【パートナーと自分にとっての最適な距離を知る】
発達障害・カサンドラ症候群専門カウンセラー/神田裕子氏が、『パートナーが発達障害かも?と思ったときに読む本』と題して、前向きに歩んでいくヒントを指南する一冊。
■書籍の紹介文
パートナーの気になる言動。
抱えている悩みはありますか?
本書は、パートナーが持つ発達障害の特性との折り合いに悩んでいる人に向けて、自身が前向きになり、相手との関係も前向きになれるヒントを指南する一冊。
「発達障害の夫や妻、パートナーと情緒的な相互関係が築けないために、体重減少や吐き気、めまいなどの身体的症状、抑うつ的気分、パニック・不安障害などの精神的症状を有する症状」。
この総称を、『カサンドラ症候群』と呼びます。
正式な病名ではありませんが、社会福祉や心理学の研究領域で広く使われている言葉になります。
言葉を聞いたことがある人も、はじめて聞いたという人も。
やさしく噛み砕いた解説で、わかりやすく知識を学ぶことができるようになっています。
何事もそうですが、知ってさえいれば、「じゃあどうしようか」と対処法を考えることができます。
したがって、発達障害に関連する知識を持つことで、戸惑う可能性を減らすことができるのです。
読んでみて感じること。
それは、一部の人の話ではなく、だれにでも当てはまる話だということです。
なぜなら、相手が発達障害の”特性”をもっているだけでも通じる話だからです。
発達障害と正式に診断されてはいない人でも、”特性”をもつ人は想像以上に多く存在します。
おそらく、本書を読むことで「もしかしたら?」と感じる人は多いでしょう。
それくらい、境界線はあいまいなのだと感じます。
騒ぐほどではないけど、ほかの人も同じなのかな・・・・。
そんなパートナーに感じている違和感を晴らし、前向きに関係性を深めるヒントが見つかるかもしれません。
病気を抱えたパートナーとの・・・と捉えるのではなく。
パートナーとのよりよいコミュニケーションのために、と捉えて読んでみてください。
◆自分の殻に閉じこまらないために。
パートナーが発達障害かも?と思ったときに読む本
神田裕子 すばる舎 2023-4-24
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す
■【要約】15個の抜粋ポイント
「カサンドラ症候群」は、医学用語でも、米国精神医学会の発行するDSMに載っている”正式な病名”でもありません。
主に社会福祉や心理学の領域で研究されていて、
「発達障害の夫や妻、パートナーと情緒的な相互関係が築けないために、体重減少や吐き気、めまいなどの身体的症状、抑うつ的気分、パニック・不安障害などの精神的症状を有する症状」を総合して、そう呼んでいます。
●カサンドラ症候群になりやすい人の5つの性格的タイプ
(1)しっかり者の完璧型
(2)やさしくて面倒見のよい世話女房型
(3)普通を求めるモラル型
(4)自分勝手な自己愛型
(5)劣等感の強い内罰型
カサンドラ症候群においての重要なキーワードは、「理解」と「自立」です。
発達障害とは、生まれつき脳機能に偏りがあるために、コミュニケーションや対人関係を苦手としたり、片づけを苦手とするなど、生活する上でさまざまな困難を抱える障害のことを言います。
<代表的な四つの発達障害>
・自閉症・自閉スペクトラム症(ASD)
・注意欠如多動症(ADHD)
・限局性学習症(SLD)
・発達性協調運動障害(DCD)
発達障害であると明確に診断はされていないけれど、「その傾向はある」と認められる人は想像以上にたくさんいます。
相手を詰問する「YOU(ユー)メッセージ」ではなく、「自分を主語にするI(アイ)メッセージ」の考え方を取り入れることが効果的です。
私が発達障害のある人を含むカップルカウンセリングをして思うのは、特性をお互いに認めた後は、「寛容を心がける」ことと「必要以上に干渉しない」ことが仲よしの秘訣です。
●三つのおまじない(自分への問いかけ)
(1)相手の言動に疑問をもったとき
→→『特性か性格か、どっち?』
(2)相手の言動に怒りや不安を感じたとき
→→『裏の意図は何?』
(3)相手の言動に違和感を感じたとき
→→『ポジティブかネガティブか、それとも許されない言動か?』
うまくコミュニケーションを取ろうとする際、共通して言えるのは、適切な距離を置いた関係を心がけること。
発達障害のパートナーによる奇妙な言動に対応しようとするときの三原則をお伝えします。
(1)環境を調整する
(2)スルーする(割り切る)
(3)声かけと伝え方を工夫する
発達障害のある人の多くは相手の感情の機微を把握することが苦手なので、感情に訴える言い方はピンときません。
質問するのは一回に一つの用件だけと注意しながら、パートナーの機嫌のよいときを見計らって問いかけるようにすると、相手の答えや考えを聞き出しやすくなります。
カサンドラさんからの卒業を目指すとき、あなたの自立を阻む要因の一つに「愛着障害」があります。
こちらの愛情をしっかり受け取ってもらうことが、愛着障害による課題の解消や改善に役立ちます。
誰にでも、できること(得意)とできないこと(不得意)はあるのだから「お互いさま」と考えればよいのです。
■【実践】3個の行動ポイント
【2001-1】自分を主語にする「I(アイ)メッセージ」を心がける
【2001-2】自分の価値観を相手に押しつけない
【2001-3】「お互いさま」精神を大切にする
■ひと言まとめ
※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作
■本日の書籍情報
【書籍名】パートナーが発達障害かも?と思ったときに読む本
【著者名】神田裕子 ・ 著者情報
【出版社】すばる舎
【出版日】2023/4/24
【オススメ度】★★★★☆
【こんな時に】明日の人間関係を良くしたいときに
【キーワード】人間関係、パートナー関係、心理学
【頁 数】256ページ
【目 次】
第1章 あなたはカサンドラ症候群かもしれない?
第2章 パートナーのことを知りましょう
第3章 対応方法を変えるとコミュニケーションはもっとラクになる
第4章 カサンドラさんの困り事「あるある」別お勧め対応法
第5章 カサンドラさんを卒業するために
▼さっそくこの本を読む
パートナーが発達障害かも?と思ったときに読む本
神田裕子 すばる舎 2023-4-24
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す
神田裕子さん、素敵な一冊をありがとうございました!
※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。
コメント
この記事へのトラックバックはありません。
この記事へのコメントはありません。