【書評:2031冊目】できる社長の対人関係(服部真和)

【組み立て方がわかると対人関係は激変する!】
行政書士・服部真和氏が、『できる社長の対人関係』と題して、数多くの経営者に接してきた経験から導き出した、誰でも実践できる「経営者仲間を増やす方法」を伝授する一冊。

■書籍の紹介文

相手を見極めるとき。
あなたはどんな判断基準を持っていますか?

 

本書は、1000人の経営者と向き合った経験から導き出した、信頼関係を築き、「この人と一緒に仕事がしたい」と思える経営者仲間を増やす方法を伝授する一冊。

 

相手の「価値観」と「行動原理」。
この2つを見極めることができれば、クセの強い経営者同士でも、信頼関係を築き、お互いを高め合う”仲間”になれる。

 

そして、経営者こそ、1人でも多くの”仲間”を増やして化学反応を起こさなければならない。
これが、著者の揺るぎない信念です。

 

とはいえ、経営者は自らの「価値観」を信じて事業に邁進している存在。
ゆえに、経営者同士が集まると、互いの「価値観」がぶつかり合って交流どころではない・・・、ということも起こりがちです。

 

A社長とB社長が、真っ向から「価値観」がぶつかり犬猿の仲に・・・。
このとき、A社長ともB社長ともかみ合うC社長を組み入れられたら、三者のつながりを前向きに発展させることができますよね。

 

問題は、A社長とB社長が互いを理解し合う方法と、間にピッタリとハマるC社長を見つける方法です。
ここで著者が薦めるのが、人を6つのタイプに分類して分析することです。

 

●6つのタイプと特徴
・マスター(研鑽者):優秀でバランスはいいが融通がきかない
・アレンジャー(改良者):好みや共感を優先してアレンジし続ける
・クリエイター(創造者):天才肌の個人主義者は他者視点が苦手
・アンバサダー(伝道者):伝達と拡散・市場分析に長けた黒子
・マネージャー(管理者):人事と組織管理は得意だが実務は苦手
・イノベーター(革新者):大失敗か大成功か、未知に挑むカリスマ

 

専用診断シートをもとに、自分と相手のタイプを分析。
その上で、相手の価値観やタイプに合わせた接し方を修得することで、仲間探しは驚くほどスムーズになると説いていきます。

 

単純なタイプ分けではなく、タイプ別の気質の強弱まで分かるところが著者のメソッドのポイントです。
相性の悪いタイプ同士だけど、タイプの傾向は互いに弱いから関係構築は可能だな、といった分析まで可能なのです。

 

タイトルのとおり、本書のターゲットは経営者です。
ですが、その教えは経営者に限らず、人間関係の構築に悩む多くの人にとっても有用だと感じます。

 

もちろん、一読したらものにできる類の話ではありません。
理解はできても修得するまでには、かなりの経験が必要なことは明らかです。

 

ですが、生成AIなどテクノロジーの進化によって、改めて「人間とは」が問われている時です。
人と人が結びつくことで生まれる化学反応は、大きな武器(競争力)となるのは間違いありません。

 

ゆえに、化学反応の土台となる『互いの価値観を理解し合い高め合える人間関係の構築』は急務なのです。
さっそく、専用診断シートを使って自己分析からはじめましょう。

 

◆完成度の高い一冊。

できる社長の対人関係
服部真和 秀和システム 2023-6-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント

人が集団になったとき、最大限の力を生み出すためには、互いをよく知り、互いの個性をそれぞれが活かす状態づくりが重要です。

 

仲間とは簡単にいうと「一緒に物事に取り組む人」をいいます。
つまり、同じ方向を見て目的を共有する相手です。

 

さまざまな価値観を持つ「クセつよ社長」同士が、互いの価値観を理解する。
ピースがあう、あわないではなく、それぞれの色と形を活かせる最善最適な組みあわせを見つける。
AさんとBさんの形があわないのであれば、AさんにもBさんにもあうCさんをあいだに入れて組み上げる・・・。
これこそが「できる社長の対人関係」になります。

