【書評:1514冊目】読む力(松岡正剛、佐藤優)

【読書の深遠をのぞく旅への誘い】
編集工学研究所・松岡正剛氏と作家・佐藤優氏が、『読む力』と題して、読むとは守って破って離れるだと提起しながら、混迷の時代を生き抜く羅針盤となる150冊を提示する一冊。

■書籍の紹介文

本を読んでいて”恐怖感”を感じる。
このような経験をしたことがありませんか?

 

本書は、あたり前だと思ってきた仕組みや価値観が次々に壊れている混迷の時代こそ、「読む力」が大きな助けになると提起し、羅針盤となる150冊を提示する一冊。

 

「これ以上読む進めるのは、なんだか怖いな…」
本を読んでいると、ときにこのような感情を抱くことがあります。

 

本の世界は、人間のすべてが記録されています。
それこそ、おぞましいほどの欲望から人の命を奪うような悪魔の部分までも…。

 

とくに、思想、哲学、宗教に関する本を深く読み進めると、否応なくこういう部分に触れることになります。
そして、触れそうになると、「このまま読み進めると、引き返せなくなるんじゃないか」という”恐怖感”を抱くのです。

 

しかし、ここを乗り越えなければ、読書の深遠をのぞくことはできません。
”恐怖感”を乗り越えて読み進めることで、本の世界から大きなギフトが返ってくるのです。

 

ギフトとは、本質であり、本質を掘り当てた「読む力」です。
このギフトをくり返し得ることで、「読む力」は磨かれ、膨大な人間の記録が自分のものになっていくのです。

 

ある本を読んで得た「本質」は、どの本からきているのか?
気づいた新たな「本質」は、さらにどの本からきているのか?

 

このように、掘り下げる、読み進めることで、「本の家系図」のようなものが出来上がります。
本書では、2人の「知の巨人」のこうした「本の家系図」を成す150冊が収録されています。

 

著者は2人とも、すでに相当に深いところまで本の世界に潜っています。
ゆえに、2人の対論についていくのはかなり大変でしょう。

 

しかし、理解できなくてもいいので、最後まで読み進めてください。
『読書の深遠をのぞく旅』への誘いに、きっと興味を抱くことでしょう。

 

◆本の世界は、どこまでも深い。

読む力
松岡正剛 佐藤優 中央公論新社 2018-4-9
売上ランキング(公開時):89,512
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■【要約】15個の抜粋ポイント

生半可な気持ちで読んで、中途半端に取り込むと、自分の頭で思考できなくなる。

 

本って中身だと思われているけれど、著者や表紙の雰囲気や発刊時期やタイトルの付け方やサブタイトルも重要です。
それらを含めて本と出会うべきなんですね。

 

本がなければ、人は思想を話すことはできません。

 

二十世紀は長すぎた「主題の世紀」だったけれど、二十一世紀は「方法の世紀」になるだろうと思ってきました。
「愛」でも「平和」でも「軍縮」でも「格差」でもいいけれど、そうした「主題」アイテムは、とうの昔に出揃っているし、それらの主題は社会を何も動かさない。
そうした主題を動かす「方法」のほうが重要なのだと思っている。

 

これからの編集に求められるのは、戦後思想を一度解体して、異質を取り込んだ系統樹を作ることです。

 

読書には見取り図が必要です。

 

石原の『最終戦争論』(一九四〇年)は智学に影響を受けて書かれ、石原は満州事変へと突き進んでいきます。
時代の失敗として読んでおくべきテキストと思います。
人を殺す思想については勉強しておかないと「イスラム国」のようなことになりかねないですから。

 

もっと農本主義から民主主義を見直さないといけないでしょう。
農本主義って一言でいえば、「経世済民」だからね。

 

ナチスなどの全体主義が欧州全土を覆うさなかに、ホルクマイヤーとアドルノは、カリフォルニアで『啓蒙の弁証法』(一九四七年)を刊行した。
この本のポイントは啓蒙的理性だけでは世の中はちっとも革新できないということです。
(略)
トランプ大統領が誕生してしまった今日、いま一度、読み直すべき一冊だと思います。

 

本はコストパフォーマンスもいいし、折ったり、赤線を引いたりしながら読めます。
ダブルページ(見開き)単位で内容を追っていけるのもいい。
スクロールでは、かなり段落を短くしないと読みにくい。

 

どうしても綺麗に読みたければ、二冊買えと。
一冊は書き込んで、一冊は保存用にすればいいのだから。

 

学説とかイデオロギーというものは、そのときの国家の趨勢と無関係ではありえない。

 

正解を導き出すことだけが、科学書の面白さではないですからね。
そうした通俗化へのチャレンジ、その過程や手法そのものを味わうのも楽しいし、ためになるわけです。

 

本格的な歴史学とか神学とか生理学、地政学の書物といったものが日本ではどんどん退嬰(たいえい)していって、出てくるものは、大半がポップカルチャー化している。

 

事の本質を語るのは、「作家」の仕事です。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1514-1】真剣な気持ちで読書をする

【1514-2】本をノートに、どんどん書き込む

【1514-3】「著者の主張の元となる本」を探しながら読み繋いでいく

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】読む力
【著者名】松岡正剛佐藤優
出版社中央公論新社
【出版日】2018/4/9
オススメ度★★★★☆
こんな時に読む力を身につけたいときに
キーワード読書術教養考える
【頁 数】256ページ
【目 次】
第一章 子どもの頃に読んだのは
第二章 論壇からエロスも官能も消えた
第三章 ナショナリズム、アナーキズム、神道、仏教…
第四章 民族と国家と資本主義
第五章 ラッセル、養老孟司、弘兼憲史

 

この本が、あなたを変える!

読む力
松岡正剛 佐藤優 中央公論新社 2018-4-9
売上ランキング(公開時):89,512
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松岡正剛さん、佐藤優さん
素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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