【書評:042冊目】明日のコミュニケーション(佐藤尚之)

【「攻めの時代」から「共感の時代」へ】
コミュニケーションディレクター・佐藤尚之氏が、『明日のコミュニケーション』と題して、ソーシャルメディアが企業と消費者のコミュニケーションに起こす変化を考察する一冊。

■書籍の紹介文

ソーシャルメディア。
うまく使えていますか?

 

本書は、ソーシャルメディアとはどういうモノで、どう関係性を築けばいいのか、その可能性と起こる変化を考察する一冊。

 

検索よりも友人・知人の言葉』。
ソーシャルメディアによって起こる一番の変化を端的に表す表現です。

 

だれもが、「生活者」であると同時に「発信者」の時代になりました。
閲覧した情報や利用した商品・サービスについて、自分の意見を気軽に情報発信しています。

 

それが大きなうねりとなり、以前で考えられなかった購買行動や流行が起きるようになりました。
企業におけるマーケティングも、個人におけるコミュニケーションも、対応が求められています。

 

単なる受信者の場合、情報はある意味「他人ごと」です。
自らが発信者の場合、それは「自分ごと」に変わります。

 

つまり、ソーシャルメディアには当事者意識をもたせる力があるのです。
この当事者意識をもった人同士がつながるとどういう変化が起こるのか。

 

それは、よく知っている友人・知人から教えてもらうことがいかに便利で有益かに気づくこと。
そして、友人・知人とのつながりという古くからある関係性こそ”幸せへの鍵”だと理解することです。

 

このように、ソーシャルメディアによって起こる変化と可能性。
どうやって対応するかなどを明らかにしていくのが本書です。

 

多くの人にとて、学びと気づきの多い一冊だとおもいます。
ぜひ、目を通してみてください。

 

◆これは良書!

明日のコミュニケーション
佐藤尚之 アスキー・メディアワークス 2011-10-11
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■【要約】15個の抜粋ポイント

ソーシャルメディアは人と人を身近にし、当事者意識をもたせる。
そして「自分ならどうする」「自分は何ができるか」を考えさせ、実際に関与させ、アクションさせる。
つまり「関与する生活者」を生みだすのだ。

 

●「関与する生活者」の3つのタイプ
・アクティブ関与層:元々関与するタイプだった人たち
・潜在関与層:関与したかったけど方法を今まで知らなかった人たち
・プチ関与層:深く関与できないがちょっとだけ関与した人たち

 

RTやいいね!は「自分はこの記事(コメント)をとてもいいと思う。みんなに教えたい」という控え目ながらも立派な発信なのだ。

 

ソーシャルグラフとは何か。
ひと言で言うと人間関係図だろうか。
狭義にはフェイスブックなどのSNS上において、同好の趣味や属性を通じてできあがった人と人との人脈図であり人間関係図である。
広義にはリアル世界も含めた人と人とのつながりすべてをそう呼ぶことができるが、この本ではおもに狭義の意味で使わせていただく。

 

ソーシャルメディアにより受信者=発信者となり、全員がクチコミに参加するようになったわけだが、ここにもうひとつ大きな要素が加わるのである。
それは、「クチコミに参加した全員のソーシャルグラフに情報が自動的かつ半自覚的に拡散していく」ということだ。

 

ソーシャルメディアとテレビを上手に組み合わせて、共有知をつくり、ハイパークチコミを引き起こしていくこと。
これは今後のコミュニケーション・デザインにおいて重要なポイントになるだろう。
そしてそのとき「共有知となりうるコンテンツの力」が注目を浴びることになるだろう。

 

●ソーシャルメディアにおけるコミュニケーション視点でのキーワード
(1)「共感」を纏わない情報は広まらない
(2)発信元への共感がとても大切
(3)有益である可能性が高い情報に受動的に出会う
(4)情報に出会う順番がかわる
(5)ネットはネガ(ティブ)な場所からポジな場所になり、企業が利用しやすくなった
(6)友人・知人からのおせっかいなオススメが簡単に得られ、大きな影響をもつ
(7)情報は「肯定されるもの」になり、企業もどんどん発言しやすくなっていく
(8)情報や商品に「友達の共感」という重み付けがされる
(9)検索より友人・知人の言葉
(10)等身大の生活者情報が、かつてないほど人に影響を与えるようになる
(11)企業はオープンかつ透明であることを求められるようになっていく

