【書評:1515冊目】「哲学用語」事典(小川仁志)

【今知っておくべき哲学用語100選!】
哲学者・小川仁志氏が、『「哲学用語」事典』と題して、複雑な問題に立ち向かうために欠かせないのが哲学だと提起し、ビジネスの現場で武器になる哲学用語を解説する一冊。

■書籍の紹介文

ビジネスの現場で哲学を活用する。
イメージすることができますか?

 

本書は、「世の中の潮流を見極めること」と「仕事で武器にすること」の2つを目的に、今知っておくべき哲学概念や哲学用語を100個解説する一冊。

 

哲学とは、考えることです。
つまり、哲学を学ぶということは、考える力を磨くということです。

 

こう捉えると、ビジネスと哲学の関係性も見えてくるとおもいます。
ビジネスで答えのない問題に立ち向かうときに、哲学の概念を用いるわけです。

 

この本では、ビジネスの現場で武器になる哲学概念や哲学用語を100個収録。
それぞれがどういう考えなのかを、網羅的に確認することができます。

 

もちろん、本書だけでは学びとしてまったく不十分です。
あくまで用語辞典でしかないからです。

 

収録された100個の用語には、それぞれにたくさんの哲学書が存在します。
それらを読んでこそ、学んだといえます。

 

ただ、どんな概念や用語があるかを知らなければ、学ぶことすらできません。
それを知るのに、本書のような本は有用でしょう。

 

普遍的に変わらない哲学もあれば、時代とともに新しく生まれる哲学もあります。
現時点で有用な哲学を知るために、活用してみてください。

 

そして、興味を持った哲学用語があれば、さらに掘り下げて哲学書に手を伸ばしましょう。
哲学への入り口として、読んでみてください。

 

◆哲学とは、考えること。

「哲学用語」事典
小川仁志 SBクリエイティブ 2019-8-22
売上ランキング(公開時):128,792
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■【要約】15個の抜粋ポイント

ロゴス(論理)、パトス(情熱)、エートス(信頼)はスピーチの3条件とされる。
信頼できる人がわかりやすく感情をこめて話すことで人を説得できるという。

 

ビジネスには至るところに4つのイドラ(思い込み)が潜んでいる。
イドラに囚われていては正しい判断はできない。
(1)自分の主張に固執していないか
(2)自分の価値感だけで判断していないか
(3)その口コミは信用できるか
(4)権力のあるものの判断に寄っていないか

 

(『純粋経験』という概念を提起した)西田幾多郎は日本ではあまり知られていないが、海外ではもっとも有名な有名な日本の哲学者であり、欧米の知識層からの注目度も高い。
マインドフルネスの実践は、西田哲学の実践にも近い。

 

脱構築とは、たとえば男と女という二項対立を問題視し、男性の中の女性的な部分や女性の中の男性的な部分を見出すといったように、言葉の意味を脱して新しい要素を見出す思想。

 

アメリカ人とビジネスをしたり、交流を深めるには、反知性主義に対する理解が不可欠だろう。

 

5人の命か1人の命、どっちを選ぶかというトロッコ問題では、まさに功利主義が1つの基準になる。

 

リベラル・ナショナリズムは移民問題を解決する鍵を握っているといえる。

 

一般意志はルソーによって生み出され、それがフランス革命の遠因になったといってもいい。

 

福島第一原発の事故などもあり、ゲシュテルの概念が見直されつつある。

 

新しい唯物論のように、モノが自立しているかもしれないという発想は、AI時代にはリアリティがある。

 

シンギュラリティが実現するのかどうかは別にして、少なくとも私たちはその対応策を講じておかなければならない。

 

加速主義は今、世界のビジネスや政治にさまざまな影響を与えている。

 

フィリア(友愛)はもともと共同体における倫理として唱えられたものなので、その意味では共同体における人間関係の基本であるともいえる。

 

哲学対話をビジネスに活用する発想は、すでに欧米を中心に実践されつつする。

 

倫理とは社会における常識を前提にしている部分が大きい。
何が正しいかは常識に委ねられるからである。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1515-1】参考文献を読む

【1515-2】1項目ずつより深く学習する

【1515-3】項目ごとに出てくる哲学者の著書を読む

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】「哲学用語」事典
【著者名】小川仁志著者情報
出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2019/8/22
オススメ度★★☆☆☆
こんな時に教養を伸ばしたいときに
キーワード哲学考える教養
【頁 数】224ページ
【目 次】
1「考えるためのツール30」
2「世界を知るためのツール20」
3「未来を知るためのツール30」
4「人を動かすためのツール20」

 

この本が、あなたを変える!

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小川仁志さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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