【書評:2077冊目】アイデアの紡ぎかた(堤藤成)

【「考える」から「カタチにする」へ】
コピーライター・堤藤成氏が、『アイデアの紡ぎかた』と題して、さまざまな制約があるからこそアイデアはカタチにできるのだと提起し、アイデアを導き出すメソッドを指南する一冊。

■書籍の紹介文

アイデアを考える。
この言葉を目にして、あなたはどんな感情が浮かびますか?

 

本書は、アイデアは闇雲に出してもカタチになることはないと提起し、身につけるべき『アイデア観』を説きながら、アイデアをカタチにするメソッドを指南する一冊。

 

アイデアが次々に浮かぶ創造力がほしい。
この記事をご覧になっている方は、おそらくこのような願望をお持ちでしょう。

 

自分には創造力が「ない」、だから「ほしい」のだと。
でも、あなたは”なぜ”、自分がそのように望むのか考えてみたことがありますか?

 

さまざまな言葉が浮かんでくると思いますが、根底には次のような思いがないでしょうか。
『わたしの創造力はこんなものじゃない、もっと秘めた可能性があるはずだ(と信じたい!)』。

 

本書は、そんなあなたの秘めた可能性を覚醒させるキッカケとなるべく書かれています。
小洒落た横文字ばかりのアイデア本とは一線を画す、空気感の大きく異なる一冊です。

 

「そもそも、アイデアとは何なのか」
「そもそも、アイデアがなぜ必要なのか」
「そもそも、アイデアを考えるとはどういうことなのか」

 

『アイデア観』という言葉を著者は用いていますが、こうしたアイデアと向き合う姿勢を磨き続けることをとても大切にしています。
日本人的感覚になりますが、著者のそれは、長い年月をかけて研ぎ澄まされて確立した作法や流儀に通ずるような感覚をおぼえます。

 

たとえるなら、『アイデア”道”』となるでしょうか。
ゆえに、著者の”道場”に”入門”するような意識で読むと、本書によりどっぷりと浸れるとおもいます。

 

アイデア本に学び、アイデアを出すことはできるようになった。
けれども、一向にカタチにすることができず(カタチにならず)、悩みが一層深くなり苦しい。

 

そのような人も含めて、「アイデアを考えること」と向き合うのにとても役立つ一冊です。
あなたの創造力を覚醒させるヒントのカケラを、ぜひ探し出してみてください。

 

◆『アイデア”道”』入門書

アイデアの紡ぎかた
堤藤成 ぱる出版 2023-11-22
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■【要約】15個の抜粋ポイント

『アイデアは既存の要素の新しい組み合わせである』という原理は、その後に現れたほとんどのアイデア発想法に共通する重要な考え方です。

 

私はまず前提として『アイデアの思想(マインド)』を身につけることこそが大切だと思っています。

 

そもそも、人は『アイデアを深堀りしたい』という指向性を持つ人と、『アイデアを世に出したい』という指向性を持つ人に分けられます。

 

●アイデアに向き合う姿勢4つのタイプ
(1)ブレスト屋タイプ:深掘り×ポジティブ思考
(2)即行動タイプ:世に出したい×ポジティブ思考
(3)選択と集中タイプ:世に出したい×ネガティブ思考
(4)ダメ出しタイプ:深掘り×ネガティブ思考

 

いきなりアイデアを考えるのではなく、アイデアの目的と制約をクリアにし、葛藤を受け入れ、可能性をまなざすことで、解決策の幅は格段に広がるのです。

 

人生もアイデアも、ドライブのようなものです。
まずは、正しい方角を見つけること。
次に目標となる地点を決めること。
最後に、附属施設的な個人的なこだわりや趣味のような寄り道もまた大切なのです。

 

アイデアは、経路・地点・附属地点の3点セットであると覚えてほしいのです。

 

アイデアをカタチにするためには、まず何をしてはダメか、どこまでのことなら許されるかを事前に把握する必要があります。

 

制約には、絶対に変えられない制約と、多少の融通が利き変えられる制約と、そして変えられないと思い込んでいる制約があります。

 

理想と現実の間で葛藤している状態とは、イノベーションが生まれる前の準備体操のようなものです。

 

苦しくとも自ら選択して目の前の葛藤の中に留まって第3の案を思考し続けることができれば、葛藤からイノベーションを生み出せるわけです。

 

①まず「本当に?」で疑問を出し、②「それなら仮に・・・」で上昇し、③「つまりは・・・」でひとこと化して保存しましょう。
この弁証法のプロセスで順を追って思考を深めていけば、はじめは無理難題に見えたものにも、答えとなるアイデアが出せるはずです。

 

世間の濁流に呑まれ、『ない』もの探しで目を曇らせてはいけません。
『足るを知る』の言葉の通り、アイデアを導くためのヒントは、もう既に、あなたの人生の中に『ある』のです。

 

理想を描き、現実の制約条件から逃げずに、本当にみんなが求めるアイデアをカタチにしようと行動すれば、その過程で多くの人に支えられるでしょう。

 

あなたが「ない」と嘆くその逆境に、意味が「ある」と心から思えたとき、人生を導くアイデアに出逢えるでしょう。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2077-1】アイデアを考える際は、目的を明文化する

【2077-2】アイデアを考える際は、制約を明文化する

【2077-3】アイデアを考える際、そのヒントは自分の中に『既にある』と信じる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】アイデアの紡ぎかた
【著者名】堤藤成著者情報
出版社ぱる出版
【出版日】2023/11/22
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワードアイデア発想力問題解決
【頁 数】208ページ
【目 次】
序章 アイデアの教習所へ、ようこそ
第1章 アイデア観の4タイプと陥りがちな罠
第2章 四角い『目的のサイン』で、理想を描け
第3章 丸い『制約のサイン』で、現実を見据えよ
第4章 三角の『葛藤のサイン』で、第3案を導け
終章 『アイデアのサイン』で、人生を乗りこなせ

 

▼さっそくこの本を読む

アイデアの紡ぎかた
堤藤成 ぱる出版 2023-11-22
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堤藤成さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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