【書評:1776冊目】引き出す力(上阪徹)

【どこまで引き出せるかは、あなたの●●次第!】
ブックライター・上阪徹氏が、『引き出す力』と題して、一瞬で懐に入りこみ、相手が思わず話してしまうワンランク上の聞く力=引き出す力の磨き方を指南する一冊。

■書籍の紹介文

人から話を聞くこと。
あなたは得意ですか?

 

本書は、3000人以上にインタビューしてきた著者が、一瞬で相手の懐に入りこみ、相手が思わず話してしまうワンランク上の「聞く力(=引き出す力)」の磨き方を指南する一冊。

 

あなたの話を聞きたい!という『熱量』
結局、どこまで聞けるかはここに掛かっています。

 

しかし、熱量も正しく伝えなければ相手の心に届きません。
うまく伝わず、警戒されてしまったり拒絶されてしまったりしては元も子もないからです。

 

ただ、どうすれば適切に伝わり、相手は心を開いて話してくれるのか(話を引き出せるのか)を見極めるのは大変です
ここに人から話を聞く難しさがあります。

 

この難しい壁をどう乗り越えればいいのか。
その方法が学べるのが本書です。

 

経営者や有名人など、3000人以上から”引き出して”きた経験を伝えます。
どのように準備し、どのように臨めば、知りたいこと・学びたいことが引き出せるのかのポイントが学べます

 

相手とは、”あなたの知らないことの宝庫”です。
どこまで引き出せるかは、あなたがどれだけ”攻略法”をもてるかによります。

 

宝を掘り当ててやる!という『熱量』と、感情に流されない緻密な『攻略法』
この2つが揃ったとき、相手は心の扉を開き、あっ!と驚くエピソードを話してくれます。

 

『熱量』の整え方と『攻略法』の身につけ方が書かれている本。
言ってみれば、本書は「攻略本」といえます。

 

あの人の、あっ!と驚くエピソード。
あなたは引き出したくありませんか?

 

◆知らないを知る喜びを特等席で。

引き出す力
上阪徹 河出書房新社 2021-9-18
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■【要約】15個の抜粋ポイント

相手の話を「引き出す」ことができれば、もっといい仕事ができる。
もっと結果を出せる。
もっと相手の信頼を得られる。
なぜなら、それまでわからなかったことが、わかるからです。

 

インタビューに臨むにあたって、私が常に意識しているのは、このことです。
本当はみんな自分のことを話したい。
聞かれることは心地よいことだという大前提です。
だから、聞いてあげればいいのです。
どんどん聞いたほうがいい。
聞くこと、引き出すことによって、相手のことが本当に理解できる。
それは、相手を喜ばせることでもあるのです。

 

聞かれることはポジティブなこと。
頭の中の整理にもつながること。
聞かれること、引き出されることは、決して受け身なばかりではないこと。
それを前提に、コミュニケーションをとっていく。
この心得を、まずは持っておいてほしいと思います。

 

このくらいは見ていないだろう、と思われることも見られていると思ったほうがいい。
オンラインしかり、リアルな対面しかり、です。

 

知っていても無知のフリをする、くらいのほうがいいのです。
著名なジャーナリストの田原総一郎さんが、この取材スタイルを貫いていると聞いたことがあります。
無知のフリをして聞いていて、実はわかっているので鋭い質問で斬り込んでいくのです。
私はそこまでの技術はありませんので、とにかく教えてください、というスタンスを貫きます。
おかげで、いろいろなご縁もいただくことになりました。

 

目線をじっと相手に向けるのも良くないのですが、その意味でもメモは使えます。
自然に目線を外すきっかけになるからです。
人にもよると思いますが、6、7割は顔を上げ、3、4割でメモを取るイメージでしょうか。
ちなみにメモは、相手へのサインにもなります。
話が脱線してしまい、その話は聞きたくないなぁと思うときには、メモを止めて顔を上げてしまうのです。

 

クライアントのクライアントに意識をめぐらせれば、自分のやっていることはクライアントのウインにつながることだと気づけます。
だから、堂々と話を聞けばいいし、聞き出せばいいのです。

 

コミュニケーションの冒頭では、ひとつ大事にしていることがあります。
それは、「今日は何をしに来たのか」「目的は何か」「何をあなたに期待しているのか」をしっかり語る時間を作ることです。

 

1時間のインタビューなら、私が考える質問はせいぜい6つほどです。

 

答えやすい質問から、だんだん抽象化していくことです。

 

失礼な態度を取ってしまうことは問題ですが、かしこまり過ぎてしまうのも問題。

 

質問を考えるとき、いつも頭に入れていることがあります。
「5W2H」です。
・いつ(When)
・どこで(Where)
・誰が(Who)
・何を(What)
・なぜ(Why)
・どのように(How)
・いくら(How much)

 

自分のことを話してから、質問につなげていく。
ストレートな質問を繰り出すのとは、また違った答えが導き出せる手法だと思っています。

 

やってはいけないのは、相手の話に感情的になることです。

 

「自分のために」を捨て、「誰かのため」にシフトしたら、聞くことはまったく怖いものではなくなります。
どんなことでも聞けてしまうし、妙な遠慮もしなくなる。
「私」を持たないほうが、引き出す力が発揮できるのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1776-1】「知っていても無知のフリをする」くらいの心構えで、知らないことを恐れない

【1776-2】人に話を聞くときは、目的を明確にしてから聞く

【1776-3】「誰かのため」に聞くという姿勢で、人の話を聞く

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】引き出す力
【著者名】上阪徹著者情報
出版社河出書房新社
【出版日】2021/9/18
オススメ度★★★★☆
こんな時に聞く力を身につけたいときに
キーワードコミュニケーション話し方準備力
【頁 数】248ページ
【目 次】
第1章 引き出す力を理解するために大切なこと
第2章 引き出す力を身につける 準備編
第3章 引き出す力を身につける 実践編Part1
第4章 引き出す力を身につける 実践編Part2
第5章 引き出す力を身につける 応用編

 

この本が、あなたを変える!

引き出す力
上阪徹 河出書房新社 2021-9-18
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上阪徹さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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