【大失敗しないためにも”最初”が肝心!】
イノベーション・アドバイザー/羽山友治氏が、『オープンイノベーション担当者が最初に読む本』と題して、はじめにきちんと理解しておきたい実践的なノウハウを指南する一冊。
■書籍の紹介文
オープンイノベーション。
どういうもので何をするのか、きちんと説明できますか?
本書は、オープンイノベーションとは「外部を活用するという考え方」だと定義し、知識だけでない、日々の業務で使える実践的なノウハウと合わせた活用法を指南する一冊。
「我が社も生き残りのため外部リソースを活用して改革を始めましょう!」
あなたが今、いきなり社内でこのような声をあげたらどうなるでしょうか。
「外部を活用してだと!?なんだ?わたし(現場)は用済みっていいたいのか!!」
安っぽ過ぎる例えですが、「良い顔はされないだろうな」ということは容易に想像できるとおもいます。
現代社会、生き残りのためになにかを変えないといけないことは皆感じています。
ですが、いざ自分や自分の属する部署が対象となると、途端に腰が重くなるのが常です。
その状況で強引に進めてしまうと、笛吹けども踊らず、掛け声倒れの大失敗につながってしまいます。
いや、大失敗で済めばまだよく、最悪、組織自体が傾いてしまうことだって考えられます。
このような想像が容易にできるなか、あなたがオープンイノベーション担当者に任じられたとしたら・・・・。
暗澹たる気持ちに襲われ、胃がキリキリしてしまうことでしょう。
そもそもオープンイノベーションって何をすればいいの?
どこから手をつけて、どのように進めていけばいいの?
さらに、こうした無数の?マークが頭の中に次々と浮かぶでしょう。
そんなときに、心のよりどころにしたいのが本書です。
オープンイノベーション担当者になったとき、まず理解しておきたい『基本』がまとめられた教科書のような書籍です。
そもそもオープンイノベーションとは何かという定義からはじまり、成果を生み出すための実務の流れを網羅的に学べるように構成されています。
改革(変革)というのは、最初の入り方を間違えるとアウトだと個人的におもっています。
(できることなら)このままでいきたいという人に、変わることを促すわけですから。
だからこそ、『基本のキ』を徹底的に教えてくれる本書のような書籍は大事にすべきだとおもいます。
実務を担当するからには成果を出したい、そう意気込む人ほどぜひ読んでみてください。
◆完成度の高い良書。
オープンイノベーション担当者が最初に読む本
羽山友治 KADOKAWA 2024-3-1
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■【要約】15個の抜粋ポイント
オープンイノベーションという言葉の定義自体が、時代によって変わってきたという経緯がある。
ただ、本書はあくまで実務家を対象としている。
企業がオープンイノベーション活動を推進するうえでは、「外部を活用するという考え方」を指すものと(定義)して進めていく。
●WFGMモデル:オープンイノベーション活動のプロセスモデル
Want:何が必要か?
Find:どのように探索するか?
Get:どのように交渉するか?
Manage:どのように協業プロジェクトを管理するか?
仲介業者/サービスを使い分けるスキルは、オープンイノベーション活動の成否に大きく影響する。
各サービス共に一定回数を使ってみないと感触がつかめないため、相当量の経験が必要となってくる。
探索ニーズは大きく分けて、戦略レベルのものとプロジェクトレベルのものがある。
オープンイノベーションコンテストは、求めているシーズを保有しているか否かを協業パートナー自身に判断させるという意味で、極めて効率的に探索が行える。
さらに、わかりやすい仕組みと低予算で行えるために、オープンイノベーション活動に欠かせない。
オープンイノベーションコンテストを一定回数実施すると、得られる成果・必要な業務・掛かる手間についての理解が深まってくる。
ここまで来たらオープンイノベーションポータルサイトの導入を検討したい。
CVCがあると出資を前提とした協業だけに焦点が当たりがちになるが、より大きなコーポレートベンチャリングチームやオープンイノベーションチームがあれば、出資以外の打ち手についても幅広く検討できる。
イノベーションを創出するうえでニーズに関する情報は最も獲得が難しいものであるが、それを扱うユーザーとの共創は、オープンイノベーション活動を行ううえで重要な取り組みとなり得る。
●オープンイノベーション活動に必要なスキルと能力
・ネットワーキング力
・外部コラボレーション力
・組織内で知識やアイデアを共有する能力
・コミュニケーション力
・チームワーク力
・問題解決力
・戦略思考
・技術/ビジネス思考
・創造性
・適応性/柔軟性
特許は各企業やその他の研究開発組織の戦略を映し出したものと考えられるため、オープンイノベーションの機会を探すための有用なツールとなりうる。
情報収集には即効性はないものの、長い目で見ると活動の生産性に大きく影響する。
継続には習慣化が有効であるが、そのためには好きになれないと難しい。
●リーンスタートアップに基づいた新規事業開発の流れ
↓アイデア創出
↓課題検証
↓ソリューション検証
↓仮収益計画作成
↓事業計画プレゼンテーション作成
↓市場検証
↓市場投入拡大
オープンイノベーションチームがリーンスタートアップを知っておくべきか否かは、支援対象組織が新たなビジネスモデルの探索や新規事業の創出に関与しているか否かで決まる。
中小ベンチャー企業は組織が小さいことからトップダウンによる全社的な変革への意思の統一が容易であり、大企業よりも短期間でオープンイノベーションを根付かせられる可能性がある。
必ずしも質よりも量というわけではないが、探索ニーズへの対応でも仲介サービスの活用でも、試行錯誤しながら一定数をこなすことで見えてくるものがあると思われる。
よって短期間での成果を考えつつも、長期的な目線を持って粘り強く活動を継続していく意識を持っておきたい。
■【実践】3個の行動ポイント
【2099-1】「オープンイノベーション」をキーワードに情報収集する習慣をつける
【2099-2】同業のオープンイノベーション事例を調べる
【2099-3】オープンイノベーション関連のイベントに参加する
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】オープンイノベーション担当者が最初に読む本
【著者名】羽山友治
【出版社】KADOKAWA
【出版日】2024/3/1
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】明日の仕事力を磨きたいときに
【キーワード】組織改革、リーダー、ビジネス理論
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1章 オープンイノベーションの基本事項
第2章 オープンイノベーション活動
第3章 オープンイノベーションの手法と仲介サービス
第4章 オープンイノベーションの実践
第5章 オープンイノベーションコンテスト(概要)
第6章 オープンイノベーションコンテスト(実践)
第7章 コーポレートベンチャリング
第8章 ユーザーイノベーション
第9章 オープンイノベーション活動に関わる人的側面
第10章 オープンイノベーションと知的財産権
第11章 オープンイノベーションと情報収集
第12章 オープンイノベーションとDX・新規事業開発
第13章 非メーカー系大企業・中小ベンチャー企業・非営利組織のオープンイノベーション活動
第14章 海外企業のオープンイノベーション活動
▼さっそくこの本を読む
オープンイノベーション担当者が最初に読む本
羽山友治 KADOKAWA 2024-3-1
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す
羽山友治さん、素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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