【書評:1681冊目】文豪たちの憂鬱語録(豊岡昭彦)

【憂鬱こそ、人が生きている証!】
日本文学研究家・豊岡昭彦氏が、『文豪たちの憂鬱語録』と題して、太宰治など10人の文豪の500を超える名言・名文に触れながら、憂鬱や狂気の先に生きる元気を呼び覚ます一冊。

■書籍の紹介文

憂鬱な気持ちがまったくない。
そんなときがありますか?

 

本書は、人生に虚ろい、社会に唾を吐き、人間関係をぶち壊す「文豪のリアルな肉声」を通して、読者が鬱々とした気持ちの先に、生きる元気を呼び覚ます一冊。

 

不快、暗澹、怒り、・・・・。
本書を読むと、すべてではないか?というくらい”負の感情”を刺激されます。

 

太宰治や芥川龍之介などの文豪には、憂鬱や狂気が内在しているのは想像できます。
ただ、一度にこれだけ集められると、さすがにページをめくる手が遅くなります。

 

一方で、あの名作を書く裏で、こんなにも絶望感を抱いた本を書いていたのか。
このような新鮮な楽しみ方をできることにも気づきます。

 

そして、2つの感情が芽生えてきます。
(1)文豪たちの本を読み返してみよう
(2)”負の感情”が膨らみすぎて、現実の憂鬱がちっぽけに思えてくる

 

とくに(2)の部分は、あなたもきっと感じます。
文豪たちの”負の感情”の深さに、「まだまだ大丈夫」「まだまだ頑張れる」と前向きになれます。

 

気分をとことん堕とすことで、反対に気分をあげる本。
類書とは一味違った、深みと凄みのある一冊です。

 

◆ここまで堕ちると爽快感さえ覚える。

文豪たちの憂鬱語録
豊岡昭彦 秀和システム 2020-6-5
売上ランキング(公開時):21,810
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■【要約】15個の抜粋ポイント

●太宰治
一日の労苦は、そのまま一日の収穫である。
「思い煩うな。空飛ぶ鳥を見よ。播かず。刈らず。蔵に収めず。」
(『一日の労苦』)より

 

●太宰治
明日もまた、同じ日が来るのだろう。
幸福は一生、来ないのだ。
それは、わかっている。
けれども、きっと来る、あすは来る、と信じて寝るのがいいのでしょう。
(『女生徒』より)

 

●石川啄木
一度でも我に頭を下げさせし
人みな死ねと
いのりてしこと
(一度でも俺に頭を下げさせた奴ら みんな死にますように)
(『一握の砂』より)

 

●夏目漱石
到底人間として、生存する為には、人間から嫌われると云う運命に到達するに違いない。
(『それから』より)

 

●夏目漱石
呑気と見える人々も、心の底を叩いて見ると、どこか悲しい音がする。
(『吾輩は猫である』)より

 

●芥川龍之介
良心は道徳を造るかも知れぬ。
しかし道徳は未だ嘗て、良心の良の字も造ったことはない。
(『侏儒の言葉』より)

 

●芥川龍之介
人生は常に複雑である。
複雑なる人生を簡単にするものは暴力より外にある筈はない。
この故に往往石器時代の脳髄しか持たぬ文明人は論争より殺人を愛するのである。
(『侏儒の言葉』より)

 

●島崎藤村
後輩の文豪たちから非難の嵐を浴びた藤村の『新生』は、その文学的評価はさておき、人間社会の倫理基準から大きく逸脱した経験談であることは間違いないだろう。

 

●坂口安吾
堕ちる道を堕ちきることによって、自分自身を発見し、救わなければならない。
(『堕落論』より)

 

●坂口安吾
男女の関係に平和はない。
人間関係には平和は少い。
平和をもとめるなら孤独をもとめるに限る。
(『悪妻論』より)

 

●宮沢賢治
人はやるだけのことはやるべきである。
けれどもどうしてもどうしてももうできないときは落ちついてわらっていなければならん。
落ちつき給え。
(『グスコーブドリの伝記』より)

 

●谷崎潤一郎
女の顔は男の憎しみがかかればかかる程美しくなるのを知りました。
(『東京をおもう』より)

 

●佐藤春夫
神は人間に孤独を与えた。
しかも同等に人間に孤独ではいられない性質をも与えた。
(『退屈読本』より)

 

●有島武郎
すべての美しい夢は、経験の結果から生れ出る。
経験そのものからではない。
そういう見方によって生きる人はセンティメンタリストだ。
(『惜みなく愛は奪う』より)

 

●有島武郎
女は持つ愛はあらわだけれども小さい。
男の持つ愛は大きいけれども遮られている。
そして大きい愛はしばしばあらわな愛に打負かされる。
(『惜みなく愛は奪う』より)

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1681-1】本書に出てくる本を読む

【1681-2】葛藤や心のモヤモヤは書き出す

【1681-3】憂鬱な気持ちは誰にでもあることを忘れない

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】文豪たちの憂鬱語録
【著者名】豊岡昭彦
出版社秀和システム
【出版日】2020/6/5
オススメ度★★★☆☆
こんな時に自分を見つめ直したいときに
キーワード教養自己対話生き方
【頁 数】231ページ
【目 次】
第1章 太宰治のネガティブ語録
第2章 石川啄木の『ローマ字日記』
第3章 夏目漱石の厭世語録
第4章 芥川龍之介の『侏儒の言葉』と晩年
第5章 島崎藤村の『新生』
第6章 坂口安吾の無茶ぶり名言
第7章 黒い宮沢賢治
第8章 ドマゾの谷崎潤一郎VS狭量な佐藤春夫
第9章 闇落ちしていく有島武郎

 

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豊岡昭彦 秀和システム 2020-6-5
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豊岡昭彦さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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