【書評:1782冊目】自分の意見で生きていこう(ちきりん)

【収入格差より怖い意見格差の時代へ】
社会派ブロガー・ちきりん氏が、『自分の意見で生きていこう』と題して、正解のない時代は「意見」を持てるかどうかが生命線だと説き、自分の意見のつくり方を指南する一冊。

■書籍の紹介文

「君の意見を聞かせてくれるかな」。
咄嗟にいわれても、あなたはきちんと意見をいえる人ですか?

 

本書は、「正解」のない問題があふれる時代、自分らしさを失わずに生きていくためには「意見」を持つことが重要だと説き、自分の意見のつくり方を指南する一冊。

 

意見をいっているようで、意見をいえていない。
意見をいえていないようで、意見をいえている。

 

読んでいて、とても不思議な気持ちになりました。
そして、あることに気づいたのです。

 

”意見”というものが何なのか、自分の中できちんと定義できていなかったことに。
ちなみに、「自分の意見をいう」とは「自分のポジションをとること」をいいます。

 

つまり、聞き手が「この人の立ち位置がわからない」とおもったら、それは意見ではないのです。
本書を読むと、ここはとても重要なことだということを痛感させられます。

 

だれかの意見に触れて、「わたしもそう思います!」は”あなた”の意見ではありません
”だれか”の意見だと認識されるわけです。

 

同じ意見なのだからわたしの意見でもある!は通用しません。
ここに気づけないと、「意見のない人」というレッテルを貼られてしまうわけです。

 

正解のない時代をよりよくしていくためには、たくさんの”意見”が求められます
多くの”意見”をぶつけ合って、最大公約数的によりよい方向を決めていくからです。

 

このときに、「意見のない人」に価値はあるでしょうか?
想像すると恐ろしくなりますよね。

 

日本人は総じて、”意見”をいうことが苦手だといわれています。
ということは、人一倍意識して努力しなければ「意見のある人」にはなれません。

 

ただ、大変ではありますが、チャンスでもあります。
きちんと「意見のある人」はとても少ないからです。

 

努力するかは、もちろんあなた次第。
ですが、「意見のある人」と「意見のない人」の格差は拡がる覚悟はしなければなりません。

 

どんな話題に対しても、きちんと”意見”のいえる人。
あなたはなりたくありませんか?

 

◆この本はオススメ!

自分の意見で生きていこう
ちきりん ダイヤモンド社 2022-1-12
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

■【要約】15個の抜粋ポイント

正解がある問題の正解が知りたければ、必要なのは「調べる」ことです。

 

「正解のない問題」には当然、正解も誤答もありません。
そこにあるのは「意見」だけです。

 

「正解のない問題を解くには、自分の意見をもつ必要があり、そのためには自分のアタマで考えなければならない」のです。

 

「重要な問題」にはほぼ正解がありません。
正解があるのは、たいして重要でない問題ばかりです。
いったいなぜ、人生の重要な問題には正解がないのでしょう?
それは「どんな人生がもっともよい人生なのか?」という問いに正解がないからです。

 

「自分の意見を言う」とは、「自分のポジションをとること」だともいえます。
発言によって「その人がどこに立って発言しているか」が明確になっていれば、それは「意見」だといえるのです。
一方、それらしく聞こえても「その人のポジション(立ち位置)がどこなのか、わからない言葉」は、意見ではなく反応に過ぎません。

 

意見を言うときに気をつけるべきは、その意見が正しいか、間違っていないか、ではなく、本当に「自分のアタマで考えた自分の意見なのか?」ということは、しっかり確認する必要があります。

 

●ネット上での発信のポイント
【1】
カッコをつけず、ありのままの自分を表現しましょう。
唯一守るべきルールは、リアルな社会で言わないことは、ネット上でも発信しないこと、だけです。
【2】
発信のホームベースをひとつ定めましょう。
他者の発信場所であるYoutubeやブログやボイシーのコメント欄に発信を散逸させるのは、とてももったいないです。
【3】
自分に合った表現方法を見つけ、途中経過も含め、どんどん発信してみましょう。
なにかすごいものが完成してから発信!などと考える必要はありません。

 

「意見には正しい意見と間違った意見がある」と勘違いしているから、「誰の意見が一番正しいか」を巡ってギスギスした相互否定が起こってしまうのです。
「いろいろな意見がありえる。正解なんて存在しない」とわかっていれば、自分の意見を明確にする際に、他者の意見を否定する必要はまったくありません。
相手を説得したり、相手の間違い(?)を正す必要もないのです。

 

まずは自分の意見を明確にすることにより、自分で自分をしっかり理解する。
それがすべての始まりなのだということを忘れないでください。

 

意見を明確にするための練習には、「今のところ自分には無関係なこと」のほうが実は向いています。
なぜなら人間誰しも、自分が当事者になってしまうと、冷静かつ大局的に考えることが難しくなるからです。

 

どんなに無関係に見えることでも、問われれば常に自分の意見が言える、そういう訓練をしておくことは、危機管理としてもとても大切なことなのです。

 

時代の変化に伴って新たに現れる問題の大半にも、正解はありません。
だから選択肢が増えれば増えるほど、「自分の意見」を明確にすることの価値が高まるのです。
そんないい時代が来ているのに、「調べることは得意だが、考えることは苦手」なままだと、正解のない問題に自分の意見がもてず、自分オリジナルの人生を形作っていくことができません。

 

●意見が言えるようになるための4つのステップ
ステップ1:レベルをチェックする
ステップ2:ムリにでも意見を言い切る
ステップ3:自分で自分に突っ込む
ステップ4:言語化する

 

自分の意見を明確にするために必要なのは「情報」ではありません。
「思考すること」です。
だから、もし「手に入れたい情報」が具体的に言語化できないなら、調べるのではなく「考える」方向に舵を切ってください。
今、手元にある情報がすべてだと割り切って、自分の意見を明確にするのです。

 

私たちが人生を前に進めるのに必要なものは、調べればわかる情報ではなく、個々人によって異なる意見です。
そしてそれは常に偏っています。
中立信仰に惑わされず、しっかりと自分の意見を表明しましょう!

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1782-1】意見を言う際は、立ち位置を明確にすることを意識する

【1782-2】意見を言う際は、自分のアタマで考えたものかを確認する

【1782-3】意見を発信する場所を一か所に集約する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】自分の意見で生きていこう
【著者名】ちきりん著者情報
出版社ダイヤモンド社
【出版日】2022/1/12
オススメ度★★★★★
こんな時に考える力を身につけたいときに
キーワード思考生き方自己対話
【頁 数】336ページ
【目 次】
1 「意見」とはなにか、なぜ必要なのか
2 「反応」だけではダメな理由
3 SNS時代に「自分」を創る
4 生きづらさから脱却しよう
5 リーダーシップの最初の一歩
6 オリジナルの人生へ
練 「意見」をもてるようになる4つのステップ

 

この本が、あなたを変える!

自分の意見で生きていこう
ちきりん ダイヤモンド社 2022-1-12
Amazonで探す Kindleで探す 楽天で探す

ちきりんさん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

■お知らせ

▼書評ブロガーの読書術を公開中!

▼【仲間大募集中!】101年倶楽部

▼「いいね!」応援をありがとうございます!

※当記事の無断転載・無断使用は固くお断りいたします。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る