【書評:1777冊目】発信力を強化する「書く」「話す」サイクル(さわらぎ寛子)

【相手がほしい言葉を、自分の中から紡ぎ出す練習】
コピーライター・さわらぎ寛子氏が、『発信力を強化する「書く」「話す」サイクル』と題して、書くと話すを循環させることで”伝え方”を磨く方法を伝授する一冊。

■書籍の紹介文

書くことと話すこと。
あなたは、どちらが得意ですか?

 

本書は、書くことも話すことも意識すべきポイントは同じであると提起し、「書く」と「話す」をうまく循環させることで”発信力”を磨く方法を伝授する一冊。

 

「書く」と「話す」、一見するとまったく違う能力のようにおもえます。
ですが、共通するポイントを押さえることで、どちらの能力も伸ばすことができると著者は説きます。

 

その共通するポイントとはなにか。
それは、『相手から「今、自分が何を求められているか」がすべてである』ということです。

 

自分が知ってほしい、分かってほしいとおもうことを書いても話してもいい。
ただし、相手がそれを求めていなければ、”無反応”という恐怖を味わう覚悟があるのなら、ですが。

 

あの恐怖感は、書くのも話すのも怖くて身動きをとれなくします。
すると、あなたにとっても損ですが、相手にとっても大きな損となる状況が生じてしまいます。

 

なぜなら、あなたの中には、相手が知りたいとおもう”言葉”が必ず眠っているからです。
それを聞けないことは、仕事や人間関係など、さまざまシーンでいろんな可能性が閉じてしまう確率を上げてしまうのです。

 

そんなことを起こさせないためには、書くのも話すのも、発信力を鍛えるしかありません。
「今、自分が何を求められているか」を意識して、どう書けば、どう話せば、と磨いていくのです。

 

ポイントを押さえて練習すれば、「相手が言ってほしいことを、自分の言葉で伝える」ことができるようになります。
自分の言葉で伝えるわけですから、自分が伝えたいことを伝えることにつながります。

 

相手の心を、正確に把握することは不可能です。
でも、「今何を求められているのかな?」と推し量りながら、言葉を投げかけることはできます。

 

そして、その反応をみて、さらに推し量りながら、のくり返しです。
この経験を積むことで、自分が伝えたい言葉=相手の求めているもの、がバシバシと成立するように、書いたり話したりできるのです。

 

あなたの中には、”必ず”相手の知りたい言葉が眠っています。
「書く」「話す」を磨いて、その言葉を相手に届けてみませんか?

 

◆求められる言葉を自分の言葉で。

発信力を強化する「書く」「話す」サイクル
さわらぎ寛子 ぱる出版 2021-12-23
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「書く」は、自分のペースで考え、時間をかけてできること、「話す」は、リアルタイムの反応が求められることと定義します。

 

「うまく書きたい」「うまく話したい」という悩みをよく聞きます。
いったい「うまく」とは何でしょう。
私は、「今、自分が何を求められているか」が全てだと思います。
その文章や話に相手が何を求めているかは、時と場合で変わるのです。

 

「書き出す」「口に出す」を往復することで、自分の気持ちが相手に適切に伝わるようになります。

 

●伝え方は、料理と同じ7STEPでうまくいく
STEP1:誰にどんな気持ちになって欲しいかを決める
STEP2:何を作るかを決める(テーマを決める)
STEP3:調理方法を決める(話を組み立てる)
STEP4:材料を揃える(素材を集める)
STEP5:食べやすい大きさに切る(言葉・順番を整える)
STEP6:味付けをする(表現を磨く)
STEP7:盛り付けをする(タイトルをつける)

 

自分の経験と、相手の興味の接点を考えるのです。

 

新・起承転結の「結」の部分は、「話のまとめ」にせずに、「相手にして欲しい行動」に

 

「言いたいことを1つに絞れ」と言われても書けないなら、問いを変えてみましょう。
・今、目の前の人(想定した読者)が言って欲しいことは何か。
・今、目の前の人が、一番知りたいことは何か。
・今、目の前の人が、一番話したいことは何か。

 

概念ではなく、行動をステップ化できると、自分だけのオリジナルのコンテンツ(セミナーや動画教材など)がつくれます。

 

文章や動画を見直すときには、3人の視点になるのがオススメです。
1、校閲者視点
2、編集者視点
3、コピーライター視点

 

主張を決める際には、次のようなものを意識するといいでしょう。
・短く言い切れるもの
・相手にとって読む意味や意義(新たな発見や良さそうと思えること)があるもの

 

目指すのは、「他の誰も知らないことの発掘」ではなく「人と同じものを見ても自分らしい視点で書く」ことです。

 

うまく言えなかった、と思ったら、じゃあどう言えば良かったのかを考えましょう。
落ち着いて考えたら、こう言えたのではないか。
調べてみたらこの単語の方がニュアンスが近い。
そうやって、「今度同じようなことがあったら、こう言おう」をストックしておくのです。

 

自分は何を大切にしているのか=価値観を考えます。
このできごとに、この意見を持ち、こんな感情になったのは、自分がいったい何を大切にしているからなのか?を考えます。
それが価値観です。

 

観察力を高める簡単なトレーニングが2つあります。
1、写真を見て、見えたものをそのまま伝える練習
2、最寄り駅から家までを実況中継する方法

 

自分の思いを相手に伝えるためには、自分の考えや主張が全てではないと知っていることが重要です。
これは、あくまでも自分の考えである、たくさんある主張のうちの1つである、という前提で伝えている人の話は受け取りやすいのです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1777-1】「今、自分が何を求められているか」を意識して発信する

【1777-2】伝えたいことを、行動のステップで表現してみる

【1777-3】意見や感情をもったとき、「自分は何を大切にしているのか?」と自問してみる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】発信力を強化する「書く」「話す」サイクル
【著者名】 さわらぎ寛子著者情報
出版社ぱる出版
【出版日】2021/12/23
オススメ度★★★★☆
こんな時に伝える力を身につけたいときに
キーワードことばのチカラ文章力話し方
【頁 数】192ページ
【目 次】
第1章 「書く」と「話す」の誤解
第2章 「書く」と「話す」の伝わる7STEP
第3章 「書く」と「話す」のお悩み解決例
第4章 「書く」と「話す」の実践レッスン
第5章 「書く」と「話す」の相乗効果

 

この本が、あなたを変える!

発信力を強化する「書く」「話す」サイクル
さわらぎ寛子 ぱる出版 2021-12-23
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さわらぎ寛子さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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