【書評:1855冊目】歴史思考(深井龍之介)

【歴史を学んで、メタ認知力を鍛えよう!】
株式会社COTEN代表取締役CEO・深井龍之介氏が、『歴史思考』と題して、歴史を知ることで悩みから解放されると提起し、歴史で悩みが消える仕組みを伝授する一冊。

■書籍の紹介文

歴史を知ると悩みが消える。
どういう仕組みだと想像しますか?

 

本書は、悩みの解消には一歩引いて客観的に見る力が大切だと提起し、その力を養うのに最適な方法が、歴史に学ぶことだと指南する一冊。

 

この本でのキーワードは「メタ認知」
メタ認知とは、「当たり前」が当たり前ではないことを理解するということです。

 

「メタ」は超えるという意味。
ゆえに、『今の自分を取り巻く状況を一歩引いて客観的に見る』といった意味になります。

 

いわゆる、「しくじった」という経験は誰にでもあるとおもいます。
しくじると、「人生終わった」「再起不能」などと絶望感に苛まれて深く悩んでしまいます。

 

このとき、大切なことがあります。
それは、「これは本当に悩むべきものなのか?」と冷静にぶつけることです。

 

これが出来さえすれば、不必要に悩みを抱え込まずにすみます。
ただ、冷静になれないから困っているというのも事実。

 

そこで、登場するのが『歴史』です。
歴史上の偉人のエピソードに触れることで、冷静さを取り戻すことができると著者は説きます。

 

なぜなら、歴史上の偉人のしくじりは、レベルの度合いが桁外れだからです。
現代人のしくじりなど、しくじりにカウントされないちっぽけな躓きに過ぎないことを理解します。

 

こう聞くと、「偉人だからできたんでしょ?」「わたし達とは違う!」という反応があるとおもいます。
それが間違った反応であることも、また歴史が教えてくれます。

 

このように、歴史に触れることで、冷静さを取り戻し客観的に向き合うことができるようになります。
これをくり返すことで、自然と「メタ認知力」は養われていきます。

 

正解のない時代とよく言われます。
であれば、「当たり前」「常識」などというものは存在しないはずです。

 

にも関わらず、わたし達は「当たり前」「常識」に囚われてしまいます。
この引力に健全に抗うためにも、「メタ認知力」を鍛えていきましょう。

 

◆歴史は、心を冷静にしてくれる。

歴史思考
深井龍之介 ダイヤモンド社 2022-3-30
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■【要約】15個の抜粋ポイント

歴史を知ることによるメタ認知のことを、この本では「歴史思考」と呼びます。
歴史を知ること、そして「歴史思考」を身につけることは、悩みから解放されることでもあるんです。

 

歴史って、ものすごく複雑なものなんです。
遠い将来を予測して動ける人なんていません。
だから、人間の評価を短期的なスパンで下すことにあまり意味はないんです。

 

人間は誰でも生きているだけで周囲にものすごく影響を与えているんです。

 

ガンディーのすごいところは、暴走していく社会を目の当たりにしてもなお、周囲ではなく自分に原因があると考えていた点です。

 

僕はいつも思うのですが、30代や40代くらいで「成功した」「失敗した」と言うのはやめましょう。
不毛です。
そもそも何をもって成功というのか難しいですし、それは別にしても、せめて80歳くらいまでは待ちましょう。
人生、何がどうなるかなんて分かりません。
カーネル・サンダースに限らず、歴史上の偉人は多くが遅咲きです。

 

あなたの人生はまだ、ちまちまと伏線を張っている段階にすぎません。
クライマックスはまだまだ、ずっと先なんです。

 

歴史的な視点から人生を見ると、そもそも平凡とか非凡とかいうことは「どうでもいい」ことなんです。

 

あなただって、「奇跡の人」の一人かもしれません。
あなたが何気なくサポートしたり、手助けした人が、巡り巡って奇跡を起こしているかもしれないわけですから。
そうだとするなら、自分の価値を信じて生きたほうが、毎日が楽しくなるのではないでしょうか。

 

歴史はカオスではなく、ちゃんと因果関係でつながっています。
しかし歴史は複雑でもあります。
人間の脳で理解しきれるほど簡単ではないのです。
今は良いように見えることが、あとで悪く作用するかもしれません。
でもそれは逆に、今は悪く感じられる物事が、のちのちあなたを救うかもしれないということでもあります。
いえ、人類を救うかもしれません。
それが歴史であり、あなたも歴史の一部なのです。

 

たとえば、GAFAなど、シリコンバレーの企業が強くなると、その影響で日本企業も「シリコンバレーの文化を取り入れないと負けてしまう」という雰囲気になりました。
それはそうなんですが、ビジネスに直接は関係なさそうな文化、たとえばスーツではなくTシャツにジーンズで仕事をする文化までパッケージで入ってきて、「スールを着るのはダサい」という価値観が広がったりしました。
明治時代に欧米から取り入れた「スールは格好いいんだ」という価値観を、今度は否定するわけです。
このように、少し長期的な目線に立つだけでも、社会の価値観がコロコロと変わっていることに気づくでしょう。
僕たちの社会の前提になっている「当たり前」なんて、その程度のものなんです。

 

僕たちの価値観は、環境によって強く規定されています。
ということは、環境が変われば価値観も変わるわけです。
それは、「絶対的な価値観が存在しない」ということでもあります。

 

歴史を学ぶと、人々の価値観や「当たり前」がどう変わってきたのかを発見することができます。
すると、特定の価値観に距離を置けるようになります。
それが、僕が言う「メタ認知」です。

 

困ったとき、悩みに直面したときはどうすればいいのでしょうか?
僕のオススメは「古典を学ぶ」です。
僕の言う「古典」とは、時代を超えても価値を失わない、人類の叡智が詰まった書籍のことです。
あなたの悩みの答えを探すためのヒントは古典の中にあります。

 

古典が優れているのは比較対象を提供してくれるからです。

 

自由だから、生き方を自分で決められます。
選ぶ自由があるのはいいことに思えますが、別の表現をすると、「生き方を自分で決めなければいけない」ということでもあります。
だからこそ、現代人は過去を生きた人間より大変でもあるんです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1855-1】「当たり前」という感情を持ったら立ち止まって「本当か?」と自問する

【1855-2】歴史に関する書籍やマンガをたくさん読む

【1855-3】古典を読む

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】歴史思考
【著者名】深井龍之介著者情報
出版社ダイヤモンド社
【出版日】2022/3/30
オススメ度★★★★☆
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード教養思考生き方
【頁 数】
【目 次】
プロローグ 僕たちの「当たり前」を疑え
1 スーパースターも凡人だった
2 100%完璧な人間なんていない
3 人生のクライマックスは終盤に現れる
4 奇跡を起こすのは誰だ?
5 千年後のことなんて誰も分からない
6 僕らの「当たり前」非常識
7 悩みの答えは古典にある
エピローグ 今こそ教養が必要なワケ

 

この本で、あなたは変わる!

歴史思考
深井龍之介 ダイヤモンド社 2022-3-30
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深井龍之介さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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