【書評:1493冊目】遅刻してくれて、ありがとう(上)(トーマス・フリードマン)

【加速する時代が人間を壊していく】
ピュリツァー賞を3度受賞したトーマス・フリードマン氏が、『遅刻してくれて、ありがとう』と題して、テクノロジーの発達により常識が崩壊する社会の生き方を指南する一冊。

■書籍の紹介文

社会の変化。
めまぐるしいと感じませんか?

 

本書は、テクノロジーの発達がもたらした加速度的な社会変化によって、人間の理解が変化に追いついていないと提起し、今取るべき生き方を指南する一冊。

 

現在、世界中で起こっているさまざまな問題。
その原因は、加速度的な社会変化によって、人間の「考える時間」が奪われたからである。

 

考える時間が奪われているから、ふとした相手の遅刻によって時間ができたとき。
怒りではなく「遅刻してくれて、ありがとう」の感情すら生まれる。

 

このように著者は語ります。
435ページのボリュームですが、読み始めると止まらなくなるおもしろさを感じます。

 

考える時間が奪われると、決定が遅れます。
すると、社会の状況に法律や制度が合わなくなり、歪みが生じます。

 

歪みは、人々に不満を溜め込みます。
そして最終的に、不満はさまざまなところで社会問題となって噴出していきます。

 

この状況にあるわたし達は、どのように生きていけばいいのか。
そのヒントが、随所に示されています。

 

テクノロジーの発達のスピードが落ちることはありません。
むしろ、今よりもさらに速くなる可能性の方が遥かに高い状況です。

 

理解が追いつかず、スピードに打ちのめされると、受けるダメージは大きくなるばかりです。
変化によるダメージを抑制するための対策方法を、自分で築くしかありません。

 

そのためにも、一度立ち止まって今の流れを学びましょう。
立ち止まることで、見えてくるものがあるはずです。

 

▼下巻はこちらでご紹介しています
【書評:1494冊目】遅刻してくれて、ありがとう(下)(トーマス・フリードマン)

 

◆変化のスピードは増し続ける。

遅刻してくれて、ありがとう(上)
トーマス・フリードマン
日本経済新聞出版社 2018-4-25
売上ランキング(公開時):23,806
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■【要約】15個の抜粋ポイント

あるとき、相手の遅刻がちっとも気にならないことに、ふと気づいて、私はいった。
「いや、やめてくれ、謝らないでほしい。それどころか、遅刻してくれて、ありがとう」
なぜなら、あなたが遅れてきたおかげで、自分のための時間をつくることができたからだと、私は説明した。
じっと考える時間が”見つかった”。

 

ワインにも歴史にも、当たり年がある。
2007年はまさに歴史の当たり年だった。
2007年には、iphoneが登場しただけではなかった。
その年には、あらゆる業種の会社が多数出現した。
そういった新規企業とイノベーションが、人間と機械のコミュニケーション、創造、共同作業、思考の手順を作り変えた。

 

変化のペースの変わり方と、私たちが学習システムや訓練システム、管理システム、社会のセーフティ・ネット、政府による規制といったことを開発する力は釣り合っていない。
(略)
この不釣り合いが政治と社会の混乱の主因になっている。
世界のすべての国々で、それが統治にもっとも困難な課題をもたらしているといえる。

 

膨大な量のデータを分析できれば、それまで見えなかった傾向を見抜くことができる。
(略)
時間、お金、資源を、いまだかつてなかったほど節約できる。

 

すべての人々がインターネットに接続する日は、10年以内におとずれるだろうが、そうなったときには、それによって発揮される集合的な知力は、すさまじいものになるはずだ。
これはもうクラウドなどというものではない、諸君!

 

いまでは、エンジニアはコンピュータで3次元ソフトウェアを使い、画面上で部品を設計できる。
それを、細かい金属粉とレーザー機器を備えた3Dプリンターに送信し、目の前でその金属粉から部品を文字どおり作り上げ(もしくは”プリント”して)、正確な仕様に仕上げる。
そして、すかさずテストしー1日に、4、5、6回テストし、そのたびにコンピュータと3Dプリンターで調整しーあっという間に新しい部品が完成する。

 

試作のプロセスがテクノロジーによってこういうふうに大幅に進歩すると、デザイナーのパワーは増大する。
試そうとしているアイデアがもたらす結果をすべて見ることができる。
それと同時に、憶測する部分がかなり減り、ひいては失敗や時間とカネの無駄も減る。
実験と創造性が促される。

 

現在、金融のデジタル化のもっとも重要な原動力は、ペイパルだろう。

 

金融工学(フィンテック)とおなじように、医療技術(メドテック)でも、デジタル・グローバリゼーションは急激に医学を変えて、医療をハイブリッド・システムにした。
ますます多くの診断と処方が、半分はオンライン、それも携帯電話を使って行なわれ、あとの半分が医師による診察で行なわれるようになるだろう。
その結果、コスト削減と遠隔医療が見込めるようになる。

 

変化は、目に見える前に、耳から伝わってくることがある。
最近の人々がどういう話をしているか、どういう表現を使っているかを、聞いてみるといい。

 

生物多様性なしに気候を調整するのは不可能だということを人々を忘れている

 

1人の力と機械の力が増幅されて、人類がまるで神のようになっているなかで、持続可能な価値観をどうやって普及させるかを、再考しなければならない。

 

加速の時代には3つの社会契約を考え直さなければならない、というのが簡潔な答えだ。
労働者と雇用主、学生と教育機関、市民と政府の社会契約を考え直す必要がある。

 

ミドルクラスのすべての雇用が、一度に4つの動きを見せている。
(1)急速に引き上げられ、高度化している
(2)急速に引き離されている
(3)急速に引っ張り合いになっている
(4)急速に引き下げられている

 

未来予想は、いずれにせよ、もっとも控えめであるべきだろう。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1493-1】下巻を読む

【1493-2】人がなにを話題にしているかアンテナを張る

【1493-3】未来予測に過敏に反応しない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】遅刻してくれて、ありがとう(上)
【著者名】トーマス・フリードマン
出版社日本経済新聞出版社
【出版日】2018/4/25
オススメ度★★★★☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワードサイエンス考える自己対話
【頁 数】424ページ
【目 次】
1 熟考
2 加速
3 イノベーティング

 

この本が、あなたを変える!

遅刻してくれて、ありがとう(上)
トーマス・フリードマン
日本経済新聞出版社 2018-4-25
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トーマス・フリードマンさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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