【嫌いでいるほど損をしている!?】
数学者・柳谷晃氏が、数学が大好きな人間からみた世の中の景色を示す教養的な一冊。「面白くて仕事に役立つかも?」と思わせる軽快な語り口が面白く、数学の楽しさに溢れる。
「数学は好きですか?」
こう聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。
本書は、この社会は、好き嫌いに関わらず数学で溢れていると説き、だれでも実践することができる「数学的なモノの見方」を解説していく一冊。
小学生から現役、リタイア世代まで、幅広い層に数学の魅力を伝える著者だけあって、とても軽妙な語り口で、噺家の寄席にいる感覚をもつほど楽しめる空気感です。
◎財務三表を、きちんと読めるようにしておくべき理由
◎株式市場で飛び交っている数字の意味
◎投資をするときにはどの指標をみればいいのか
◎ビッグデータは、信じるべきか疑うべきか
◎円安と円高は、どっちの方が好影響なのか
こうした身近なテーマを中心に、数学的に考えることを解説していきます。
まさに、「数学を使いこなすとはこういうことだ」ということをみせてくれます。
合わせて、数学的な視点・思考をもっていないと、思わぬ不利益を被ってしまう現実もしっかりみせます。
数字は、最高の共通言語です。
ですが、その数字をどう作り、どう見せるかは、人間次第なのです。
「その数字は、どういう根拠で示されているのか?」
「その数字は、信じるに足る数字なのか?」
専門的に数学を理解していなくても、こうした思考をいつでもできるようにしておくことかは、自分を守る上でも必須の教養です。
「数字の裏にある意図まで理解すること」
「意図を理解せずに、被害を被っても誰も助けてはくれない」
面白く楽しめる内容の裏にある、シビアなメッセージをしっかりと学びましょう。
◆数学は、盾としても矛としても強力な武器。
正しく世の中を見るためには、謙虚に現実を見る必要があります。
ビッグデータよりもKKD(経験、勘、度胸)のほうがずっと大切なものなのです。
データを大事にするということは、データの意味を大事にするということで、数字に振りまわされることではありません。
どんなに便利な機械を使っても、使っている人の実力以上のことはできないのです。
ある数値を見るときには、必ずそれぞれの数値がどのような計算から求められたものなのかを少しだけ考えてみてください。
EPS(一株あたり利益)=(利益)÷(発行済株式数)
という式で計算できます。
発行している株が、何倍の利益を生み出しているかを示す数値です。
このEPSを見れば、自分の買う一株に、会社の利益がどれだけのっているかがわかります。
投資家が一番大切にしなければならない数値と言って良いでしょう。
「貸借対照表」
「損益計算書」
「キャッシュフロー計算書」
の「決算書3部作」は正確な情報を与えてくれるものなので、しっかり見るようにしましょう。
株券は額面の値段、多くは50円ですが、この値段の意味しかありません。
そこは忘れないでください。
それが何倍かで取引されているのは、株式市場が勝手にやっていることです。
何事につけ、思い込みは怖いものです。
間違った思い込みがあると、正しい数字がわからなくなります。
お金をつくり、便利に使ったことで、何度も恐ろしい目に遭っています。
統計も含めて、社会全体が一つの方向に向かっているときには、反対側を見る必要があります。
でないと、統計のウソに丸め込まれてしまうのが落ちですよ。
データが多ければ多いほど本質を表すデータではなく、雑音と呼ばれる予測を狂わすデータも増えていきます。
この雑音を除くのが非常に難しいのです。
つまり、そういった価値のない”ウソデータ”に左右されずにデータ処理をする部分で、人間の才能が必要になります。
いつでも使えるような方法は存在しないと思ってください。
統計は最強ではないのです。
このときの解を使うということは、その理論を信じるということ以外の何ものでもありません。
責任は信じた人間が取らなければなりません。
日本経済にとって一番いいのは、円安よりも適度な円高。
ある程度の値段で日本製品をたくさん売ることができて、さらにそれほどの負担がなく原材料を仕入れられるからです。
大事なのは、同じ問題を何度も解いて体で覚えること。
数学はもとより学習はすべからく、身体感覚をつけていくことが必要なのです。
大工さんにたとえるなら、のこぎりやかんなや金槌を使いこなすように、数学を使えるようにならないといけません。
それが「応用力」を身につける、ということです。
社会の中で偉いと言われている人が、いつでも正しいことを言うわけではありません。
自分の勉強した知識で正しいかどうかを確認していくことが大切。
【1058-1】自分の経験や勘を、排除して決断しない
【1058-2】触れた数字が、どういう計算で導き出されたのか考えるクセをつける
【1058-3】数字とその裏にある意図までを理解するクセをつける
数学は、使い方次第で化ける!
【書籍名】面白くて仕事に役立つ数学
【著者名】柳谷晃
【出版社】SBクリエイティブ
【出版日】2017/8/26
【オススメ度】★★☆☆☆
【こんな時に】考える力を身につけたいときに
【キーワード】数学的思考、教養、問題解決
【頁 数】256ページ
【目 次】
第1章 「データ」さえあれば、正しい判断ができるのか?
第2章 数字にだまされないための数学
第3章 数字は言葉、式は言葉、を感じるための数学
第4章 「統計」に踊らされないための数学
第5章 暮らしに寄り添う数学
この本で、あなたは今後こそ変わる!
柳谷晃さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/
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