 

●押さえておきたい!消費行動モデル概念
・AIDMA
・AISAS
・SIPS

 

生活者はソーシャルメディア上で共感を纏った情報に出会い、共感する。
SIPSはそこから始まるのである。
共感がなければその後の「参加」も「拡散」も起こらない。
そういう意味でまず一番大切なのは「共感」だろうと思う。

 

まずは「発信元への共感」を築くことが大切になる。
築いた上で「情報そのものへの共感」が起こると、伝わり方が全然違うのである。
また、「発信元への共感」は「関与する生活者」の関与も呼びやすいし、ハイパークチコミも起こりやすい。

 

●共感を呼び2つのポイント
・極上のコンテンツ
・感動するコンテクスト

 

結局「その人が強く関与したくなる理由がいる」ということだ。
それは往々にして商品力やサービス力が「本物」であることが大事だったり。
そうでないと、いくらエバンジェリストといえども「参加」「共有&拡散」する気にならず、その情報はSIPSの流れに乗らないのである。

 

あなたは、友人・知人のつながりの中に謙虚に入っていき、まず好意を持たれるところから始めなければならない。
丁寧に誠意をもって入っていく。
そして、自分が信用できる人間であることを行動で示す。
そのつながりの中でいろいろ貢献し、みんなを楽しませ、役に立たなければいけない。
そうしてゆっくり存在感を高めていく。
というか、もともとが招かれざる客なのだ。
丁寧に誠意をもって入っていくのは当たり前。
まずは彼女たちに信用され、好かれることから始めるのも当たり前。
その場に溶け込み、「いつもいるあの人、ちょっといいよね」と思われるところから始めないといけない。
そして長い時間をかけて「愛される」ことを目指さなければならない。
そう、よく言われるように信用や信頼を築くには時間がかかる。
時間がかかるということは、その間にいろいろと見られてしまうということだ。
本当の自分がバレてしまう。
見栄も誇張もその場限りのウソも通用しない。
だから最初から隠さないことが肝要だ。

 

●人と人のつながりに入っていくポイント
・役に立つ
・地道に長く貢献する
・切っても切れない仲になる
・お土産を持っていく
・話のネタを提供する

 

ソーシャルメディアが普及してきて、またぞろ「広告はなくなる」という論が出てきている。
いや、広告はなくならない。
ただ、広告という「枠」がなくなるだけだ。
広告はもう宣伝担当や広告担当や広報担当が扱うだけのものではない、「領域感のない何か」になっていくだろう。
それは漠然と「コミュニケーション」としか呼びようがない何かである。
そして、広告をはじめとするコミュニケーション系の会社の領域も、枠がなくなり、無限に広がっていくだろう。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【042-1】ソーシャルグラフを定期的に書き出してみる

【042-2】AIDMA、AISAS、SIPSを学習する

【042-3】謙虚さ、誠実さを持って人と接する

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】明日のコミュニケーション
【著者名】佐藤尚之著者情報
出版社アスキー・メディアワークス
【出版日】2011/10/11
オススメ度★★★★☆
こんな時に明日のマーケティング力を磨きたいときに
キーワードアイデアビジネス理論発想力
【頁 数】240ページ
【目 次】
第1章 「関与する生活者」がつながった
第2章 ハイパークチコミの誕生
第3章 ソーシャルメディアの勘所
第4章 ソーシャルメディア上で生活者はどう動くか
第5章 関与する生活者に愛される方法

 

この本が、あなたを変える!

明日のコミュニケーション
佐藤尚之 アスキー・メディアワークス 2011-10-11
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佐藤尚之さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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