【書評:1922冊目】最強リーダーの「話す力」(矢野香)

【リーダーらしさは話し方ひとつ!】
スピーチコンサルタント・矢野香氏が、『最強リーダーの「話す力」』と題して、リーダーには「影響力を持ち行動を促す話し方」が必須だと提起し、習得に必要なことを解説する一冊。

■書籍の紹介文

この人はついていきたい。
あなたがそう思うのは、どんな人ですか?

 

本書は、リーダーにはリーダーたらしめる「話し方」があると提起し、だれから見てもリーダーらしく見える「話し方」の習得方法を解説する一冊。

 

リーダーらしく見える「話し方」。
これを実践し続けることで、いつの間にか”本物のリーダー”になっていく。

 

これが、本書のメッセージです。
つまり、リーダーにはリーダーの話し方が存在するということです。

 

では、どんな話し方をすれば、リーダーらしく見えるのでしょうか。
著者は、『影響力を持ち、行動を促す話し方』こそがリーダーの話し方だといいます。

 

この話し方を身につけるために、習得するべきポイントは5つ。
Point1:注目を集める
Point2:高揚感を高める
Point3:信頼感を与える
Point4:基準を示す
Point5:器の大きさを見せる

 

順を追って、ポイントごとに意識すべきこと、実践すべきことがまとめられています。
講座テキストのように構成されているので、自分のペースで学習することができます。

 

「話し方」をモノにするまでは、モノにした”ふり”をする。
要するに、”ふり”をしているうちに、本当になっちゃうという戦略です。

 

”ふり”の仕方に特化しているのが本書最大の特徴。
NHKアナウンサー、リーダー向けのスピーチコンサルタントとして、リーダーの話し方を分析、追求してきた著者です。

 

したがって、提示されている”ふり”の仕方は折り紙つきです。
あなたは、ただ、なぞるように習得していけばいいのです。

 

すでにリーダーの人はもちろん、これからリーダーを目指す人には必須の内容です。
リーダーに特化した内容に振り切っているからこそ、試す価値が高いと感じです。

 

「話し方」が、あなたを”本物のリーダー”に押し上げます。
なりたいリーダーに向けて、徹底的に”ふり”をしましょう!

 

◆充実した濃い一冊。

最強リーダーの「話す力」
矢野香 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2022-9-23
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■【要約】15個の抜粋ポイント

●「話す力」の3つの階層
第3階層:影響力を持つ(リーダー向け)
第2階層:分かりやすく伝える(ビジネスパーソン向け)
第1階層:好感を獲得する(一般向け)

 

●第3階層のスキルを習得するための5つの要素
(1)注目を集める
(2)高揚感を高める
(3)信頼感を与える
(4)基準を示す
(5)器の大きさを見せる

 

まずは、自分のなりたいリーダー像をイメージし、それを言葉にします。
「信頼できるリーダー」「頼りになるリーダー」「相談しやすいリーダー」「堂々としたリーダー」など、なんでも構いません。
現状の自分を表す言葉ではなく、なりたい姿、目指すイメージです。

 

●「注目を集める」ための5つのスキル
(1)登場を制する
(2)まばたきせずに名乗る
(3)レトリカル・クエスチョン(答えを求めない問い)を投げかける
(4)沈黙する
(5)キーフレーズを刻み込む

 

リーダーの視線は、「一文・一方向」です。
一つの文章を話し終わるまでは、視線を一方向に固定します。
扇風機の首振りのように左右を見回すのではなく、縦の線を意識します。
「同じ方向の奥〜手前」にアイコンタクトを送ります。
視線の向きと角度は変えず、奥行きを変えるイメージです。

 

「皆さん」ではなく「あなた」という言葉を用いると、聞き手は自分に向けて呼びかけられている気持ちになります。
程良い緊張感が生まれ、より効果が高まります。

 

リーダーであるあなたは、実際の感情、つまり「素の自分」が抱いた本当の感情をそのままむき出しにしてはいけません。
うれしいから喜ぶ、腹が立ったから怒る、ではいけないわけです。

 

感情と理性のバランスをコントロールするには、聞き手の眠っている感情を刺激するのが有効です。
つまり、思い出させるのです。
思い出させる内容は「恩」と「誇り」と「怒り」の3つです。

 

事前分析には確認すべき5つの対象があります。
ここでは、それぞれの頭文字を取って「3P2M」と呼ぶことにします。
・P=People(相手・聞き手は誰か?)
・P=Purpose(話す目的は何か?)
・P=Place(場所・設備・状況は?)
・M=Merit(相手が話を聞くメリットは何か?)
・M=Main message(メインメッセージは何にすべきか?)

 

分かりやすく正確に情報を伝えるだけでは人は動きません。
なぜそうすべきかという必要性を示し、相手が自ら行動を変えたくなるよう促すのが、リーダーの伝え方です。

 

スピーチやプレゼンテーションではなく、普通の会話のリズムをトレーニングしたい場合は、ラジオ番組などのフリートークが役立ちます。
信頼性を高めるための教材としておすすめなのは、NHKの「ラジオ深夜便」。

 

主語は必ず自分。
能動態で、シンプルに言い切る。
基準を示すうえでもこの原則に従って語ります。

 

リーダーとして本気であることを伝えるためには、主語を明確にして約束をすることで相手に安心感を与える必要があります。
さらに、主語を明確にしないまま約束してしまうと、その組織が約束したのか、自分自身が約束したのかが、聞き手に勝手に解釈されかねません。
そこでおすすめしたいのは、「私が○○○(肩書き)として皆さんにお約束できることは・・・」という公文を使うこと。

 

なりたいリーダーのイメージを言語化することをおすすめしました。
「器の大きさ」を感じさせるリーダーのイメージを表したおすすめの言葉。
それが「こわあたたかさ」です。
これは「怖い」と「温かい」を組み合わせた私の造語です。
リーダーは、怖いだけでも、温かいだけでも不足です。

 

言葉にどの程度の『体温』と『体重』を乗せられるか。
それが、その人の「器の大きさ」であるともいえるでしょう。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1922-1】なりたいリーダー像を詳細かつ具体的に設定する

【1922-2】なりたいリーダー像に近いロールモデルを決める

【1922-3】【2】で決めたロールモデルを分析し、徹底的に真似て成り切る練習をする

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】最強リーダーの「話す力」
【著者名】矢野香著者情報
出版社ディスカヴァー・トゥエンティワン
【出版日】2022/9/23
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日のリーダー力を磨きたいときに
キーワード話し方リーダー指導力
【頁 数】248ページ
【目 次】
第1章 リーダーの話し方は「これだけ」やればいい
第2章 注目を集める
第3章 高揚感を高める
第4章 信頼感を与える
第5章 基準を示す
第6章 器の大きさを見せる

 

この本で、あなたは変わる!

最強リーダーの「話す力」
矢野香 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2022-9-23
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矢野香さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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