【書評:2098冊目】プロカウンセラーのこころの声を聞く技術 聞いてもらう技術(諸富祥彦)

【わかり合うための作法】
日本カウンセリング学会常任理事・諸富祥彦氏が、『プロカウンセラーのこころの声を聞く技術 聞いてもらう技術』と題して、聞く側だけでなく「聞いてもらう側」も意識した傾聴の技術を指南する一冊。

■書籍の紹介文

なんか会話がズレるな・・・。
そんなストレスを抱えていませんか?

 

本書は、傾聴技術を身につけるためには、「聞く技術」と同じくらい「聞いてもらう技術」も重要だと提起し、双方の大原則を明かしながら傾聴の技術を指南する一冊。

 

「どうせ、私をわかってくれ”ない”」
「どうせ、話を聞いてくれ”ない”」

 

「もっと、私をわかって”ほしい”」
「もっと、話を聞いて”ほしい”」

 

この『ない』と『ほしい』のせめぎ合いは、人間関係における永遠のテーマです。
ゆえに、古今東西、コミュニケーションに関する書籍が無数に出版されているわけです。

 

人はなぜ、このせめぎ合いをやめられないのでしょうか。
言うまでもなく、『誰かと深く心がつながった状態で生きていたい』という欲求を抱いているからに他なりません。

 

どのように価値観が多様化しようとも、”ひとり”は恐怖です。
「わたしの心をわかってくれる人がいない」「相手の気持ちをわかろうとしているのにわからない」。

 

その先にある”ひとり”が、人間は堪らなく怖いのです。
だからこそ、コミュニケーションに関する書籍を読み漁るのです。

 

本書も、そんな「心のつながり」に恐怖を感じる人に向けて書かれています。
なにを理解し、どう行動を変えていけばいいのか、具体的な対処方法が示されています。

 

特徴は、「聞く側」だけでなく「聞いてもらう側」の技術も丁寧に解説している点にあります。
片方だけ磨いてもバランスが悪くなるだけ、両輪をスムーズに回すことが、心のつながりを構築するうえで重要だと説きます。

 

初級→中級→上級と段階を踏んで解説が進むので、理解状況に合わせて読み進められます。
また合わせて、イメージしやすい事例が豊富に収録されているので実践的な点も嬉しいです。

 

「わかってもらえた!」「わかり合えた!」ときの喜びは、かけがえのない”生き甲斐”へとつながるとおもいます。
その喜びを得るために、ぜひ参考にしてみてください。

 

◆聞く技術は、ここまで人生を豊かにする。

プロカウンセラーのこころの声を聞く技術 聞いてもらう技術
諸富祥彦 SBクリエイティブ 2024-2-7
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■【要約】15個の抜粋ポイント

「聞いたら、聞きっぱなし」
「余計なことは、言わない。そのままにする」
これ以上に大切なことは何もないーーーと言ってよいほどの「聞く側の大原則」です。

 

相手が自分に大切な話をしてくれたときには、こんな一言を添えましょう。
「大切なことを話してくれて、ありがとう。・・・それは、本当に大変だったね」
余計なことをあれこれ言わず、この一言を「低い声で、かみしめるように、ゆっくりと言う」。
これが大切です。

 

相手の話を聞いていて、イライラし始めたら、何か相手を傷つけない穏当な理由をつけて、その会話の場面を打ち切ることです。
相手から物理的に離れることが大切です。

 

わかってほしい側、聞いてほしい側は、まず「ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど」と言葉にする。
そして、時間と場所を設定する。
聞いてもらえたら、まずはそれだけでよしとする。
それ以上の多くのことは、望まないこと。
これが、「わかりあう関係づくり」のスタートです。

 

聞く側としては、「ちょっとわざとらしくないかな」と思うくらいに、ゆっくり、大きく、ていねいにうなずく。
相手よりも少し、低め、ゆっくりめ、大きめの声で「ああ、そうなんだ」「なるほど」と、あいづちを打つ。
これが、大切な話を聞くときの「基本のキ」です。

 

「わかりやすく話す」には、理路整然と話す必要はありません。
大切なのは、「私、つらかったの」「僕、さみしかったんだ」と、自分の気持ちをそのまま言葉にすること。
意見や批判、議論などの形をとらないことです。

 

「不機嫌さで人をコントロールしようとする人」に出会ったら、近寄らないようにしましょう。
ましてや、相手の機嫌をとるのは、絶対にやめましょう。

 

①密室は避ける
②二人で話す時間は5分まで
③若手の側が話し、年長者が聞く時間を長くとる。年長者の話は短くする
④年長者は、最後に「さすが!」「あなたなら、できるよ!」と、相手を勇気づける言葉で会話を終える
これをやれば、まずハラスメントになることはありません。
気楽に、若手に話しかけましょう。

 

アドバイスは「ダメ出し」の一種です。

 

重要なのは、一歩距離を置いて見守り、寄り添い、「○○な気持ちなんだね」と、ただそのまま受け止めること。
相手を肯定するのでもない。もちろん否定もしない。
ほめるのでもない。叱りもしない。
「大丈夫、なんとかなる」と励まし勇気づけたりもしない。
「そうだよね。絶対わかるよ」「同感!」と、同じ気持ちになるのでもない。

 

「話し手と聞き手」双方の大原則として、二人で協力して「そうなんです!」(わかってもらえた!)という状態に至るために努力することが求められます。

 

一言で言えば、傾聴してもらうと、人は、「自分自身のこころの声を聞くようになっていく」のです。

 

「自己との対話」の深さが、人生の深さを決めるのです。
傾聴は、この「自己との対話」の深まりを支える営みなのです。

 

人は、他者に深く聞いてもらうことで初めて、「自分の内側の深いところ」「言葉にならない暗黙の次元」にたどり着くことができます。

 

ひとりの時間が、こころを整えるためには必要です。
こころを整える働きが「ひとりの時間」にはあるのです。
(略)
私のおすすめは、「最低でも、1日5分。そして週に1時間は、ひとりになって自分のこころと対話する時間を持つ」ことです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2098-1】話を聞くときは、「聞きっぱなし」を意識し無理に言葉を返そうとしない

【2098-2】話を聞いてほしいときは、「話したいことがある」ではなく「聞いてほしいことがある」と伝える

【2098-3】場所と時間を決めて、1日5分、自分の心と対話する時間を設ける

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】プロカウンセラーのこころの声を聞く技術 聞いてもらう技術
【著者名】諸富祥彦著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2024/2/7
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日の人間関係を良くしたいときに
キーワード人間関係パートナー関係リーダー
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1部 聞く技術とわかってもらう技術、その大原則
第2部 実践編:大切な人との関係を壊す会話、改善する会話
第3部 上級編:「ほんものの傾聴」を身につける
最終章 傾聴についてさらに理解を深める

 

▼さっそくこの本を読む

プロカウンセラーのこころの声を聞く技術 聞いてもらう技術
諸富祥彦 SBクリエイティブ 2024-2-7
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諸富祥彦さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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