【書評:1477冊目】NEWTYPE ニュータイプの時代(山口周)

【希少化する問題と過剰化する解決策】
独立研究者・山口周氏が、『NEWTYPE ニュータイプの時代』と題して、社会構造の変化を読み解きながら、これからの時代に求められる思考・行動様式を解説する一冊。

■書籍の紹介文

今までのやり方が通用しない。
そんな違和感を感じたことがありませんか?

 

本書は、社会構造の変化を読み解きながら、これからの時代に求められる思考・行動様式を、「オールドタイプ(旧型の価値観)」と「ニュータイプ(新型の価値観)」に対比して解説する一冊。

 

社会構造の変化、テクノロジーの発達…。
何年にもわたって、さまざまな場所で散々言われていることです。

 

それに対して、わたし達人間は変化に対応した進化ができていますか?
こう突きつけてくる一冊です。

 

今までの価値観で行動する人を、オールドタイプ。
新しい価値観で行動する人を、ニュータイプ。

 

この対比によって、社会の問題点、ビジネスの問題点、個人の問題点を炙り出していきます。
その上で、どのような思考・行動様式を身につければ、これからの時代に合ったニュータイプに進化できるかを示します。

 

おもな対比は次のとおり。
【オールドタイプ】→【ニュータイプ】
「正解を探す」→「問題を探す」
「予測する」→「構想する」
「KPIで管理する」→「意味を与える」
「生産性を上げる」→「遊びを盛り込む」
「ルールに従う」→「自らの道徳観に従う」
「一つの組織に留まる」→「組織間を越境する」
「綿密に計画し実行する」→「とりあえず試す」
「奪い、独占する」→「与え、共有する」
「経験に頼る」→「学習能力に頼る」

 

進化を求められる項目は、24個と多岐にわたります。
1つ1つ照らし合わせながら、まずは現状の自己分析をしましょう。

 

もうニュータイプになっている項目もあれば、どっぷりオールドタイプの項目もあるとおもいます。
現状の分析をスタートラインに、ニュータイプへと脱皮していきましょう。

 

社会は刻々と変化し続けています。
にも関わらず、過去の成功に最後までしがみついているのがわたし達人間です。

 

もう過去の成功体験でごまかせる部分は、ほとんど残っていません。
一刻もはやく、ニュータイプの自分へと進化を遂げましょう!

 

◆これは良書!

NEWTYPE ニュータイプの時代
山口周 ダイヤモンド社 2019-7-4
売上ランキング(公開時):67
Amazon Kindle 楽天

■【要約】15個の抜粋ポイント

●人材をアップデートする6つのメガトレンド
(1)飽和するモノと枯渇する意味
(2)問題の希少化と正解のコモディティ化
(3)クソ仕事の蔓延
(4)社会のVUCA化
(5)スケールメリットの消失
(6)寿命の伸長と事業の短命化

 

ビジネスが「問題の発見」と「問題の解決」という組み合わせで成り立っているのであれば、今後のビジネスではボトルネックとなる「問題」をいかにして発見し提起するのかがカギになります。
そして、この「問題を見出し、他者に提起する人」こそがニュータイプとして高く評価されることになるでしょう。

 

「問題の不足」という状況は、そもそも私たち自身が「世界はこうあるべきではないか」あるいは「人間はこうであるべきではないか」ということを考える構想力の衰えが招いている、ということなのです。

 

ニュータイプは手段としてのイノベーションやテクノロジーにはこだわりません。
手段ではなく、常に「解きたい課題」にレーザーのようにフォーカスを絞るのがニュータイプだということです。

 

現在のように複雑で不透明なVUCAな世界にあって、予測の上に自分の身の振り方を考えようなどというのはオールドタイプのパラダイムでしかありません。
ニュータイプは未来を構想し、構想した未来の実現のために意見を口にし、行動を起こすのです。

 