 

強烈な「クセ」には「価値観」と「信念」が与えている影響が大きいともいえます。

 

対人関係で、とても重要なことは、複雑な価値観を「メタ認知」することです。
メタ認知とは「物事を俯瞰的に分析できること」をいいます。

 

価値観をメタ認知した場合、次の2つの軸で構造化できます。
・人の観点は「客観型」か「主観型」か
・人の行動原理は「伝統的」か「革新的」か
これらの4種の傾向にあわせて対応を変えることで、大きなトラブルを避けることが可能です。

 

人間の言動から考え方や価値観を読みとろうとする際に、その言動には「オモテ・ウラ」の顔があることを認識しておくことです。

 

僕が分析する際に気をつけているのは
「人は周囲に人が多いと周囲にあわせてふるまうことが多い」
「左上を見ながら話すとき(本人にとっては右上)は本音ではない」
「ふだんと異なる言動が目立つ」
などは「ふるまっている」状態ということです。

 

●6つのタイプと特徴
・マスター(研鑽者):優秀でバランスはいいが融通がきかない
・アレンジャー(改良者):好みや共感を優先してアレンジし続ける
・クリエイター(創造者):天才肌の個人主義者は他者視点が苦手
・アンバサダー(伝道者):伝達と拡散・市場分析に長けた黒子
・マネージャー(管理者):人事と組織管理は得意だが実務は苦手
・イノベーター(革新者):大失敗か大成功か、未知に挑むカリスマ

 

隠された第7のタイプ「コーディネーター(調和者)」は努力次第で、誰でもなることはできます。
(略)
そこで、まずコーディネーターになるための方法を列挙します。
・すべてのタイプの特徴を理解する
・すべてのタイプの特徴を修得する
・相手のタイプにあわせて、臨機応変に相性のいいタイプに切り替える
じつはこれ、けっこう難しいことを書いています。
しかし、努力次第で誰でも遂行することは可能です。

 

●対人関係3つの法則
法則1:人がもっとも関心の強い事柄は自分のこと
法則2:人は誰でも自分を認めてほしい
法則3:理想は水のようにふるまうこと

 

本来の根回しというアプローチは、良好な対人関係を重視し、信頼関係構築を重要視する姿勢があらわれたとてもポジティブな行為なのです。

 

従業員が10名に満たないような製造業の会社が、じつは重要な部品をつくっていたりします。
多くの場合、そういった会社の社長はマスタータイプが多いのです。

 

画一的に大量の案件を処理すべき事業では、各タイプにおける個々のクセをおさえるよう、アンバサダーをメインに、マスターやマネジャーを加えながらチームづくりするほうがうまくいきます。

 

社会が様変わりし、テクノロジーが発達するからこそ、より一人ひとりの価値が重要になり、お互いを受け入れるだけに止まらず、活かしあうことを真剣に考えなければならないと強く思っています。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2031-1】人の言動には「オモテ・ウラ」の顔があることを意識する

【2031-2】相手をよく観察・分析(タイプ別)し、臨機応変な対応を訓練する

【2031-3】「水」のようにふるまうことを意識する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】できる社長の対人関係
【著者名】服部真和著者情報
出版社秀和システム
【出版日】2023/6/30
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日のリーダー力を磨きたいときに
キーワードリーダー人間関係指導力
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1章 孤独で多忙な経営者こそ仲間が必要だ
第2章 相手の価値観を活かして調和をはかろう
第3章 6タイプに分類し、理解&納得を引き出す
第4章 6タイプ別攻略法 「この接し方」で口説く
第5章 タイプ別に見る「クセ立てリング」活用事例

 

▼さっそくこの本を読む

できる社長の対人関係
服部真和 秀和システム 2023-6-30
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服部真和さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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