【書評:1858冊目】超約版 貞観政要(呉兢)

【1300年読み継がれた”帝王学”の書】
中国唐代の歴史家・呉兢(ごきょう)が、「唐」という国の礎を築いた皇帝・太宗が残した言葉の数々をまとめた『貞観政要』、その要点を現代に即した内容に超約した一冊。

■書籍の紹介文

生きる上で大切にしている言葉。
あなたは、なにかお持ちですか?

 

本書は、誕生してから1300年、あまたの歴史上の偉人たちが頼った、上に立つ者としての才覚・器量・度量をまとめた帝王学の書『貞観政要』を現代語訳した一冊。

 

組織の上に立つ者ほど孤独である。
よく聞かれる言葉です。

 

意見をしてくる人も、上に行くほど減っていきます。
自分から悩みをさらけ出すなど”弱さ”を出しづらい空気感になります。

 

このような”孤独感”をうまく克服していかないと、ある日、モンスターに変異しかねません。
志も高くて優れた人物と評価されてリーダーになったのに、皆が恐れる”暴君”へと・・・。

 

この狭間で、いつの時代のリーダーももがき苦しんでいます。
うまく乗り越えたリーダーは”名君”となり、闇に落ちたリーダーは”暴君”となり、歴史に名を刻みます。

 

では、”名君”と”暴君”を分けるものは何か。
それを一冊にまとめたのが『貞観政要』です。

 

7世紀、中国の「唐」という国の礎を築いた2代皇帝・太宗。
その政治の要諦を、後年、呉兢という歴史家が書にしたものです。

 

『世界最古のリーダー論』と称され、組織を率いる者が学ぶべき”座右の古典”と言われています。
ときは、鎌倉将軍から、徳川家康、明治天皇まで、が治世のために参考にしたと伝わります。

 

書となり1300年。
現代でもこのように現代語訳が出版される事実だけでも、読まない理由はありません。

 

上司の在り方、人材の登用・活用、後継者の育成・・・・。
”孤独”だからこそ、すがりたい言葉の数々が整然と並んでいます。

 

訳者の技量も素晴らしく、テンポよく読むことができ、古典嫌いの方にもオススメ。
手元に置いておきたいと思える一冊です。

 

◆研ぎ澄まされた凄みのある言葉。

超約版 貞観政要
呉兢 ウェッジ 2022-4-20
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

自らを治められない者は組織すら治められない
「未だ身理(おさ)まりて、国乱(みだ)るる者を聞かず」(君道篇)

 

自分が望まないことを人に求めてはいけない
「己の欲せざる所は人に施す勿れ」(論倹約篇)

 

ダメ出しできる部下こそリーダーの傍らに必要
「冒眛(ぼうまい)の罪は臣の甘心(かんしん)する所なり」(直言諫争篇)

 

組織の寿命はリーダーの道徳心で決まる
「平定するは同じと雖(いえど)も、人情は即ち異なれり」(弁興亡篇)

 

人を育てるのは木を植えるのと同じこと
「本根、揺がざれば、即ち枝葉茂盛す」(政体篇)

 

事後を見据えた勝ち方こそ組織が永続する秘訣
「其の葬を襲うは、武と称するに足らず」(議征伐篇)

 

信念や誠実さに欠ければ人はついてこない
「人、信無くんば立たず」(論誠信篇)

 

おおよそ答えは良書に書かれている
「学ばざれば(しょうめん)す」(論悔過篇)

 

命令を出す者はわかりやすさを心がける
「法を制するの後、猶(な)ほ画一と称せらる」(赦令篇)

 

逆鱗に触れるのを厭わない部下を傍らに置け
「遂に犯觸(はんしょく)を避けずして、各々封事(ほうじ)を進むること」(求諫篇)

 

公平なリーダーのもとで人は動き出す
「国を理むるの要道(ようどう)は、実に公平正直(せいちょく)に在り」(論公平篇)

 

重視すべきは才能より人格である
「王者は須(すべから)く官のために人を選ぶべし」(論択官篇)

 

上に立つ者はいかなるときも筋を通せ
「一言の重き、千金にひとし」(納諫篇)

 

過ちを認めることを躊躇してはならない
「深く自ら克責(こくせき)し、遂に策使(さくし)を停め」(納諫篇直諫附)

 

幸福も災難も招くのは自分と知れ
「禍福は門無し、惟だ人の召く所のみ」(論貪鄙篇)

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1858-1】自分が望まないことは、他者にも求めない

【1858-2】誰に対しても公平に接する

【1858-3】物事の筋を曲げない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】超約版 貞観政要
【著者名】呉兢
出版社ウェッジ
【出版日】2022/4/20
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日のリーダー力を磨きたいときに
キーワード哲学リーダー指導力
【頁 数】200ページ
【目 次】
第一章 人の上に立つ者の条件
第二章 強い組織をつくる哲学
第三章 部下を伸ばすリーダーの資質
第四章 上に立つための自分の磨き方
第五章 部下を最大限に生かす法
第六章 有能な人材の見抜き方
第七章 失敗や挫折を乗り越える

 

この本で、あなたは変わる!

超約版 貞観政要
呉兢 ウェッジ 2022-4-20
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

夏川賀央さん、読みやすい翻訳をありがとうございます^^

■お知らせ

▼書評ブロガーの読書術を公開中!

▼【仲間大募集中!】101年倶楽部

▼「いいね!」応援をありがとうございます!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る