【書評:1295冊目】一流の「偏愛」力(谷本有香)

【AI時代を生き抜く”三本の柱”】
経済ジャーナリスト・谷本有香氏が、これからの時代を生き抜くリーダーの条件を、偏愛・共感・信頼の”三本の柱”を軸に考察していく一冊。一流のリーダーに共通する偏愛力とは?

■この本の紹介文

自分の仕事や働き方。
それは、熱中できるほど好きなことですか?

 

本書は、経済ジャーナリストとして”生き残り続けるリーダー”と”表舞台から退場するリーダー”の両方を見てきた経験をもとに、”これからも生き残っていくリーダーの条件”を考察する一冊。

 

偏愛とは、『自分が「特別に熱中できる度合い」の大きさのこと』だと定義されています。
つまり、熱中できるほど好きであるかということです。

 

3000人以上のトップリーダーにインタビューしてきて、著者がたどり着いたこと。
それが、『偏愛+共感=信頼』という図式です。

 

偏愛・共感・信頼の”三本の柱”。
これをきちんと立てられる人材こそ、「代替不可能な人材」であり「新しい価値創造のできる人」、すなわち「生き残れる人材」なのです。

 

では、偏愛はどこから生まれるのか。
”三本の柱”をどうやって立てていくのか。
この点を、知的かつ刺激的にバシバシとぶつけてきます。

 

リーダーはいうに及ばず、すべてのビジネスパーソンが絶対読むべき本!
あえて、こう書かせていただくほどに、ひさしぶりに大きなインパクトを受けました。

 

「熱中するほど好きなことを、仕事とする。」
このひと言の裏にある、『偏愛+共感=信頼』という図式をどこまで理解できるか。

 

それが、生き残っていけるかの分水嶺となるのです。
この本を読まない選択肢はありません。

 

◆文句なしの良書!

■本がわかる!15の要約ポイント

AIの到来によって淘汰されるのは「職業」ではなく、AI時代に対応できない「人」のほうです。

 

好きなことをする仲間たちと高いレベルで仕事し、新しい価値創造をするために組織やチームを必要とする。
それが新しい時代を生き抜くための働き方です。
この点だけは、AIでは決して担えません。

 

あなた(あるいはあなたの会社)はどのプロジェクトに参画するのか、それを決めるのは、「それが好きなことかどうか」しかありません。
プロジェクト単位の仕事では積極的な参加が前提で、自分は何を提供できるのか、つまり自分の役割をはっきりさせる必要があります。
やりたくない、好きじゃないという理由でモチベーションを欠く人はプロジェクトに必要ないのです。
「好きなこと」を明確に持たないと、仕事を選択することもできなくなるのです。

 

「熱中するほど好きなことで、他者貢献できるもの」
リーダーに今求められる条件をすべて内包するのが、このビジネス・アイデンティティです。

 

「どうしてもこれをやりたくてたまらない」「とにかくこれが好き」という「偏愛」から生まれた仕事には、その思いに「共感」した人が集まり、チームや組織を作ります。
そのチームから産み出された商品・サービスには高い「信頼」が寄せられます。

 

「この人は信頼に値する人だろうか?」。
この問いに応えられる「信頼指数の高い人」と「信頼指数の低い人」の格差は、急速に拡大していくことでしょう。

 

①自分の熱中していること(好きなこと、得意なこと)を発信する
②他者貢献のやり方を定期的に発信する
③どんなときに満足感、幸福感を抱いたかを発信する
これらの要素を見せることで、単に丸裸になるのではなくて、自分のビジネス・アイデンティティが透けて見えるようにするのがコツです。

 

マーケットがあるかどうかで判断するビジネスはもう古いと考えましょう。
ニッチだからこそ価値がある、そういう基準に移行しています。

 

今のトップリーダーたちは、同業者のアドバイス以上に、アーティストや宗教家、学者や役者といった「異能者」に意見を求める傾向があります。
一般の人とは違った感覚を持つ「異能」と接することによって、自分自身の考えが「型」にはまらないよう、とにかく意識しています。

 

たった1回の失敗を目指すのではなく、まずは7回失敗することを目標に、「小さな失敗体験」を重ねてみましょう。

 

新しい体験を最も刺激的に行い、感性を揺さぶりたいなら、「クレイジージャーニー」に出かけましょう。
クレイジージャーニーとは、今まで自分がやらなかったことや、ふだんの生活では絶対にしないことにチャレンジすることです。

 

アートを鑑賞する習慣も、新しい解釈や自由な文脈の可能性を知るという意味ではおすすめです。

 

とくにこれからの時代は、変化するスピードがますます加速していきます。
そのためにも、自分の強みが「時代の不用品」になっていないかどうかを定期的に確認する習慣が大切です。
そこで有効なのが「年下のメンター」を持つことです。
理由はごく単純で、社会を取り巻く環境や潮流を一番正確に把握しているのが若者だからです。

 

「面白いことをしよう」と努力するよりも、「面白くないことはしない」と努力することが大切です。

 

自分自身が拠りどころにできる柱というのは重要です。
そしてそれは、心理学や哲学という分野によってしかもたらされません。

 

ビジネス・アイデンティティを軸に仕事をしていくと、やがてあなただけのコミュニティや幸せの形が自然と見えてくるようになります。
すると、自分が一生過ごしていきたい「人生の理想形」が明確になり、自分がどう生きていきたいかがわかります。

 

■これをやろう!3つの実践ポイント

【1295-1】熱中できるほど好きなこと、かつ、他者貢献できることを見つける

【1295-2】面白くないと感じたら、その理由を因数分解する癖をつける

【1295-3】心理学と哲学の勉強をする

 

■ひと言まとめ

好きなことで他者貢献する、それが人の生きる道。

 

■本日紹介した書籍情報

【書籍名】一流の「偏愛」力
【著者名】谷本有香著者情報
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
【出版日】2018/9/26
オススメ度★★★★★
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワードリーダー働き方信用残高
【頁 数】254ページ
【目 次】
第1章 21世紀、時代をリードする人の条件
第2章 偏愛+共感=信頼
第3章 トップリーダーに学ぶ 新しい価値を生みだす人の「新」常識
第4章 トップリーダーに学ぶ 「感性」を高める14の習慣
第5章 マッド・ジーニアスを磨く

 

この本が、あなたを変える!

 

谷本有香さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

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