【書評:2139冊目】仕組み化がすべて(岩田圭弘)

【仕組み化にこそビジネスの真髄がある!】
長年キーエンスで活躍した岩田圭弘氏が、『仕組み化がすべて』と題して、キーエンスではなぜ「仕組み化」を徹底するのかを説きながら、結果を出すリーダーの思考法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

新しいことを仕組み化する時。
もっとも大切なことはなんだと思いますか?

 

本書は、営業利益率55%超を誇り高成長を続けるキーエンスで徹底される、業務の「仕組み化」の真髄を説きながら、結果を出すリーダーになるための思考法を指南する一冊。

 

『その仕組みを確実に実行させる環境を整えること』。
これが、仕組み化をする際にもっとも大切なことです。

 

著者のバックグラウンドであるキーエンスでは、こう言います。
『キーエンスの仕組み化の真骨頂は、「仕組みを実行させる仕組み」の構築にあり』と。

 

仕組み化と聞くと、マニュアル!と思う方も多いでしょう。
確かに、マニュアルづくりも仕組み化の”一部”ではあります。

 

じゃあ、この本はそのマニュアルづくりに役立つのね?と聞かれると・・・・。
答えは「No!」です。

 

そんな表面的な話では済みません。
そもそもなぜ仕組み化が必要なのか、そして、なぜリーダーがそこに注力する責任があるのか。

 

こうしたマネジメントの本質的な部分を学ぶための本になっています。
何度読んでも都度気づきが得られる、そのように感じられる内容です。

 

仕組み化とは、言うは易し行うは難し、の典型的な部分だと個人的に感じます。
ゆえに、リーダーによって異なる様々な悩みを抱えていることでしょう。

 

悩みを抱えたまま、闇雲に突き進んでもいいことはありません。
一度立ち止まって、本書を読んでみてください。

 

きっと悩みの解消につながる”気づき”が見つかるはずです。
本質的がゆえにシンプルで学びやすい一冊です。

 

◆何度も読み返したくなる。

仕組み化がすべて
岩田圭弘 SBクリエイティブ 2024-8-2
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■【要約】15個の抜粋ポイント

仕組み化ができていれば、組織の成果は人数に比例します。
人数が増えるということは、組織全体の行動量が増やせることを意味します。

 

●仕組み化の4つのステップ
STEP1:標準化(全員の行動を一緒にする)
STEP2:浸透(全員に”実際に”行動してもらう)
STEP3:振り返り(ルールを見直し、「成果の再現性」を高める)
STEP4:責任と権限(自分がいなくても、回るようにする)

 

仕組み化とは「マネジャーの仕事を軽くすること」です。

 

●「標準化」の3つのステップ
(1)課題を洗い出す
(2)課題の対策となるルールを作る
(3)ルールを明文化する

 

仕組み化の意義を正しく理解することが重要です。
仕組みは、個人の成果を引き出すためにあるのであって、個人を縛るためにあるのではありません。

 

まずは業務における理想の姿を定義してみてください。
そして、現状とのギャップを分析し、優先順位の高い課題を特定する習慣をつけていきましょう。
これが、業務改善と問題解決のための重要なステップとなります。

 

仕組みを浸透させるには、スタートダッシュ時の意識合わせだけでなく、その後の継続的なフォローが重要です。
日々の進捗管理と振り返りを習慣化することで、「理解して実行する」という本当の意味での浸透を実現できます。
新しい取り組みを始める際は、ぜひこの点に留意してみてください。

 

●「浸透」の3つのステップ
(1)周知する
(2)ルールの見える化をする
(3)結果報告の場を作る

 

●「振り返り」の3つのステップ
(1)ルールの「目標」と「結果」を計測する
(2)「結果」の「原因」を分析する
(3)「失敗したルール」はなくし、「うまくいったルール」は継続、更新する

 

目標と目的の両方が達成されていれば、その取り組みは良好だったと評価できます。
しかし、目標は達成したけれども目的は達成できなかった場合は、仕組みそのものに問題があると言えます。

 

重要なのは、ルールの改善を継続的に行っていくことです。
うまくいったルールであっても、常に改善の余地を探り、より良いルールへと進化させていく姿勢が求められます。
そうすることで、ビジネスにおける目的達成の確率を高め、成果を最大化することができます。

 

●「責任と権限」の3つのステップ
(1)責任を明確にする
(2)文書に残す
(3)権限を委譲する

 

責任の所在を明確にするためには、単にルールを細分化するだけでは不十分です。
誰が何をするのか、いつ行うのかといった点を具体的に定義し、関係者全員で共有することが求められます。
加えて、定期的な見直しの機会を設け、ルールの形骸化を防ぐことも大切です。

 

「自分がいなければ駄目だ」という考えは捨て去り、組織のために自分の仕事を仕組み化していく。
それが、真の意味での権限委譲であり、組織の成長につながります。

 

「仕組み化」とは、課題解決のプロセスそのものです。
どんな会社にも、大小様々な課題が転がっているはずです。
その課題を特定し、適切な対策を考え、実行するための仕組みを作る。
これこそが、ビジネスの本質です。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【2139-1】現在の自分の業務における理想の姿を定義する

【2139-2】定義した理想と現状のギャップを分析し、解決すべき課題を発見する

【2139-3】優先順位の高い課題から、ギャップを埋めるための仕組み化を試みる

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】仕組み化がすべて
【著者名】岩田圭弘著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2024/8/2
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日のリーダー力を磨きたいときに
キーワードリーダー働き方組織改革
【頁 数】304ページ
【目 次】
序章 “キーエンスの仕組み化”とは何か?
第1章 標準化ー全員の行動を一緒にする
第2章 浸透ー全員に“実際に”行動してもらう
第3章 振り返りールールを見直し、「成果の再現性」を高める
第4章 責任と権限ー自分がいなくても、回るようにする
終章 “キーエンスの仕組み化” 実践編

 

▼さっそくこの本を読む

仕組み化がすべて
岩田圭弘 SBクリエイティブ 2024-8-2
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岩田圭弘さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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