【書評:2000冊目】動画大全(明石ガクト)

【時代はテキスト優位からヴィジュアル優位へ】
ONE MEDIA創業者・明石ガクト氏が、『動画大全』と題して、TikTokの台頭を契機に動画の新世紀が到来したと提起し、個人・企業の生存戦略を指南する一冊。

■書籍の紹介文

自分が動画配信者になる。
いい動画を撮れそうですか?

 

本書は、TikTokの台頭を契機に動画メディアは新時代へ本格的に突入したと提起し、クリエイティブ表現が主戦場となる時代の個人・企業の生存戦略を指南する一冊。

 

この本で理解すべきことは、次の2つの方程式に集約されます。
【1】アテンション=試行回数×エンゲージメント
【2】エンゲージメントのレバレッジ=コンテンツのベクトル×SNSの持つ力学×個人・企業のネタの調達力

 

各要素の意味、必要なスキル、思考・・・。
著者が余すことなく開示する、それらのノウハウを吸収することで、ヴィジュアル優位の新時代を生き抜いていく戦略が身につくようになっています。

 

SNSの浸透により、「注目されること」が人々の行動を決める大きな要因になりました。
”当たり前になった”といってもいいくらい、一般化してきています。

 

手頃な値段だけど、SNSに投稿しても反応がうすいカフェ。
少し高めの値段だけど、投稿への反応が高いカフェ。

 

経済的なコスパで考えれば、前者のカフェが正しい消費選択です。
しかし、後者を選択することが正しい消費選択だという感覚の消費者が”当たり前”の時代が到来したのです。

 

ゆえに、「注目されること」が非常に重要なのです。
企業戦略においては、それはもはや最重要の経営資源になっていくのです。

 

では、どうすれば時代の波に乗っていけるのか。
『熱狂』を生み出すための豊富なノウハウを吸収することで、スタートラインに立つことができます。

 

一時的な流行り、ブームでは片づけられない”変革”のときが訪れている。
著者の魅せる世界に触れると、覚悟を決めて取り組まないと生き残れないのかも、という危機感が芽生えます。

 

『電通的なモノこそスベる』
この言葉が、新時代を表していると強く印象に残ります。

 

◆今、読んでおくべき一冊。

動画大全
明石ガクト SBクリエイティブ 2023-3-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント

これから10年。
マスメディアはもはやマスのままではいられないし、リーチというものはますます意味をなくしていく。
アテンションを得た個人と企業がメディア化し、そのパワーを使って稼ぎ、成長する時代なのだ。

 

なかでも非常に重要な指標になってくるのが、「エンゲージメントレート(投稿に反応したユーザーの割合)」である。

 

●クリエイティブを取り巻く3つのフェーズ
(1)調達:「企画内容」や「撮影手法」など
(2)加工:動画の「編集」作業
(3)流通:どの「チャンネルに出す」か

 

アテンションこそが、金も名誉も人脈も持っていないヤツが、それらを手にしているヤツに勝つ、唯一の秘訣なんだ。

 

ショート動画(1分以内の縦型のコンテンツ)は、以下の3つの変化をコミュニケーションにもたらした。
(1)クリエイティブの撮影・編集・配信のハードルを引き下げたこと
(2)エフェクトや音楽、切り抜きといった新しいエコシステムを生み出したこと
(3)短時間で興味から直接、購買などの行動につなげられること

 

視聴者は、コンテンツで語られている内容以前に「その人の顔」ーーーつまり「その人自身」に興味がある。
この本質を炙り出したことは、YouTubeの偉大な発見だった。
そうやってYouTubeは個人のメディア化を成し遂げ、今のクリエイター時代の口火を切ったのだ。

 

1つのヴィジュアルは、100の言葉よりもその本質を映してくれる。

 

●動画の3つのベネフィット
(1)流動性:デバイスと個人の嗜好が細分化される今、情報の届け方が肝になる
(2)情報性:凝縮された情報量と、それらを五感に訴えかけることのメリット
(3)信頼性:コンテンツ発信者の存在を明確にする

 

どのような分野でアテンションを取っていきたいのか(「パーソナル・アテンション」の方向性)というベクトルと、各種SNSが持っている性質・力学、そこに対してネタを調達し続けられるだけの自分(企業)。
この3つが掛け合わさることで、強力なエンゲージメントにつながる。

 

クリエイターやビジネスパーソンがトレンドを的確に読むためには、SNS上で自分が定点観測する場所を定め、そこに首までどっぷり浸かることが必要だ。
これをカッコいい言葉で表現すると、「ソーシャルリスニング」と呼ぶ。

 

●3つのコミュニケーション戦略
1.熱狂力:コミュニティとの継続的な対話で熱狂を生む
2.試行力:フットワーク軽く、高速PDCAを回す
3.継続力:「継続は力なり」で、クリエイター活動におけるアドバンテージを得る

 

●これからのショート動画に欠かせない10のキーワード
【1】アテンション
【2】仮想敵
【3】代弁者
【4】コンテンツ設計
【5】時間設計
【6】動画・ライブ配信・ストーリー機能
【7】レコメンドハック
【8】エンゲージメント率
【9】コメント返信
【10】TikTok売れ

 

僕らは今、テキスト優位だったこの数百年から、ヴィジュアル優位になるこれからの数百年の分水嶺に生きている。

 

ヴィジュアルコミュニケーションが生み出す巨大な影響力は、スターバックスの世界的な成功を見れば明らかだ。
他のチェーン店のコーヒーをアップするだけでは「いいね」はもらえないけれど、スターバックスのフラペチーノや季節限定コーヒーは、「いいね」がたくさんもらえる。
「いいね」優先の考え方においては、スターバックスのコーヒーは「ちょっと高いけど、『いいね』に換算すれば安い」のだ。
この「コスト・パー・いいね」という新たなKPI。
無視することはできないと、ご理解いただけただろうか?

 

君は誰かをフォローするために生まれてきたわけじゃないはずだ。
だから今すぐ思考を切り替えろ。
フォローするんじゃなく、される方になれ。
時間を奪われる側じゃなく、奪う側になれ。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2000-1】SNSの反応を分析してみる

【2000-2】SNSでどういう反応が欲しいのか考えてみる

【2000-3】流行っている動画をつねにチェックする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】動画大全
【著者名】明石ガクト著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/3/30
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日のマーケティング力を磨きたいときに
キーワード稼ぐ力SNS活用働き方
【頁 数】400ページ
【目 次】
Opening 動画をやり抜け、勝ちたいならば
Chapter1 ビジネスの大転換期、動画に起きた10の変化
Chapter2 ショート動画がSNSコミュニケーションに与えた三大変革
Chapter3 ショート動画を活用し、ヴィジュアルで語ることの3つの優位性
Chapter4 一億総クリエイター時代の「熱狂マーケティング」の仕掛け方
Chapter5 今を生き抜き、未来で勝ち抜く、武器としての「動画」
Ending 君たちは何者だ?

 

▼さっそくこの本を読む

動画大全
明石ガクト SBクリエイティブ 2023-3-30
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明石ガクトさん、素敵な一冊をありがとうございました!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

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