【書評:1975冊目】得する説明 損する説明(伊藤祐)

【はじめのひと言次第で、説明上手の扉は開く!】
シンガポール発の歯科製品ブランド「Zenyum」日本法人代表・伊藤祐氏が、『得する説明 損する説明』と題して、話が伝わりやすく説得力が増す方法を指南する一冊。

■書籍の紹介文

説明上手か説明下手か。
あなたは自分をどちらだと思っていますか?

 

本書は、「話が伝わりやすい」や「説得力がある」と聞き手が感じる要因として”キラーフレーズ”に注目し、説明上手と言われるために身につけたい”キラーフレーズ”を指南する一冊。

 

この人は説明がうまい人。
そう感じる人は、話の交通整理がうまい人だと個人的におもいます。

 

この交通整理の役割をしてくれるのが、本書で”キラーフレーズ”といわれるものです。
聞き手にどう準備をしてほしいか宣言する、”はじめのひと言”ともいえるでしょう。

 

たとえば、(←これもキラーフレーズの一種といえます)
「つまり」とくれば、「ここまでの話のまとめに入るんだな」
「そもそも」とくれば、「軌道修正したいんだな」
「この部分が欠点」とくれば、「正直に情報開示する人なんだな」
このように、これからどんな話がはじまるのか、聞き手を準備させるのがうまい人が説明上手な人だとおもいます。

 

言い換えれば、適切なフレーズを適切なタイミングで使うことができる。
これだけで、聞き手に「説明上手な人」と思ってもらえるということです。

 

そこで、本書では厳選した40個の”キラーフレーズ”を紹介。
「フレーズ」→「解説」→「使用例」の順で、リズムよく学習できるように構成されています。

 

どんどん使うことで、説明だけでなく、みずからの思考の整理にも役立つことを実感します。
要するに、”キラーフレーズ”を使いこなせるほど、思考力も説明力も相乗効果で上達していくのです。

 

説明上手を目指すことで、得られるモノはたくさんあります。
本書を活用して、その感覚を味わってみてください。

 

◆活用しやすい一冊。

得する説明 損する説明
伊藤祐 SBクリエイティブ 2023-3-1
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■【要約】15個の抜粋ポイント

『結論から申し上げると』
結論ファーストで話すべき理由は、「最も短時間で、かつ誤解が生まれる可能性を最小限にしたコミュニケーションが取れるから」です。

 

『具体的には』
このワードは、説明がわかりやすくなるのはもちろん、「あ、こいつ”デキる”人間だな」と思ってもらいたいときに大活躍します。

 

『まずは概要、その後、詳細についてご説明します』
「全体像(Summary)を示してから、詳細(Detail)を話し、最後にまた要点(Summary)に戻る」、これらの頭文字をとって「SDS法」と呼ばれることもある「概要→詳細系」の話し方です。
(略)
「新しい概念、難しいトピックについては特にSDS」と意識しながら説明してみてくださいね。
「この人、どんな難しいことでもわかりやすく話してくれるよね」という評判がパッと広がること間違いなしです。

 

『ざっくり言うと』
伝えるべき情報量が多いとき、それを一気に伝えようとすると事故ります。
そうならないために、まずは大枠の概要のみを示すことで、伝えたいことの明確化、および信頼の獲得ができます。

 

『そもそも』
私は「そもそも=本質立ち返り」と定義しています。
話をしているときに、表面上は活発に意見交換されているけれど、なんとなく空回りしている感覚がある。
そういうときに、「そもそも」を使うことでモノゴトの本質を再度見つめなおすことができます。

 

『別の言い方をすると』
わかりづらい表現をしてしまった後のリカバリーや、相手からの質問を肯定しつつさらに理解度を増してもらうために使われるのが、この「換言」です。
相手があんまり納得していなかったり、不安そうな顔をしていたりする際に使うと効果てきめんです。

 

『まず現状を整理させていただくと』
「まず現状を整理していきましょう」と口火を切ることができれば、自然と「問題解決のプロセス」である、「現状整理→課題深掘り→打ち手提案」の流れに議論を誘導することができるのです。

 

『○○という欠点がありますが、改善可能です』
あなたの説明の信頼度をグッと上げるためにも、勇気を出して「ここは欠点なんです」とオープンにしてみましょう。

 

『あえて逆に考えてみましょう』
「当たり前のこと」「常識的なこと」を伝えたいときに最適です。

 

『専門家もそう言っています』
トラの威ばかり借りていると痛い目も見ますが、自身の知見ではどうしても足りない場合、積極的に活用してみてください。

 

『定量的には〜、定性的には〜』
人間の行動はある程度お金に代表される何らかの数値に変換することができます。
ただ、それだけですべてが解決するかというとそういうことでもなく、お金や数字では表し切れない「ふわっとした何か」も重要視されるケースがあります。
その両方をうまくカバーする伝え方として、「定量的には〜、定性的には〜」というフレーズがあります。

 

『ここから言えることとしましては』
データや事例などの説明をした後に、「ここから言えることとしましては」という枕詞をつけつつ、どんな意味合いがあるのか明確にすることで、議論を進化&深化させる効果がある強力なフレーズです。

 

『相手の立場で考えると』
フレーズとしては「相手の立場で考える」ですが、温度感としては「相手に憑依し、相手になりきって考え、感じる」。
これが習慣づいてくると、プライベートでもビジネスでも、相手が感動して「あなたに相談してよかった!」と涙するようなコミュニケーションが取れるようになります。

 

『最高のケースとしては〜、最悪の場合は〜』
人はそもそも、「振れ幅がわかると安心する」という習性を持っています。
極端想定「最高のケースとしてはこうなりますし、最悪の場合はこうなります」を提供した場合、聞き手としては「あー、最悪でもこのぐらいで、うまくいったらこんなになるのか。だったらなんとかなるな!」とGOサインを出しやすくなるのです。

 

『まさにおっしゃる通りです』
「うまく話す、わかりやすく話す」というのももちろん大事ですが、”相手に好感を持ってもらう”というのも説明上手になるためには欠かせないスキルです。
それをシンプルに、どんなときでも再現性を持ってアプローチできる「100パー同意」、すごくおすすめです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1975-1】説明のうまい人の説明をよく観察する

【1975-2】自分の説明のフィードバックを同僚や友人から積極的にもらう

【1975-3】本書のフレーズを使って説明する練習をする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】得する説明 損する説明
【著者名】伊藤祐著者情報
出版社SBクリエイティブ
【出版日】2023/3/1
オススメ度★★★★☆
こんな時に伝える力を身につけたいときに
キーワード話し方交渉術リーダー
【頁 数】264ページ
【目 次】
1:結論ファースト「結論から申し上げると…」
2:例示「たとえば…」
3:理由x3「理由は3つあります。1つ目は〜、2つ目は〜、3つ目は〜」
4:一言キャッチフレーズ「一言でいうと…」
5:つまり結論「つまり…」
他、全40項目

 

▼さっそくこの本を読む

得する説明 損する説明
伊藤祐 SBクリエイティブ 2023-3-1
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伊藤祐さん、素敵な一冊をありがとうございました!

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