【書評:430冊目】アイドル国富論(境真良)

【アイドルは社会の応援団?】
エンターテインメント産業の研究者・境真良氏が、『アイドル国富論』と題して、「アイドルの時代」と「景気循環」の相関関係を明らかにしながら、「現代アイドル論」を考察する一冊。

■書籍の紹介文

人々を夢中にさせるアイドル。
あなたにとって、どういう存在ですか?

 

本書は、アイドルとは日本社会にとってどういう存在なのかを明らかにしながら、アイドルの持つパワーに迫っていく「現代アイドル論」を考察する一冊。

 

◎メディアとの関係
◎アイドルを生み出す方法の変遷
◎芸能プロダクションというビジネスモデル
◎「見出すゲーム」「支えるゲーム」「育てるゲーム」というアイドル消費の根幹

 

アイドルを支える仕組み・環境を学問的に論じているおもしろい一冊。
アイドルがこれほどまでに、日本社会に影響を与えている姿はとても興味深いです。

 

アイドルはいかに誕生し、どのように育っていったのか。
これを知ることで、テレビの中のアイドルを見る目も変わってくるでしょう。

 

アイドルの影響力は、芸能だけに止まらない。
日本社会の状態を表すバロメーターにもなるのです。

 

◆アイドルのパワーを侮るべからず!

アイドル国富論
境真良 東洋経済新報社 2014-10-3
売上ランキング(公開時):51,213
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■【要約】15個の抜粋ポイント

アイドルと日本経済には密接な関係がある。
戦後日本経済の歴史は、大きく、戦後経済の混乱期、高度経済成長期、戦後経済成熟期、バブル経済期を経て、現在に至ると考える。

 

「アイドル」については、歌手という形で60年代から70年代初頭に生まれ、80年代に一つのピークを迎え、90年代の「アイドル冬の時代」で断絶、また97年のモーニング娘。以降、再び勃興してきた。

 

これを日本経済の大きな区分に重ねて見ると「アイドルの時代」とは、戦後経済成熟期と現代という「行き詰まった時代」に重なる傾向がある。

 

「美しい」という言葉との対比で、アイドルの形態的特徴は「かわいい」だ。
「美しい」はしばしば触れることの禁忌と不可能性と結びついている。

 

一方「かわいい」は触れたい、庇護してあげたいという欲求を引き起こす。
つまりそれは「支配したい」という欲求と同義であり、対象を自分より下の、劣等な存在と見なすことにも通じている。

 

極論を言えば「アイドル」とは、身の回りのコミュニケーションゲームの道具、「駒」だったのだ。
「駒」として重要なことは、魅力を持ち過ぎないことだ。

 

日本経済が「大人」になる過程で「アイドル」という「不完全なもの」の価値は落ちていったのだ。
それが「自由市場主義の時代」であり、「アイドル冬の時代」と言われた90年代だ。

 

バブルとバブル崩壊後の「実力派」志向の中で、女性消費者の存在が大きくなっていった。
それは、彼女たちが求めていたもの、すなわち「カッコよさ」という実力派的性質が、時代に合致したからだ。

 

女性にとってアイドルは疑似恋愛対象であり、魅力は「強さ」につながる「かっこよさ」だ。
その点、男性がアイドルに求める「弱さ」につながる「支配できそうな期待」「かわいさ」と異なる。

 

新たな「アイドルの時代」は、モーニング娘。から始まる。
彼女たちは、歌とダンスというアーティスト面と、それ以外は全く不完全な「普通の女の子」という面を同時に強調する二正面作戦に出た。

 

「自分たちは誰も支配しない代わりに、誰からも支配されない」まさに「中産階級社会」だ。
アベノミクスは、誰もが「被支配感」を感じずに生きたいと考える日本人の理想に支えられているのだ。

 

しかし、グローバル市場主義は、中産階級社会を解体していく。
ならば、これを受け入れ、経済的成功を目指すしかない。
これこそが、市場主義が社会倫理に転化した「公定マッチョ」だ。

 

格差の時代にあって、人々は大きな夢を見ることなく、それでも目の前の挑戦を諦めずに続けている。
このヘタレているが懸命にマッチョに生きる態度を持つ「ヘタレマッチョ」が日本を支えている。

 

孤独な時には、ネットやライブで確認し合えるファン仲間たちがいる。
さらに、自分が推すことでアイドルを芸能界の中で上昇させ、自分の主体的な力を確認することができるのだ。

 

日本は、中産階級の国だ。
その中産階級を、アイドルが歌い、踊り、励ましている。
つまり、日本という国は「アイドル国家」と言っても過言ではないのだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【430-1】自分が落ち込んだ時に、励ましてくれるものは何か書き出す

【430-2】書き出したものが、日本全体に広がったことをイメージする

【430-3】イメージしたものが、日本経済にどれだけインパクトがあるか考えてみる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】アイドル国富論
【著者名】境真良著者情報
出版社東洋経済新報社
【出版日】2014/10/3
オススメ度★★☆☆☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード教養社会ビジネスモデル
【頁 数】255ページ
【目 次】
第1章 アイドルのメディア産業論
第2章 アイドルの消費論
第3章 アイドルの進化論
第4章 アイドルの国家論
第5章 アイドルの世界平和論

 

この本が、あなたを変える!

アイドル国富論
境真良 東洋経済新報社 2014-10-3
売上ランキング(公開時):51,213
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境真良さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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