個人の感性が思いっ切り反映されたアート作品のような製品ですから「共感できる人」に対しては非常に強い訴求力を持つことになります。
一方、市場における多数派の好みに合わせて製品を作った場合、市場規模はそれなりに大きくなるかもしれませんが、多くの人の好みを最大公約数的に拾っているために、訴求力は低下し、どうしてもフォーカスの甘い製品にならざるを得ません。

 

モノが飽和し、モノの価値が中長期な低落傾向にある時代だからこそ、これからは「役に立つモノ」を生み出せる組織や個人にではなく、「意味」や「ストーリー」を生み出すことができるニュータイプに、高い報酬が支払われる時代がやってきているということです。

 

今日のような不確実な世界において、いたずらに「何の役に立つのか」ということを追求して「遊び」のもたらす偶然の機会を排除しようとするのはオールドタイプの思考様式と言えます。
一方、ニュータイプは「規律」のなかに「遊び」を持たせる余地を戦略的に入れ込みながら、偶然のもたらす大きな飛躍=セレンディピティを追求します。

 

柔軟に機動しながら、常に自分の価値が相対的に高まるポジションにい続けるというニュータイプの行動様式が求められます。

 

限界費用が低下し、「試す」ためのコストがどんどん低下すれば、今後の世界ではますます「戦略的な計画」よりも「意図された偶発性」の方が、最終的により良い成果に結びつく可能性が高まることになります。

 

結局のところ、仕事は実際にやってみないと「面白いか、得意か」はわかりません。
「何がしたいのか?」などとモジモジ考えていたら、偶然にやってきたはずのチャンスすら逃してしまうでしょう。

 

人がどのように生きるべきか、社会がどのようにあるべきかを規定するのはサイエンスの仕事ではありません。
このような営みにはどうしてもリベラルアーツに根ざした人文科学的な思考が必要になります。

 

経験の価値があっという間に減殺されるという時代において、経験に置換される重要な人材要件となるのが学習機敏性=ラーニングアジリティです。
(略)
ラーニングアジリティというのは、単に「速く学習する」ということではなく、すでに学習して身につけたパターンを一旦リセットできる、ということなのです。

 

「発言力も影響力もない自分がオピニオンを上げることに意味はない」と考え、言うべきことを言わず、その場の空気に同調して忖度するのはオールドタイプのパラダイムと断ずるしかありません。
一方でニュータイプは、自分の美意識に照らして「おかしいと思うこと」については「おかしい」と声を出し、それが受け入れられなければモビリティを発揮してエグジットすることで、権力者や組織に対して圧力をかけ続けるのです。

 

現在の私たちが直面している状況を「システムの問題」として処理することはできません。
多くの人はいまだに「どんなシステムにリプレースすれば、問題が解決するのか」という論点を掲げて議論していますが、どんなシステムを用いたとしても、その中で生きていく人間が変わらなければ、そのシステムが豊かさをもたらすことはない、ということでしょう。
重要なのは「システムと人間との関係性のあり方」を問う、ということなのです。
システムだけを改変すれば問題は解決する、というのも典型的なオールドタイプのパラダイムです。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【1477-1】自分の価値が相対的に高める方法を常に考える

【1477-2】機会を得たら、とりあえずやってみる

【1477-3】リベラルアーツを磨き続ける

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】NEWTYPE ニュータイプの時代
【著者名】山口周 著者情報
出版社ダイヤモンド社
【出版日】2019/7/4
オススメ度★★★★★
こんな時に生き方に迷ったときに
キーワード思考発想力マインド
【頁 数】352ページ
【目 次】
第1章 人材をアップデートする6つのメガトレンド
第2章 ニュータイプの価値創造
第3章 ニュータイプの競争戦略
第4章 ニュータイプの思考法
第5章 ニュータイプのワークスタイル
第6章 ニュータイプのキャリア戦略
第7章 ニュータイプの学習力
第8章 ニュータイプの組織マネジメント

 

この本が、あなたを変える!

NEWTYPE ニュータイプの時代
山口周 ダイヤモンド社 2019-7-4
売上ランキング(公開時):67
Amazon Kindle 楽天

山口周さん、素敵な一冊をありがとうございます\(^o^)/

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