【書評:2081冊目】一度読んだら絶対に忘れない国語の教科書(辻孝宗)

【読むのが苦手、理解するのはもっと苦手な人必見!】
西大和学園・国語科教師/辻孝宗氏が、『一度読んだら絶対に忘れない国語の教科書』と題して、現代文・古文・漢文を横断する、画期的な読解力向上法を解説する一冊。

■書籍の紹介文

読解力。
どうすれば伸ばすことができるとおもいますか?

 

本書は、東大合格者ランキングで毎年上位に入る全国屈指の難関校「西大和学園」で国語を率いる著者が、一生モノの「読解力」が身につく画期的な学習法を解説する一冊。

 

読解とは、字の如く”読み解く”という行為。
ということは、読解力を伸ばすには「読む力」と「解く力(解釈する力)」の2つの力を磨く必要があるのです。

 

読む力だけ強くても、書き手が何を伝えたいのかを解く力が弱いと「何を言っているのか分からない・・・」になります。
反対に、解く力だけ強くても、読む力がないと解くための材料を得ることができず、結局「何を言っているのか分からない・・・」になります。

 

つまり、「読む力」と「解く力(解釈する力)」は掛け算の関係。
読解力を身につけるには、どちらか一方ではなく等しく伸ばすことが肝要なのです。

 

ではどうすれば、効率的に2つの力を等しく伸ばすことができるのか。
著者は『読解・語彙・文法の3つを軸に、現代文・古文・漢文を横断しながら学習すべし!』と宣言します。

 

いかがでしょうか。
読解・語彙・文法の3つを軸、という部分はあなたもすぐに納得するとおもいます。

 

やはり引っかかるのは後半、”現代文・古文・漢文を横断しながら学習すべし!”の部分ですよね。
でも安心してください、読み終わる頃には「なるほど、こういう効果があるのか」と捉えられるようになります。

 

さらに、読み進めるうちに「国語ってこんな楽しいものだったっけ?」という感情も湧くはずです。
もちろん、1冊の本ですから、著者の教えの要点しか学ぶことはできません。

 

ですが、それでも「もっと深く知りたい」と前のめりにさせてくれる熱量は素晴らしいと感じました。
読むのが苦手、読み解くのはもっと苦手という方にオススメな学習本です。

 

◆国語学習の面白さを知る。

一度読んだら絶対に忘れない国語の教科書
辻孝宗 SBクリエイティブ 2023-9-28
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■【要約】15個の抜粋ポイント

国語を学ぶ目的とは何かと言うと、現代の文章が読解できるようになること。
つまり、読解力を身につけるということです。

 

現代文、古文、漢文を横断しながら、読解を中心に語彙と文法も勉強する。
これが、読解力をもっとも効果的に高めることができる、理想的な国語の勉強法なのです。

 

読解は、「読む(読み取り)」と「解釈」の2つのプロセスからできている。

 

小説、論説文に限らず、文章を読むときは、必ず「事実の整理」から始めることが重要です。

 

文章の型を知っていれば、文章を最初から最後まで読まなくても、文章の全体像や書き手の一番言いたいことが推測できるようになります。

 

●文章の7つの型
(1)同格型
(2)質問型
(3)対比型
(4)変化型
(5)ギャップ型
(6)葛藤型
(7)説話型

 

なぜ、言葉を学ぶ必要があるのか?
それは、読解力の向上に、語彙力が欠かせないからです。

 

漢字の勉強に取り組むと、漢字の知識を手がかりに、難しい語彙の意味をおおまかに理解できるようになるのです。

 

現代の文章は、古文や漢文とは比べ物にならないほど、同じ意味の言葉が言い換えられているのです。
したがって、現代文を読むときは、「言い換え」を意識する必要があります。

 

●語彙力を伸ばす2つの漢字勉強法
(1)部首を理解する方法
(2)漢文で使われていたときの意味を理解する方法

 

現代の「心」が付く言葉は、心情を表わすものが中心ですが、古文の世界では、「頭」で行う「思考」も「こころ」という言葉で表します。

 

文法=著者の言いたいこと・文の論理的関係を示すもの

 

反語は、「Aだろうか、いやそうではない」という「そうではない」のニュアンスが含まれていました。
否定のほうが強く印象づけられるので、過去から現在に至るまで、文章を書く人は自分の主張に「否定」を入れることが多いのです。

 

本題や著者の意見は、「しかし」からの否定文にこそあるのです。

 

「さえ」には強調の「ない」のニュアンスが含まれているので、書き手の意見になっていることが多い

 

●漢文の文法を使った読み方3つのステップ
ステップ1:「誰が」主語なのかを整理する
ステップ2:主語が何をしたのか、「どうする」という述語にあたる動詞を確認する
ステップ3:動詞が整理できたら、残った目的語「何を」を整理する

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2081-1】初見の語彙を疎かにせず、きちんと意味を理解する

【2081-2】否定文は、著者の意見・主張がないか集中力を高めて読む癖をつける

【2081-3】主語→動詞→目的語の順で文章を整理する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】一度読んだら絶対に忘れない国語の教科書
【著者名】辻孝宗
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/9/28
オススメ度★★★☆☆
こんな時に読む力を身につけたいときに
キーワード教養文章力勉強法
【頁 数】208ページ
【目 次】
第1章 読解
第2章 語彙力
第3章 文法

 

▼さっそくこの本を読む

一度読んだら絶対に忘れない国語の教科書
辻孝宗 SBクリエイティブ 2023-9-28
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辻孝宗さん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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