【書評:1272冊目】マイクロソフト 再始動する最強企業(上阪徹)

【覇権奪還への強かな戦略】
ブックライター・上阪徹氏が、再始動する最強企業・マイクロソフトの”変革の全貌”を、日米幹部への徹底取材で描く一冊。「ポスト・スマホ時代の覇者」と目される企業の胎動を見逃すな!

■この本の紹介文

マイクロソフト(Microsoft)。
この企業に、どんなイメージを持っていますか?

 

本書は、1人の人間(サティア・ナデラ新CEO)の出現によって再始動したマイクロソフトの”変革の全貌”を、日米幹部への徹底取材を通して明らかにする一冊。

 

「仕事で使うWordやExcelの会社」「仕事で使うWindowsの会社」。
多くの人が、存在は知っているが特に関心もない、それが現状の一般的なイメージでしょう。

 

ところが、今マイクロソフトはこう呼ばれているのです。
「ポスト・スマホ時代の覇者」と。

 

ほとんどの人が、「えっ?」とピンッとこないかもしれません。
だからこそ、この本を読む価値があるのです。

 

日米幹部への徹底取材を通して、なぜ「ポスト・スマホ時代の覇者」と呼ばれるのかを明らかにしています。
IT知識に疎くても、問題なく読みこなせる構成も嬉しいところです。

 

ほとんどの人が認知していないからこそ、学んでおく。
これからの時代に、ますます必要な姿勢だと感じます。

 

仕事で触れる機会の多いマイクロソフト製品。
だからこそ、イメージしやすいという利点もあります。

 

新しいモノに触れることで、多くの刺激を得ることができます。
あたり前に触っているマイクロソフト製品もまた、同じ存在なのです。

 

◆老舗ゆえの底知れぬポテンシャル。

■本がわかる!15の要約ポイント

創業40年になろうかという世界最大のソフトウェア会社が、改めて自分たちの存在意義から見直していったというのだ。
こうして生まれたのが、新しいマイクロソフトのこのミッションだった。
Empower every person and every organization on the planet to achieve more.
「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」

 

文化が変わらなければ、会社を変えていくことは実は難しい。
ピーター・ドラッカーもこんなことを言っている。
「文化は戦略を上回る」。
カルチャー変革は、マイクロソフトの今回の変革の重要なポイントになっている。

 

マイクロソフトのカルチャー変革は、グロースマインドセットをキーワードに、すでに触れた3つの項目で推し進められている。
①Customer obsessed(常にお客さまのことを第一に考える)
②Diversity and Inclusion(ダイバーシティ&インクルージョン)
③On Microsoft(ワン・マイクロソフト)

 

どう変わっていくかを全体で語る。
これは、社員の記憶にも留まりやすい。
顧客にも認知されやすいし、メディアも記事にしやすい。
その上で結果を出しているからこそ、高い評価を得ているのである。

 

前年度の実績でいえば、売上高の実に14%。
毎年、数千億円から1兆円以上の金額が基礎研究も含めたR&D費として投資されているのが、マイクロソフト・リサーチなのである。

 

なぜ、マイクロソフトの変革がうまくいっているのか。
それは、過去を否定しなかったから。
マイクロソフト社内でも、こうした考察が進んできているという。

 

マイクロソフト製品は、1日で数億人以上が使っている。
そんな大規模なデータを手に入れることができる会社は、まず他にないのだ。
こうしたデータをベースにしながら、AI研究は進められ、さらに実用化もされていく。

 

最新のりんな(女子高生をキャラクターにしたソーシャルAI Chatbot)では、「共感モデル」と呼ばれる会話技術が採用されており、会話の相手(ユーザー)とどのようにコミュニケーションをすればいいか、AIが自ら考えるように設計されている。
つまり、人間の感情の中で「共感」を最も重要視し、相手との会話が継続できるように、返答をリアルタイムで生成している。

 

未来をつくるといえば今、コンピューティングの世界を一変させてしまうのではないかとささやかれているマイクロソフト発の技術がある。
それがMR(Mixed Reality/複合現実)だ。
※MR:人が存在する物理の世界とデジタルの世界が融合した世界。

 

未来を理解しようとするとき、日本は以前から、そしてこれからもきっと一番先を行っている

 

「ほぼ100%の社員が、会社以外の場所で仕事をするテレワークを行っています。1カ月に1度も使わないという人はほぼいないと思います。週に1回から3回くらいが多い。もちろん、会社に来なければ仕事ができない職種もありますが、逆に会社に来なくてもできる仕事もあります。会社としては、しっかり結果を出してもらえれば、基本どこで仕事をしてもらっても構わないという考え方です」
(コーポレートコミュニケーション本部長・岡部氏)

 

少なくとも取りまとめて報告する、というだけの役割はもういらなくなる。
取りまとめた上でどうすべきか。
それが問われてくる。
ITインフラの進化は、そのスピードをますます加速させている。

 

マイクロソフトのクラウドならではの目玉ソリューションが、Microsoft 365にはある。
それが、自分の働き方を分析し、改善提案をしてくれる「MyAnalytics/マイアナリティクス」という機能だ。

 

MyAnalyticsの社内検証の結果を受け、働き方改革における労働時間の管理と、生産性と業務効率の向上という二つの観点を融合した業務改善の支援が可能になったという。

 

マイクロソフトが今押さえている領域は、次の王者になる条件を十分過ぎるほど揃えている。

 

■これをやろう!3つの実践ポイント

【1272-1】自分の仕事は何のために存在しているのかを問う。

【1272-2】新しい技術に積極的に触れる

【1272-3】マイクロソフト製品を利用してその世界観を体感する

 

■ひと言まとめ

存在意義を問い、文化を根付かせる。

 

■本日紹介した書籍情報

【書籍名】マイクロソフト 再始動する最強企業
【著者名】上阪徹著者情報
出版社ダイヤモンド社
【出版日】2018/8/9
オススメ度★★★☆☆
こんな時にビジネス理論を深めたいときに
キーワードビジネスモデル発想力組織改革
【頁 数】262ページ
【目 次】
Chapter1 12万人の10兆円企業をゼロから作り替える
Chapter2 知られざる最強企業の全貌
Chapter3 AIを最もスケールできる会社
Chapter4 未来を激変させる驚異の発明
Chapter5 驚異的な生産性を実現する仕組み
Chapter6 ポスト・スマホ時代の覇者

 

この本が、あなたを変える!

 

上阪徹さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

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