【書評:2024冊目】つながるための言葉(勝浦雅彦)

【言葉は人を表し、人は言葉で人を見る】
コピーライター・勝浦雅彦氏が、『つながるための言葉』と題して、つながるには言葉が重要だと提起し、言葉を「考えて、準備して、練習する」上で実践したいことを指南する一冊。

■書籍の紹介文

つながるための言葉。
あなたは、どんな言葉を想像しますか?

 

本書は、人生を豊かにする技術として「つながるための言葉」を提起し、言葉を「考えて、準備して、練習する」上で実践したいことを指南する一冊。

 

つながるための言葉が、なぜ人生を豊かにするのか。
それは、『つながり合うことが人間の本能だからである』と著者は説きます。

 

ゆえに、つながりが豊かになるほど、人生も豊かになっていく。
そして、人間にとってつながりを生むのが、そう、”言葉”なのです。

 

だからこそ、言葉ともっと真剣に向き合ってほしい。
「伝えることは真剣勝負」だと思って、言葉を絞り出す経験を積んでほしいと語ります。

 

では、言葉を絞り出す経験をするにはどうすればいいのか。
「考えて、準備して、練習する」以外にありません。

 

考えるため、準備するため、練習するため、に必要なことが本書にはまとめられています。
日常生活のシチュエーション別に章立ててはありますが、すべての章は関連しているので1章ずつ順を追って読むのがオススメです。

 

つながるための言葉は”技術”と説いていますが、決してテクニック本ではありません。
むしろ、表層だけの言葉遊び的テクニックに惑わされるな!、と全否定しています。

 

テクニックだけでどうにかできるなら、コミュニケーション本がこんなに氾濫することはないはずです。
より深いレベルで、考えて、準備して、練習しないと、真につながりの糸は見えてこないのです。

 

かなり重たい本ですが、文体は軽やかで、グイグイと引き込まれる一冊。
自分だけの「つながるための言葉」を目指して、ぜひ没入してみてください。

 

人間には、つながり合いたい本能があります。
あなたの「つながるための言葉」を待っている人がいます。

 

◆これはオススメの良書。

つながるための言葉
勝浦雅彦 光文社 2022-1-18
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■【要約】15個の抜粋ポイント

好きになること、は才能ではなく、生きる姿勢です。
否定しないこと、優しい眼差しで対象と向き合うこと。
どんな人にも、モノにも、歴史があり、生まれてきた使命がある。
それを知り、慈しむ。
コピーライターでなくとも、あなたにもできるはずです。

 

「自分とは何者か」を知ること。
それが「つながるための言葉」への第一歩なのです。

 

●「自分とは何者か」を知る3ステップ
STEP1:まずは自分を徹底的に洗い出す「自分への質問状」
STEP2:「ジョハリの窓(心理学モデル)」
STEP3:「自分ウィキペディア」を書く

 

自分の好きな教養や知識を食べ物のように身体に入れたら、「消化して、血肉にする」という過程が必要です。
ここでやっていただきたいのは、「感想を書くこと」と「人に話すこと」です。

 

伝わらない前提に立つことでメッセージは研ぎ澄まされ、スピードが速くなります。
大事なのは、ひとことを始まりとして100パーセント伝えることにこだわらず、トライアンドエラーを繰り返しながら、より知りたい、理解し合いたいという関係性をつくっていくことなのです。

 

愛を最も平易に説明すると、「人を思いやること」に尽きるのではないかと私は思います。
もちろん、自己愛という言葉もありますが、自己が確立するためには他者が必要であり、その関係性の中での愛だと定義できるからです。

 

大切なのは「相手の反応を期待しないこと」です。
だって、相手は自分ではないのですから。
思い通りの反応なんてかえってくるわけがありません。

 

ビジネスにおける言葉は、「投資」なのだ

 

質問は「敬意のある興味」であり、「百利あって、一害なし」なのです。

 

弱さを自分の中に持つことは悪ではありません。
それと向き合わずに、呑み込まれてしまうことが恐ろしいのです。

 

SNSをより知り使いこなし、丁寧な言葉でつながることで、リアルな出会いや可能性が生まれることもある。

 

思いが伝わらない前提に立つと、あらゆることが前向きに、楽になる。
私の真意はここにあります。
もし、恋愛において理想的な状態があるのだとすると、それは「伝わったのか、伝わっていないのか、疑念を抱くこと」から脱却して、「相手のためにやるべきことをやり、言うべきことは言った」と思える2人が向かい合っている姿だと私は思うのです。

 

目の前にある問題と向き合い意見を言う時、弱きものを見て見ぬふりせず声を上げる時、恐れずに未来のビジョンを語る時、言葉はさざ波のように外へと伝わり、あなたと世界をつなげていきます。
そして、ほんの少し、世界を良くしていくのです。
恐れずに言葉にしていきましょう。

 

矢面に立つ人に、意味や実のある批判はどんどんぶつけるべきです。
ただ、少し想像力を働かせて「どうしてこの人はこんなことを言っているんだろう」「もし自分がこの人の立場だったら、どんな判断を下すだろう」ということを考えるのは、とても前向きな思考だと思います。

 

言葉から逃げ出したいと思う時がある。
言葉を知るたびに自分の内に秘めていた心の奥底の感情が露わになって苦しむこともある。
それでも勇気を持ってつながるための言葉を紡ぎましょう。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2024-1】第1章を参考に、『「自分とは何者か」を知る3ステップ』を実施する

【2024-2】相手に伝わらない前提で、伝える言葉を考える

【2024-3】「敬意のある興味」という意識で、躊躇わずに質問をする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】つながるための言葉
【著者名】勝浦雅彦著者情報
出版社光文社
【出版日】2022/1/18
オススメ度★★★★☆
こんな時に伝える力を身につけたいときに
キーワードことばのチカラ伝える自己対話
【頁 数】336ページ
【目 次】
序章 どうして言葉にしようとするのか。それは誰かとつながりたいからだ
第一章 自分とは何者なのか
第二章 言葉を使いこなすには
第三章 愛について
第四章 始まりの言葉ー第一印象は言葉で決まる
第五章 就活・転職のための言葉
第六章 ビジネスの言葉
第七章 SNSの言葉ーSNSはただのツールなのだ
第八章 恋愛の言葉
第九章 世界を良くする言葉
第十章 今、必要な言葉
終章 世界はあなたの言葉を待っている

 

▼さっそくこの本を読む

つながるための言葉
勝浦雅彦 光文社 2022-1-18
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勝浦雅彦さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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