【教養を磨くためのブックガイド】
明治大学文学部教授・齋藤孝氏が、『20歳の自分に教えたい本物の教養』と題して、教養を磨く上で絶対に外せない6つの分野をテーマに、おおよその全体像と概要を解説する一冊。
■書籍の紹介文
自分の教養レベル。
どれくらいか考えたことはありますか?
本書は、教養を深めていく上で絶対に外すことができない6つの分野をテーマに、より深く学ぶのに役立つ推薦図書を示しながら、おおよその全体像と概要を解説する一冊。
教養といっても、漠然としていて何をどう学んでいけばいいのか分かりにくいもの。
その点、「教養とはなにか」「なんのために磨く必要があるのか」をわかりやすく示している書籍です。
自分の置かれた場所・境遇に負けたくない。
それらに振り回されることから脱却し、自分の望む人生を掴み取りたい。
このような反骨心にも似た心を持っているのなら、教養は大きな武器となります。
自分を苦しめる要因から抜け出すためにも、「知の貧困」は避けなければなりません。
この本では、広く深い教養の世界において、絶対に外すことができない6つのテーマを取り上げています。
◎お金と資本
◎宗教
◎哲学・思想
◎歴史
◎芸術
◎言葉と文学
もちろん、この本一冊ですべてを語ることは不可能です。
それぞれのテーマのおおよその全体像と概要が、読みやすくまとめられています。
さらに、興味を持ったテーマについて深く学べるようにブックガイドが付いています。
「ここ、もう少し知りたい!」と思ったテーマがあれば、推薦図書もセットで読みましょう。
地図を片手に旅をする感覚で、理解を深めていく。
教養を深く身につけるためには、この感覚がとても大切だとおもいます。
ぜひ、この本でおおよそ全体像をつかんで教養を磨いていきましょう。
筋トレと同じで、やったらやった分だけ、見える世界が変わっていきますので。
最後に一点、本書のタイトルについて。
「本物の教養」より「本物の教養の磨き方」といったタイトルの方が齟齬がないように感じます。
『○○の世界は広いので、地図で全体を把握してから、各分野を巡った方が効率的』
著者も、至るところでこのような表現をくり返し使っています。
本書は、あくまで『地図』を意図して書かれています。
「タイトルがな・・・」と最後までモヤモヤが残ったので、お伝えさせていただきます。
◆教養あっての人間力。
20歳の自分に教えたい本物の教養
齋藤孝 SBクリエイティブ 2023-6-6
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■【要約】15個の抜粋ポイント
資本主義について理解を深めるためにも、『資本論』はぜひとも押さえておきたい教養の書です。
資本家同士の競争もあって、資本家は自分の資本を増やしていかざるをえません。
労働者の搾取だけでなく、科学技術の進歩によって、すぐれた機械や装置を安く手に入れられるようになれば、コストが下がってさらに資本を蓄積できるようになります。
こうして、資本の蓄積は止まりません。
お金のあるところにお金が集まっていきます。
これは、資本主義社会でのお金の持つ性質です。
資本主義の父と言われるベンジャミン・フランクリンと渋沢栄一が、それぞれに『聖書』と『論語』というよりどころを持ち、公共心を持って経済を発展させていったのは興味深いことです。
教養として得ておきたいのは「世界三大宗教」+ヒンドゥー教、ユダヤ教についての知識です。
あらゆる宗教に共通しているテーマは、「苦しみのある世界でどう生きるか」ということでしょう。
そもそも○○は何なのか。
「そもそも」という根本的なところに立ち返って考えるのが、哲学・思想です。
哲学者はみんな勇気を持って新しい考えを提示してきました。
ですから、哲学を学ぶ際は「新しい考えにチャレンジする」という気持ちでいることです。
東洋の思想は自然に生活や価値観に入り込んでいるものです。
アイデンティティの一つとして持つことができれば、精神の支えになってくれるはずです。
「歴史は繰り返す」という言葉もある通り、人間は同じことを繰り返してきています。
歴史に学ぶからこそ、より良い世界を目指すこともできるはずです。
人間同士の戦争や虐殺以前に、動物たちが大量に殺されているのです。
これこそが地球上で一番の負の歴史なのかもしれません。
人としての理想の状態を、「真・善・美」という言葉で表すことがあります。
このうち「美」を扱うものが芸術です。
「真」は、科学や哲学的な思考で真理を求めること。
「善」は、道徳的に人はどう生きるべきか、ということです。
流行っているものは、時代を投影しているものです。
その時にしか感じられない空気感のようなものがあります。
ですから、どんどん観に行きましょう。
語彙が豊富であれば、相手に伝える際の表現も豊かになるのです。
さらに言うと、言葉の豊かさによって、見える世界が変わります。
思考は言葉を使って行われます。
思考を広げるには、たくさんの言葉を持っていることが大事です。
言葉が乏しければ、思考も狭くなってしまいます。
日本文学の素養として知っておきたいものに、俳句があります。
日本語を母語とする私たちは、日本語を充実させ、文化を内側から守っていく気持ちが必要だと思っています。
■【実践】3個の行動ポイント
【2021-1】流行りの映画を漏れなく観賞する
【2021-2】俳句を嗜むことを習慣にする
【2021-3】日本近代文学の有名な作品を読破する
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】20歳の自分に教えたい本物の教養
【著者名】齋藤孝
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2023/6/6
【オススメ度】★★☆☆☆
【こんな時に】教養を伸ばしたいときに
【キーワード】教養、哲学、宗教
【頁 数】272ページ
【目 次】
第1章 お金と資本
第2章 宗教
第3章 哲学・思想
第4章 歴史
第5章 芸術
第6章 言葉と文学
▼さっそくこの本を読む
20歳の自分に教えたい本物の教養
齋藤孝 SBクリエイティブ 2023-6-6
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齋藤孝さん、素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
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