【書評:2054冊目】面白い物語の法則〈上〉(クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ)

【物語を書きたい人必携の一冊!】
ハリウッドの脚本開発に携わるプロ/クリストファー・ボグラー氏とデイビッド・マッケナ氏が、『面白い物語の法則』と題して、物語創作の法則を明かしながら、実践的手法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

(小説や映画で)この作品はおもしろい!!
そんなふうに興奮するのは、いつもどんな内容の作品ですか?

 

本書は、『優れた物語は優れた構造を持っている』と提起し、優れた構造の裏に隠れている法則の数々を明かしながら、法則にのっとった実践的な創作手法を指南する一冊。

 

面白い物語の法則を明かしていく本書自体が、まず、ものすっごくおもしろい!
読み出したら手が止まらず、どんどん引き込まれる感覚をぜひ味わってほしいとおもいます。

 

内容は、書き手側の書籍ですが、読み手側(視聴者側)にとっても間違いなく有益なものです。
法則を理解することで、小説や映画など作品の見方がワンランクもツーランクも上がり、より深く楽しむことができるようになるからです。

 

また、法則や創作手法は、ビジネスの現場でも役立つでしょう。
企画書の作成やプレゼンの構成、マーケティング戦略など、いかに訴求力をあげるかという点に”構造”を活かすことができます。

 

◎”求めるもの”リスト
◎キャラクターリスト

 

なかでも、これらを作成するワークは秀逸です。
自分の欲望や自分の人を見る目の特徴を知ることができ、作成している時間はとても有意義でした。

 

映画やドラマを観ていて感じる「間延び感」。
小説を読んでいて感じる「消化不良感」。

 

本書を読むことで、そうした感覚になぜ陥るのか原因がわかるようになります。
まさに、物語に携わる「創作側」と「鑑賞側」のどちらにとっても”バイブル”と呼ぶに相違ない良書です。

 

より面白い物語に溢れた世の中をつくっていくために。
理解しておきたい上巻・下巻の”大作”です。

 

◆読む手が止まらない面白さ!

面白い物語の法則〈上〉
クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ
KADOKAWA 2022-2-10
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■【要約】15個の抜粋ポイント

ストーリーを練っているとき、自分自身に問いかけなければならない最も重要で基本的な質問は、「自分のテーマはなんだろう?」だ。

 

人々は何を”求める”のか?
基本から始めよう。
食べ物、服、隠れられる場所。
この基本的な欲求から物語を創ることはできるだろうか?
もちろんできる。

 

ほかにも”求めるもの”はあるだろうか。
きっとあるはずだ。
出世、名誉、承認、勝利、家、世界の平和、友情、平穏、孤独、知識、知恵、洞察、答え、神とのコミュニケーション。
いくらでも出てくるだろうし、どれも物語の安定基盤となりうる。

 

”取引が終われば舞台をおりる”のは、シーンだけでなく、物語の全体的な構造においても正しいルールと言えるだろう。

 

ストーリーを書くときは、ひとつひとつのシーンに対し「ここでなんの取引が動いているだろう?」と、ストーリー全体に対しては「何が重要な取引だろう?」と問いかけてみよう。
顧客、つまり観客の関心や時間について考え、契約を遂行することに努めよう。

 

”両極性”ツールを使うと、物語を牽引する力となる、対立図式の基盤を生みだすことができる。

 

●<ヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅路)>の概略
次のようなステップで進む。
①日常世界
②冒険への誘い
③冒険の拒否
④賢者との出会い
⑤戸口の通過
⑥試験、仲間、敵
⑦最も危険な場所への接近
⑧最大の試練
⑨報酬
⑩帰路
⑪復活
⑫宝を持っての帰還

 

どんな物語にも、主人公が解決すべき外的な問題と内的な問題が必要だ。
そして、どんな物語も、外的な疑問と内的な疑問を投げかけてくる。

 

観客が本当に観たがっているのは心の旅路であり、彼らは主人公の人生を自分の人生と対比させ、そこに新たな洞察を見つけたがっているものなのだ。

 

”求めるもの”を持ち、その”求めるもの”を満たすために行動に出る誰かがいないかぎり、キャラクターは存在しない。
そこからおもしろいことが始まっていくのだ・・・・。

 

書いたものを物語と認識させるためには、ある一定の行動が、理にかなったつながりでおこなわれなければならない。

 

キャラクター=①求めるもの+②動き+③障害+④選択

 

うまくやる秘訣は、自分のどのキャラクターも、少なくとも三つの特徴を使って動かそうとしてみることだ。

 

どんな準備段階を踏みにしろ、ライターは一度、全体のアイデアを一文にまとめてみるといい。
それだけでその後の作業が生産的に進む、と、僕は確信している。
この文章が、”原型”としての主人公、主人公の”求めるもの”、主人公が挑む”障害”を明確にしてくれる。

 

自分のストーリーをシノプシス(全体像)にしてみれば、原因と結果の関係性やパターンで、自分が見逃しているものに気づくこともあるはずだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2054-1】”求めるもの”リストを書き出す

【2054-2】文章を書く前に、「テーマは何?」と自問する

【2054-3】アイデアは、最終的に一文にまとめる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】面白い物語の法則〈上〉
【著者名】クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ
出版社KADOKAWA
【出版日】2022/2/10
オススメ度★★★★☆
こんな時に伝える力を身につけたいときに
キーワード文章力伝える発想力
【頁 数】248ページ
【目 次】
第1章 テーマを持つ
第2章 ”求めるもの”リスト
第3章 重要な取引は何か?
第4章 観客との契約
第5章 両極の対立
第6章 すべては”覚書(メモ)”から始まった
第7章 英雄の内面的な旅路
第8章 相互アクション
第9章 キャラクターの機能
第10章 キャラクターの代数方程式
第11章 キャラクターとテオプラストス
第12章 シノプシスとログ・ライン

 

▼さっそくこの本を読む

面白い物語の法則〈上〉
クリストファー・ボグラー&デイビッド・マッケナ
KADOKAWA 2022-2-10
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クリストファー・ボグラーさん、デイビッド・マッケナさん、
素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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