【書評:2056冊目】老後が不安…。貯金と年金で大丈夫ですか?(齋藤岳志)

【過信と焦りで大失敗する前に・・・】
ファイナンシャルプランナー・齋藤岳志氏が、『老後が不安…。貯金と年金で大丈夫ですか?』と題して、老後資金に不安をもつ夫婦との会話形式で、資金を増やす方法を解説する一冊。

■書籍の紹介文

将来に対するお金の不安。
不安なしを0、不安MAXを10とすると、あなたの不安をどれくらいですか?

 

本書は、老後資金に漠然とした不安を持つ資産運用初心者の夫婦をモデルに、実際の相談現場を想起させる会話形式で、資金を増やす”現実的な”方法を解説する一冊。

 

さて、冒頭の質問にいくつを付けましたか。
まずは、ご自身がなぜその数値をつけたのか、理由を思うままに書き出してみてください。

 

そうすることで、何に対して不安を感じているのかが整理できるはずです。
そのうえで本書を読むと、より一層、現実的な問題と捉えて学ぶことができるとおもいます。

 

たとえば、テレビを付ければ、あなたの不安を大きくするための煽り文句に溢れています。
たとえば、ネットで検索すれば、「簡単だ」「魅力的だ」と飛びつきたくなる煽り文句に溢れています。

 

それらに乗せられ焦って一歩を踏み出してしまうと・・・。
手元にあった大切な資金が取り返しのつかないことになります。

 

後悔してもしきれない大失敗をしないためには、きちんと準備をすることが何より大切です。
自分にはいくら必要なのか?
そのお金は本当に必要なのか?
必要な金額を得るためにはどんな選択肢があるのか?

 

こうした、ひとつ一つの疑問をつぶしていき、自分に合った仕組みを作り上げることが必須です。
この仕組みをつくるときに押さえておきたい最低限の知識が、本書にはまとめられています。

 

最近は、物価上昇に賃金上昇が追いつかない、インフレの傾向が強まり続けています。
インフレの状況下では、お金をただ持っていても、その価値は下がり続けていきます。

 

だからこそ、日本的価値観である「充分に”貯金”があるから大丈夫だ」。
これが通用しなくなる可能性を、きちんと理解し対策しておくことが”安全策”になるでしょう。

 

お金以外でもそうですが、「あのときに行動しておけば」という後悔ほど悲しいものはありません。
本書をきっかけに、お金の不安を和らげる行動の一歩を開始しましょう!

 

◆押さえるべき要点がわかりやすい一冊。

老後が不安…。貯金と年金で大丈夫ですか?
齋藤岳志 現代書林 2023-8-24
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■【要約】15個の抜粋ポイント

やみくもに恐れるのではなく、自分はどのくらい必要なのか、それを割り出すことが大事です。
「数値」としてとらえることができれば、対策も立てられます。

 

「現金が安心」という気持ちはもちろんわかるのですが、それだけに頼ってしまうと、物の値段が上がったときに目減りしてしまうリスクがあるということを、ぜひ頭に入れていただきたいのです。

 

資産運用の目的は「収入+金融資産の取り崩し+運用益 > 支出」という状態に持っていくことです。
これが達成できれば安心して老後を迎えることができます。

 

(2024年からのNISA)新制度では、「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類になります。
投資枠はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円で、年間投資枠は合わせて360万円までの投資ができるようになりました。

 

●リスクの低い投資法3つのポイント
(1)「投資信託」などリスクの低い商品を選ぶ
(2)定期購入(ドルコスト平均法)
(3)できるだけ長期で運用

 

「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は「年間の投資上限枠」と「投資できる商品」に違いがあります。

 

不動産投資と言っても、私がお勧めするのは「中古ワンルームマンション」です。
中古ワンルームマンションをお勧めする主な理由は、
・購入しやすい価格であること
・入居者の対応・共用部分の管理を管理会社に委託できること
の2つです。

 

お金ってそのまま持っていても増えないけれど、お金を不動産に変えて持つことで「価値を生み出してくれる資産」になるわけです。

 

●物件選び7つのポイント
①2階以上がベター
②洗濯機置き場が室内にあること
③バス・トイレ別は必須ではない
④20平方メートル以上の広さがある
⑤適正な管理費・修繕積立金
⑥40〜50部屋以上、120〜130部屋のマンションがベター
⑦最寄り駅から徒歩10分以内

 

「安いものには理由がある」という話の流れになりますが、「高利回りの物件」も避けたほうがいいと思います。

 

NISA(株式投資)は「価格がわかりやすく換金しやすい金融資産」です。
換金しやすい資産を手元に置いておくほうが安心感があるのであれば、金融資産の割合を増やす。

 

不動産は「解約しにくい定期預金」です。
そこから生まれてくる収入にメリットを感じるのであれば、割合を増やす。

 

高額療養費、遺族年金、貯蓄、あるいは資産運用などでまかなえるのであれば、特に60歳以降は、民間保険の保障の必要性は低くなるように感じています。
保険よりも自由に使える貯蓄や金融資産を大切にしたほうがいいのではないかと思うんです。

 

「見える化」することで、使い過ぎ、買い過ぎを意識しやすくなるんです。

 

「失敗したくない」「損したくない」
そんな気持ちは誰にでもあります。
その気持ちを前にして、立ち止まって動かないか、一歩を踏み出せるか?
そこに、お金を安心して使える仕組みを作れるかどうかの分岐点があります。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2056-1】自分のこれからの人生で必要だと思うお金はいくらか、思うままに書き出してみる

【2056-2】【2056-1】で書き出した金額を元に、安心できる収入額を計算してみる

【2056-3】【2056-2】で計算した金額を実現するための選択肢を、思うままに書き出してみる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】老後が不安…。貯金と年金で大丈夫ですか?
【著者名】齋藤岳志著者情報
出版社現代書林
【出版日】2023/8/24
オススメ度★★★☆☆
こんな時にお金と賢く付き合いたいときに
キーワード資産形成シニア世代金融リテラシー
【頁 数】192ページ
【目 次】
Part1 老後が心配なので、貯金をしていますがいろいろ不安です
Part2 知識ゼロから始めるN I S A
Part3 知識ゼロから始める中古ワンルーム投資
Part4 資産形成のモデルプランを立てよう!
Part5 60歳から知っておきたい保険とポイ活

 

▼さっそくこの本を読む

老後が不安…。貯金と年金で大丈夫ですか?
齋藤岳志 現代書林 2023-8-24
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齋藤岳志さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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