【書評:1538冊目】ヤバい集中力(鈴木祐)

【内なる獣の手綱を握れ!】
サイエンスライター・鈴木祐氏が、『ヤバい集中力』と題して、獣と調教師という脳にある2つの力を使いこなすことで実現する、アタマが冴えわたる「集中力」を磨く方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

集中力。
集中したいときに発揮できていますか?

 

本書は、心のしくみと正確な運用法を身につけることで、高い集中力は維持できると提起し、最新の科学的エビデンスに基づく「集中力」を磨く方法を指南する一冊。

 

脳にある2つの力を、「獣」と「調教師」に喩えているのがおもしろい。
「獣」は本能に影響される原始的な脳の力であり、「調教師」は理性に影響される現代的な脳の力です。

 

この2つの力をよく理解し、うまくバランスをとる。
すると、ビックリするほど「ヤバい集中力」を発揮することができるのです。

 

意識しておくことは、「獣」のほうが圧倒的に強いということ。
その強さは、「調教師」が勝つのは不可能といえる、ほどです。

 

まさに喩えのとおり、「獣」に手綱をつけてなんとか手懐けようとする「調教師」の姿そのものです。
それほどまでに、集中力を維持させるのは難しいのです。

 

・「獣」の圧倒的な力を、うまい方向に発揮させる
・「調教師」の力を鍛えることで、「獣」の力を使いこなす
この2点をバランスよく身につけることで、集中力を維持させることができるようになります。

 

本書では、この2点に必要なことを体系的にまとめあげています。
その根拠は、大量かつ最先端の科学的エビデンスが担保しています。

 

集中力に必要なすべてが詰まっているといってもよいほど、充実した内容に仕上がっています。
手綱をしっかり握り、爆発な集中力を発揮しましょう!

 

◆物事がはかどる!

ヤバい集中力
鈴木祐 SBクリエイティブ 2019-9-20
売上ランキング(公開時):48
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■【要約】15個の抜粋ポイント

遺伝で決まってしまう集中力はあくまで全体の半分に過ぎず、残りの半分は後からでも修正が効く”ある要素”で構成されている
(略)
その”ある要素”を、本書では「獣と調教師」と呼びます。

 

獣は「衝動」や「辺縁系」に当たり、調教師は「理性」と「前頭前皮質」に相当します。
本能のまま好きに動く獣を、調教師がどうにかして操ろうとするような、そんなイメージです。

 

あなたの内なる獣は、大きく3つの特性を持ちます。
①難しいものを嫌う
②あらゆる刺激に反応する
③パワーが強い

 

調教師は、おおよそ獣と合わせ鏡のような特性を持っています。
①論理性を武器に使う
②エネルギー消費量が多い
③パワーが弱い

 

・150〜200mgのカフェインを飲むと約30分で疲労感がやわらぎ、注意力の持続時間が向上する
・カフェインの集中力アップ効果は、ベースラインから5%前後だと思われる
細かい数値に違いはあれど、基本的には缶コーヒー1本分のカフェインを飲むだけでも集中力は上がるようです。

 

あなたが獣のコントロール権を握るのです。
そのための細かなテクニックは無数に存在しますが、基本的な戦略はシンプルです。
①役に立つ「報酬の予感」を増やす
②役に立たない「報酬の予感」を減らす
あなたが決めたゴールの達成に役立たない報酬はできるだけ遠ざけ、目標に近づける報酬だけを取り込む。
当たり前といえば当たり前ですが、この2つを愚直にこなすのが成功への道です。

 

現時点で効果があきらかな対策をひとつの流れにまとめ、「報酬感覚プランニング」というワークシートとして組み直しました。
(略)
順を追って考えていくことで、自然と「報酬の予感」が最適化されるようにデザインしました。
いわば科学が認めた集中力アップテクニックの「オールスター」です。
<詳しくは、P.089〜を確認!>

 

あなたなりの「マイ儀式」を作り、反復が生み出す獣のパワーを良い方向に導いていきましょう。

 

日記、ブログ、家計簿、体重の変化など、記録の内容は問いません。
なんらかのデータを定期的に残し続ける行為は、いずれも集中力アップの儀式として機能してくれます。

 

①集中力に役立つ新たな「物語」を作る
②「物語」に沿った行動を続けて獣を説得する
「新しい物語」という名の武器を調教師に装備させ、その内容に獣が納得してくれるまで粘り強く説得を行うわけです。
やがて獣が「新しい物語」を受け入れてくれれば、集中力の低下は限界まで防げるようになります。

 

複数の研究データを平均してみると、感情の暴走は長くても10分間ほどしか続きません。
この時間さえ乗り切れば獣の支配力はやわらぎ、調教師もコントロール能力を取りもどすことができます。

 

長期的に高い集中力をキープしたいなら、ものごとを「諦める」スキルは欠かせません。

 

自分の失敗をクヨクヨと悩んでいるときや、ネガティブ思考にとりつかれてうまく集中できない場面などで効果的なテクニックです。
「セルフ・イメージング」は以下のステップで行いです。
①失敗を悩んでいる自分に対して、友人が思いやりと理解を持ってアドバイスをしてきたところを想像する
②その友人がどんな言葉をかけてきたかを細かく思い描き、紙に書き出す

 

オーバーワークが当たり前な現代では、「諦めて休む」スキルは重要な自衛策のひとつです。
自責の念と疲労感で調教師をいじめ続ければ、やがて獣の暴走を止める者がいなくなってしまいます。
「諦める」と「休む」の2つはどちらから手をつけても構いませんが、精神的な悩みが深ければ「諦める」気持ちを重点的に鍛え、肉体的な疲労が問題なら「休む」ほうを優先したほうがいいでしょう。

 

●「ヤバい集中力」実践ロードマップ
レベル0:体調を整える
レベル1:質問型アクションの徹底
レベル2:障害コントラストの導入
レベル3:聖域作り
レベル4:報酬感覚プランニングのフルバージョン
レベル5:「記録」をベースに儀式を続ける
レベル6:ピアプレッシャーを中心に物語を作る
レベル7:感情の切り離しスキルを身につける

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1538-1】役に立つ「報酬の予感」を増やす

【1538-2】日記、ブログ、家計簿、体重の変化など、記録をつける習慣をつくる

【1538-3】「諦めて休む」スキルを磨く

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】ヤバい集中力
【著者名】鈴木祐著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2019/9/20
オススメ度★★★★☆
こんな時に続ける力を身につけたいときに
キーワードメンタルヤル気習慣術
【頁 数】264ページ
【目 次】
序章 獣と調教師
第1章 餌を与える
第2章 報酬の予感
第3章 儀式を行う
第4章 物語を編む
第5章 自己を観る
第6章 諦めて、休む

 

この本が、あなたを変える!

ヤバい集中力
鈴木祐 SBクリエイティブ 2019-9-20
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鈴木祐さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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