【書評:2033冊目】発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン(岡田尊司)

【生きづらさを感じるすべての人へ】
精神科医・岡田尊司氏が、『発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン』と題して、自分のチカラで、自分の「特性」を理解し、自分を生かせる「生き方」を見つける方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

周囲からの要求やプレッシャーが辛すぎる。
そんなふうに感じることはありませんか?

 

本書は、診断基準は超えないが発達課題を抱え生きづらさに苦しむ人に向けて、自分の「発達特性」を理解し、自分を生かせる「生き方」を見つける方法を指南する一冊。

 

グレーゾーン。
発達障害があると診断されるレベルに至っていない軽度の状態になる人を指します。

 

障害があると認知され守られていないため、周囲の理解や配慮が得られず、否定的な評価や不利な扱いを受けやすい。
したがって、「軽度だから」では済まされないほど、「深刻な生きづらさ」に苦しむ人が多いと著者は指摘します。

 

そもそも、発達の程度というのは人それぞれ。
なにをどこまでできたら、「あなたの発達の程度は”正常です”」などと測るものではないはずです。

 

ましてや、グレーゾーンともなると、当人には「発達障害かも?」という意識(発想)すらないでしょう。
ただただ、周囲との間に感じる”違和感”に悩み、生きづらさを抱えている状態といえます。

 

つまり、大袈裟な言い方をすれば、明確に診断された方以外の全員がグレーゾーンと言えなくもないわけです。
読み進めるうちに、このことを強く意識させられました。

 

だからこそ、「苦しい」「生きづらい」と感じるすべての人に役立つ一冊だと感じます。
最新の知見と臨床経験から導き出した”方法論”がまとめられているので、安心して試すことができます。

 

自分の「チカラ」で、自分の「発達特性」を理解し、自分を生かせる「生き方」を見つける。
この能力を身につけることは、生きづらさを乗り越えるうえでかけがえのない武器となるはずです。

 

「このまま終わりたくない」「こんな状況はもうたくさんだ」。
あなたの心の叫びを癒すキッカケになる一冊かもしれません。

 

◆学び多き一冊。

発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン
岡田尊司 SBクリエイティブ 2023-6-6
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■【要約】15個の抜粋ポイント

リズムや体調を維持するうえで、効果的な習慣として、おすすめは朝のストレッチと午後の散歩である(夏の暑い時期は、朝か夕方がよい)。

 

運動して交感神経を働かせることで、休むときには、副交感神経がよく働くようになるのだ。

 

自分の生活をコントロールできているという感覚をもつだけで、気もちが前向きになり、自信を取り戻すことにつながる。

 

愛想よくふるまえるかどうか、ふるまえたとしても、それを実践するかしないか。
これは、くだらないことに思えるかもしれないが、じつは、人生を知らず知らず成功に引き上げもすれば、挫折と孤立に貶めもするファクターなのである。

 

●心を開いた状態になるために必要な3つの条件
(1)相手に対する新鮮な関心
(2)ありのままに受け止め、認め、受け入れるということ
(3)真っ白な気持ちで向き合うということ

 

まず、自分を守るうえで大事なことは、嫌だと感じたことには、ノーサインを出すことだ。

 

何かをする自由と同じかそれ以上に、何かをやめたり、投げ出す自由を人はもっていい。

 

人とうまくつき合っていくうえでの基本は、自分のこだわりを人に押しつけてはいけないということだ。

 

自分に対する否定的な思い込みの多くは、心ない他者から与えられたもので、それは本来の自分の価値や可能性とは違っているのだということを、自分に何度も言い聞かせることである。

 

不安やパニックに対して、簡単にできる対処の方法としては、唾を飲むということがある。

 

うまくいっているときほど、調子に乗って、次の失敗の種をまくことが多いので、余計なことには手を出さないように心を引き締めてほしい。

 

素早い判断を迫られるような案件は、逆に怪しんだほうがいい。

 

自分がどうなりたいか、何がしたいのか、何を大切にして生きていくのかということについて、ある程度明確に自覚してはじめて、自分で主体的な判断を下し、前に踏み出すことができる。

 

プライドが傷つかないように守ろうとすると、プライドは傷つきやすいが、自分から傷ついてもいいと無防備な自分をさらけ出しはじめると、プライドはあまり傷つかないものなのだ。

 

どんなことも、いつしか恵みとなって返ってくるということだ。
人生に無駄なことは、何一つないということだ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2033-1】朝のストレッチと午後の散歩を習慣にする

【2033-2】嫌なことには、勇気を出して「NO!」という

【2033-3】不安に襲われたら唾を飲み込む

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン
【著者名】岡田尊司著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/6/6
オススメ度★★★★☆
こんな時に生き方に迷ったときに
キーワード心理学自己対話人間関係
【頁 数】288ページ
【目 次】
第1章 睡眠と生活リズムを整える
第2章 楽しみと心地よいルーティンをもつ
第3章 感じのいい人になる
第4章 心を開き、安全基地を手に入れる
第5章 自分を守れる人になる
第6章 こだわりと白黒思考から自由になる
第7章 不安やネガティブな感情に対処する
第8章 人生をコントロールする
第9章 自分自身とつながる
第10章 すべての苦労が恵みとなって返ってくる

 

▼さっそくこの本を読む

発達障害「グレーゾーン」生き方レッスン
岡田尊司 SBクリエイティブ 2023-6-6
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岡田尊司さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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