【書評:2023冊目】仕事を「短くやる」習慣(山本大平)

【仕事は「すぐやる」より「短くやる」】
戦略コンサルタント・山本大平氏が、『仕事を「短くやる」習慣』と題して、仕事の「無駄」を削り、「成果」を最短で得るために身につけたい、仕事を短くやるコツを指南する一冊。

■書籍の紹介文

「仕事をすぐやる」と「仕事を短くやる」。
あなたは、どちらの言葉がしっくり来ますか?

 

本書は、限られた時間で「成果」を得るためには、仕事を「短くやる」ことが重要だと提起し、そのために欠かせない、仕事の「無駄」を削る方法を指南する一冊。

 

「すぐやる」とは、いわゆる”気持ち”の問題です。
対して、「短くやる」とは、効率をあげる”技術”の問題です。

 

どんなに頑張っても、”気持ち”は日々刻々と変わるもの。
コントロールすることは難しく、結果、仕事の質にもムラが出てしまいます。

 

一方、どうすれば効率を上げられるかという”技術”は、一度身につけてしまうだけです。
気持ちに左右されることもなく、常に一定の質を提供することができるようになります。

 

だからこそ、「短くやる」コツの習得が大切なのだと、著者は説きます。
限られた時間で上司や取引先が求める「成果」を得るためにも、身につけてほしい42のコツが収録されています。

 

まずはじめに、身につける上で頭に入れておいてほしい”5つの原則”が提示されます。
常に意識しながらコツを学ぶことで、着実に習得できるようになるでしょう。

 

●仕事を「短くやる」ための”5つの原則”
(1)「優先順位」を明確にする
(2)「余計なこと」をしない
(3)「先延ばし」をしない
(4)「人に任せられる」ものを抱え込まない
(5)「タイミング」を間違えない

 

パッと見ると、仕事術系の本によく出てくる内容だと感じるとおもいます。
ですが、本書は「短くやる」視点から語っているので、読んでいると新鮮味を感じたり、馴染みやすさを感じたりしてきます。

 

今まで仕事術系の本を読んでも、なんとなく消化不良を起こしている方に特にオススメです。
「そういう風に捉えると理解しやすい」と思える箇所が、必ず見つかるはずです。

 

成果が伴ってはじめて、仕事は価値を生みます。
そのためには、よく観察し、無駄を削ぎ落とし、成果への「最短ルート」を見極める力を養うことが不可欠です。

 

「短くやる」習慣は、そのための最適な道具といえます。
成果の出せる人という評価を勝ち取るために、自分のモノにしていきましょう。

 

◆部下にプレゼントしたい一冊。

仕事を「短くやる」習慣
山本大平 クロスメディア・パブリッシング 2023-6-2
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■【要約】15個の抜粋ポイント

大切なのは、動き出す前の段階で情報や状況をチェックして、どうすれば最短のルートを通り、誰よりも早くゴールインできるかを考えることです。

 

「考える前に動け!」と指示されたら、「どう動けばいいのか、わからない」と悩むのではなく、考えるためのデータと情報を集める動きを始めればいいのです。

 

「難しそうなもの」→「簡単そうなもの」の順番で取り組んでいけば、取りこぼすことなくすべての仕事を終えることができます。

 

仕事を「短くやる」ためには、「無駄なことをしない」という視点を持つことも大切です。
無駄なこととは、「忙しくて時間がないときならば、絶対にやらないだろうな」と思えるような事柄を指します。

 

自分が想定する100点満点が、上司の求める100点とイコールとは限りません。
まずは70点を目指すことが、仕事を「短くする」ことにつながります。

 

●「1分で理解できる資料」を作るための”要約”手順
手順①:まず最初に「何の話か?」を書く
手順②:「どんな判断を求めているか?」を書く
手順③:ここで初めて「結論」を書く
手順④:「論拠」を提示する
手順⑤:必要に応じて「補足」を加える

 

自分にペースがあるのと同じく、人にもペースがありますから、相手に配慮したコミュニケーションを心がけることが、自分のペースの最適化につながります。
自分本位で物事を進めるのではなく、相手の状態をよく観察して、コミュニケーションミスを少なくすることが、仕事を「短くする」ことに直結するのです。

 

聞き手の感情を動かして、確実に成果を出すためには、2つのポイントを知っておくと成功率が高まります。
(1)相手に最も伝えたい部分を集中的に詳しく話すように意識すること
(2)話の最後に改めてメリットを強調して締めくくること

 

自分のために何かしてもらったら、お礼をしたくなる気持ちが人間にはあります。
相手のためを思って行動していれば、結果として自分のためにもなるのです。

 

誰かに協力を頼むためには、日ごろから、周囲の人たちをしっかりと観察しておいて、「誰がその案件に精通しているのか?」を知っておく必要があります。
これは情報収集にも共通することですが、「誰がその道のプロか?」を事前に知っていれば、精度の高いサポートが得られます。

 

自分が難しいと感じるタスクほど、早めにフィードバックしておくことで、仕事を短くやることができます。

 

不得意な分野に時間を取られるくらいなら、自分の得意な分野で圧倒的な結果を出す・・・と割り切って考えることが、短い時間で成果を出すことにつながります。
(略)
周囲が納得するだけの成果が出せているものが得意分野であり、結果が出せていないならば、単なる「自分の好きな分野」と考える必要があります。

 

子供の頃の夏休みの宿題と同じで、先に済ませてしまう方が、結局は後で「楽」ができます。
「当たり前」の理屈を当たり前に理解しておくことが、仕事を短くやることに直結します。

 

平常心を保つためには、「しっかりと寝る」ことが一番です。

 

人間関係を悪化させないためには、次のような2つのポイントに注意を払う必要があります。
・自分が思ったことをすべて口にしない
・言わなければいけないことは、端的に伝える
思ったことをすべて口にしないとは、言い換えれば、「余計なことを言わない」ということです。
端的に伝えるとは、回りくどい言い方をして、相手の「ツッコミどころ」となるような状況を作らないということを意味しています。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2023-1】「70点を取る」意識で仕事に取り組む

【2023-2】日頃から職場の仲間をよく観察して、得意なことや不得手なことなど特徴を掴んでおく

【2023-3】毎日7〜8時間の睡眠時間は必ず確保する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】仕事を「短くやる」習慣
【著者名】山本大平著者情報
出版社クロスメディア・パブリッシング
【出版日】2023/6/2
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日の仕事力を磨きたいときに
キーワード働き方マインド指導力
【頁 数】224ページ
【目 次】
第1章 仕事のやり直しがなくなる!「最短ルート」の見つけ方
第2章 余計なことをしない!仕事の「無駄」を削る方法
第3章 相手の感情を動かせば仕事は一気に解決する!
第4章 仕事の「時間」と「量」が半減する!上手に「他力」を活かす方法
第5章 「先送り」がなくなる!脳のうまい使い方

 

▼さっそくこの本を読む

仕事を「短くやる」習慣
山本大平 クロスメディア・パブリッシング 2023-6-2
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山本大平さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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