【老舗企業に学ぶ危機脱出の方策】
経済ジャーナリスト・田宮寛之氏が、『何があっても潰れない会社』と題して、老舗企業には共通する特徴が多いと説きながら、未曾有の危機にも揺がない老舗企業の経営戦略を解説する一冊。
もくじ
■書籍の紹介文
日本における企業の寿命。
何年くらいだとおもいますか?
本書は、多くの困難を乗り越え存続する老舗企業には学ぶべき経営手法が多いと提起し、老舗企業18社を紹介しながら、危機にも揺がない経営戦略を解説する一冊。
23.3年。
東京商工リサーチによる調査で算出された日本企業の平均寿命年数です(2022年に倒産した企業のうち、創業年月がわかる5,649社をもとに算出)。
イメージすると、22歳で入社したら45歳には会社が倒産することになります。
想像すると、ちょっとゾッとしますよね。
ただ一方で、日本は”老舗企業大国”ともいわれています。
創業100年などまだまだ若く、1000年を超える企業も複数社あります。
長く栄えることを願って会社を起こすことは、どの創業者も同じでしょう。
にもかかわらず、短命で終わってしまう企業と、世界も驚く老舗長寿企業とを分ける要因はどこにあるのか。
ここに迫ったのが本書です。
老舗企業の戦略を徹底的に調査し見えてきた長寿の秘訣を、18社の事例とともに解説していきます。
◎実力主義
◎失敗への寛容さ
◎財テクの禁止
◎本業重視
老舗企業の経営手法や考え方には、こうした共通点がとても多いと著者は指摘します。
そのうえで、これらを学び取り入れることで、危機にも強い企業経営ができるのではないかと説きます。
もちろん、共通項はあっても、どの企業の手法も思考もバラバラです。
どの企業がより優れているとか、どの企業がより劣っているとか、判断することは不可能です。
しかし、企業の平均寿命など鼻にもかけず、老舗企業が100年以上存続してきた事実は揺るぎません。
真摯に学ぶことで、自社の経営に活かせる手法や考え方は少なくないはずです。
本書にまとめられた教えの数々は、日本の底力そのものといっても過言ではありません。
危機襲来の間隔がどんどん短くなる現代社会、学ばぬ選択肢はないように感じます。
◆あの企業にこんな歴史が!
何があっても潰れない会社
田宮寛之 SBクリエイティブ 2022-4-6
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■【要約】15個の抜粋ポイント
株、土地、金融商品にむやみに投資せず、本業に集中した
全社員が決算書を読めるようにし、経営感覚と当事者意識を育てた
ボトムアップ式の組織構造で、失敗を恐れず社員にチャレンジさせた
「既存製品×新市場」「既存市場×新製品」の掛け合わせで戦略的な事業展開を行った
「子どもでもわかることを繰り返し伝える」をモットーに、広告宣伝にも注力した
商品の革新性だけではなく、生活者の自分自身が使うか、安心できるかを重視した
経済危機に際して暴利を貪らず、公的な利益を追求する姿勢で、信頼を積み重ねた
世相を敏感に察知し、「機を見るに敏なり」の姿勢で挑戦し、成果をあげた
「信は万事の本と為す」をモットーに事業展開を行い、信頼構築に努めた
顧客ニーズを熟知する営業が、現場の声を吸い上げて新商品を提案
高い顧客満足度を維持すべく、「安全、安心、安定」を旨としてきた
同調圧力に惑わされず、競合他社とは逆張りの経営判断で難局を切り抜けてきた
地元の同業他社と協力体制を敷き、情報交換、受注や人員・トラックの融通で共存
事業継承では実力を重視し、分家や親類の意見を尊重した
顧客に迎合せず本質は変えないが、顧客のための目に見えにくい細かな配慮を忘れない
■【実践】3個の行動ポイント
【2064-1】本業(本質)に集中する
【2064-2】信頼を失うことはしない
【2064-3】安易な儲け話に流されない
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】何があっても潰れない会社
【著者名】田宮寛之 ・ 著者情報
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2022/4/6
【オススメ度】★★★☆☆
【こんな時に】ビジネス理論を深めたいときに
【キーワード】ビジネスモデル、稼ぐ力、リーダー
【頁 数】280ページ
【目 次】
序 今こそ老舗企業から学ぼう
第一章 時代の変化に応じて、柔軟に在り方を変える
第二章 目先の利益より、公共の利益を重んじる
第三章 本業を貫き、深化させる
第四章 老舗超大国・日本の1000年企業
▼さっそくこの本を読む
何があっても潰れない会社
田宮寛之 SBクリエイティブ 2022-4-6
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田宮寛之さん、素敵な一冊をありがとうございました!
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2023年 10月 11日
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