3】「与えたことはその場で忘れて、与えられた恩は忘れない」という気持ちで生きる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】孤独を楽しむ人、ダメになる人
【著者名】有川真由美著者情報
出版社PHP研究所
【出版日】2023/3/17
オススメ度★★★★☆
こんな時に生き方に迷ったときに
キーワード生き方マインド人間関係
【頁 数】232ページ
【目 次】
第1章 孤独の感情に引きずられるのは、大損です
第2章 孤独を楽しめる人の感情の整理術
第3章 孤独こそ、自由で幸せな生き方
第4章 孤独を楽しむためのレッスン
第5章 孤独を楽しんで生きる人、孤独でダメになる人
第6章 孤独を楽しむ人の人間関係、ダメになる人の人間関係

 

▼さっそくこの本を読む

孤独を楽しむ人、ダメになる人
有川真由美 PHP研究所 2023-3-17
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

有川真由美さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

ページ上部へ戻る