【書評:1680冊目】部下に届く 言葉がけの正解(吉田幸弘)

【部下はリーダーの言葉がつくる】
人材育成コンサルタント・吉田幸弘氏が、『部下に届く 言葉がけの正解』と題して、「どう伝えればわかってもらえるのか?」と悩むリーダーに、言葉がけという解決策を指南する一冊。

■書籍の紹介文

どう伝えればわかってもらえるのか?
こう呟きながら、部下に視線を送ったことはありませんか。

 

本書は、部下との関わり合いに関するーダーの悩みを39個とり上げながら、部下の行動を後押しする「言葉がけ」という解決策を指南する一冊。

 

日頃何気なく投げかけた1つ1つの言葉の結果が、いまの部下の姿である
こう考えると、却って、部下と接するのが怖くなってしまいますね。

 

ただ、リーダーである以上、このことから逃げるわけにはいきません。
恐怖感に立ち向かい、乗り越えてこそ、一人前のリーダーといえます。

 

とはいっても、やみくもに立ち向かうだけでは心細いのも事実。
そこで役立つのが本書です。

 

リーダーが部下との接し方に悩む39項目について、『NG行動・発言』と『OK行動・発言』を対比させながら解説します。
どう「言葉がけ」をすればいいかが、イメージしやすく吸収できるように構成されています。

 

いまの部下の姿に満足できないのであれば、それはリーダーであるあなたの責任です。
それまでの「言葉がけ」が、部下に合っていない証だからです。

 

まずは、リーダーとしてこのことを認めましょう。
『自分の「言葉がけ」が悪かったのだ(、申し訳ない)』と。

 

そのうえで、少しずつ、かける言葉を良い言葉に変えていく。
部下の本音を汲み取り、部下の行動・成長を後押しするものへと昇華させるのです。

 

言葉が人をつくっていきます。
ぜひ、部下の成長につながる「言葉」を身につけましょう。

 

それは、単に部下のためだけではありません。
言葉によってつくられるのは、部下だけでなく、リーダーであるあなた自身もだからです。

 

◆言葉がけで人は変わる!

部下に届く 言葉がけの正解
吉田幸弘 ダイヤモンド社 2020-6-11
売上ランキング(公開時):5,291
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■【要約】15個の抜粋ポイント

明日以降のパフォーマンスを上げるためにも、「これから思考」の視点を持たせる必要があります。
それには、定時に近くなったときに、「今日は終わろう。残り5分で明日以降、どう進めていくかを考えよう」と伝えればいいのです。
その5分でフィードバックを行います。
「現時点での状態はこれで残りはこれだけある。明日以降どうリカバリーしていくか」と「これから思考」で気づきを与え、一緒に考えていきます。

 

仕事を「速く」するのではなく、「早く」するのです。

 

口ではやると言っているのに行動が伴わない「口だけ部下」は確かにいます。
むしろ、そういう人のほうが多いくらいです。
このような部下には、リーダーが、「とりあえず、やってみようか。何から始める?」と、言いましょう。
人は、「自らやる」と言って動き始めたことに対しては一貫性を保とうと行動し続ける傾向があります。

 

リーダーは意識して、部下が間違いの原因を言いやすくなるように導く必要があります。
実際、リーダーに問題はなかったとしても、「私の伝え方が、あまりうまくないからなー」「私の伝え方がわかりにくくなかった?」「あいまいなところはなかった?」などと話すのです。
間違えるのは部下側の問題ではなく、リーダー側の伝え方に原因があるように接します。
そのうえで、「私の伝え方が悪かったかもしれない。どのように伝えればよかったと思う?」と聞きます。

 

「挑戦した結果の失敗で評価が下がることはないですよ」と安心材料を与える言い方は効果がありません。
このままでいいだろうと思ってしまうからです。
「やらないことによる痛み」を伝えなければなりません。
「挑戦しないと評価が下がりますよ」と伝えるのです。

 

クレームで強く叱られたり、辛い思いをしたりした場合、人は「安全基地」を探そうとします。
「安全基地」とは、いざというとき頼ることができ、守ってもらえる居場所であり、心の支えとなる存在です。
部下をねぎらって、リーダーが「安全基地」になってあげればいいのです。
安全・安心な場に帰ってきたとき、リーダーの第一声がお客様を心配するものであると、「一生懸命やったのに守ってもらえない。私は大切にされていないんだ」と感じ、傷つくのです。

 

心理的安全性の高いチームは、安心してリーダーや同僚に意見を言います。
「言ったら怒られる」「評価が下がるかもしれない」というネガティブな要素を感じないからです。

 

人間関係が良好でない部下に対しては、「最初は相談」「その後頼む」といった二段階の流れをとるようにするのです。
たいして時間はかかりません。
一度目は「頼む」のではなく、「相談」に変えるだけです。
人間関係が悪い部下も話を聞いて手伝ってくれます。

 

年上部下が耳の痛いことを言ってきたら、「それはわかりますけど、まずは自分の仕事をきちんとやってください」と言い返すのではなく、「アドバイス、ありがとうございます」と言って、発言に感謝の意を示します。
その意見を受け入れるかどうかは別問題でかまいません。

 

●リーダーが注意すべき、SNS上での部下の”負の投稿”
①充実
②頑張っている
③寝てない
④大変
⑤機密情報を公開する

 

弱みを改善したいときは、「○○ができていない」ではなく、「○○ができればもっとよくなるよ」と未来に向けた言い方にするといいでしょう。

 

部下が落ち込むような出来事があったら、「それはどれだけ起こる確率があるの?」と言って拡大解釈しないように話します。
それから、「○○の業務に挑戦してみよう」と挽回するポイントをアドバイスします。
ここで大切なのは「ここだけ直せばいいんだよ」「取り返せるよ」と、挽回が難しくないことを強調して伝えることです。

 

時短だから仕事の負担を少なくする、責任のある仕事を任せないというのは、気を使っているように見えて部下に不満を持たせてしまうリスクがあります。
仕事を任せるときは「○○さん、この仕事できるよね」と少々負担に思えても普通に頼めばいいのです。

 

今回申請を受けたリーダーBさんはもちろん受け入れたうえに、「何か気になることはない?」「できるだけ協力はするから」と話します。
部下が申請するのに葛藤を抱えているのではないか、悩みや不安はないかと、申請してきた裏にあるものに意識して目を向けているのです。

 

小さな成長はなかなか気づけないことが多いのですが、気づいたときには大きな成長になっています。
部下が成長することで、リーダーのあなたも成長します。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1680-1】フィードバックは「これから思考」で行う

【1680-2】行動が始められないときは、「やらないことによる痛み」を意識する

【1680-3】「依頼」の前に「相談」を挟む

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】部下に届く 言葉がけの正解
【著者名】吉田幸弘著者情報
出版社ダイヤモンド社
【出版日】2020/6/11
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日のリーダー力を磨きたいときに
キーワードリーダー指導力ことばのチカラ
【頁 数】224ページ
【目 次】
第1章 仕事が遅い部下に効くリーダーの言葉がけ
第2章 仕事のミスが多い部下に効くリーダーの言葉がけ
第3章 仕事を止める部下に効くリーダーの言葉がけ
第4章 イマドキ部下に効くリーダーの言葉がけ
第5章 休みを気にする部下に効くリーダーの言葉がけ

 

この本が、あなたを変える!

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吉田幸弘 ダイヤモンド社 2020-6-11
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吉田幸弘さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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