【書評:233冊目】キャラクター・パワー(青木貞茂)

【日本人は、なぜキャラクターに夢中なのか?】
法政大学社会学部教授・青木貞茂氏が、『キャラクター・パワー』と題して、あらゆる分野のキャラクターを分析しながら、そこにある「本質的な力」を考察する一冊。

■書籍の紹介文

日本中に溢れるキャラクター。
われわれは、なんでこんなにも好きなのでしょうか?

 

本書は、くまモンやふなっしーなどを題材に、空前のキャラクター・ブームから日本文化の深層に分け入り、キャラクターが持つ本質的な力を考察する一冊。

 

キャラクター文化をとおして、日本社会の本質を浮き彫りにしていく。
とてもおもしろい試みだと感じる内容です。

 

ソフトバンクの白いお父さん犬、くまモン、ふなっしー、・・・。
日本中がキャラクターに溢れています。

 

「自分には関係ない」とおもっている人も、キャラクターには触れています。
LINEのスタンプだったり、絵文字・顔文字だったり、で。

 

それらを分析すると、「ゆるさ」や「癒し」という価値観が浮かび上がると著者はいいます。
”ゆるキャラ”という言葉があるほどですから、容易に想像できます。

 

では、なぜ「ゆるさ」や「癒し」が日本社会全体を惹きつけるのでしょうか?
もう一段掘り下げることで、日本社会の本質が浮かび上がってきます。

 

ありふれたキャラクターから、日本社会の本質を知る。
新書っぽくない、スケール感を感じる一冊です。

 

◆キャラクター文化の深層に迫る!

キャラクター・パワー
青木貞茂 NHK出版 2014-2-6
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■【要約】抜粋ポイント

成熟を拒否するようになり、未熟が認められる現代のような社会では、人々は完全なものよりも不完全なものに魅力を感じる。

 

「物語」というのは、もともと「人はなぜ生まれ死ぬのか」「人はなぜ世界の中で意味ある存在なのか」をわからせるために作られたものです。
それを「物の怪」、つまりモノが化けて主人公になって楽しく語っていく。
モノが語るから物語なのです。

 

「くまモン」が有名になるきっかけとなったシンボル・ストーリーは、大阪でスタートしています。
大阪プロレスとコラボし、「おばかタレント」のスザンヌを宣伝部長にして、一緒に吉本新喜劇に出演するなどしました。
また、「くまモン」が、知名度アップのために大阪で名刺一万枚を配らなければならないノルマを課せられ、それを苦に失踪したと、熊本県知事が記者会見を行い、ネットで配信したりしました。

 

マスメディアでなくても情報発信ができる時代だからこそ、地方のご当地キャラクターが普及した。

 

今や私たち自身が情報を集め、キャラクターを発掘し、育てていく時代なのです。
これは、一種の育成ゲームのようなものです。

 

現代日本においては、パリのルーブル美術館に匹敵するような、日本のサブカルチャーを集積したシンボリックな聖地が必要です。
そういう聖地があれば、多くの外国人が聖地巡礼を果たすべく、日本にやってくるようになるでしょう。

 

■【実践】3個の行動ポイント

【233-1】「なぜ流行るのか?」を考える

【233-2】自分がキャラクターに触れる機会を考える

【233-3】その時、なぜキャラクターに触れたのかを考える

■ひと言まとめ

※イラストは、イラストレーターの萩原まおさん作

■本日の書籍情報

【書籍名】キャラクター・パワー
【著者名】青木貞茂
出版社NHK出版
【出版日】2014/2/6
オススメ度★★★☆☆
こんな時に明日のマーケティング力を磨きたいときに
キーワードビジネスモデル情報発信社会
【頁 数】231ページ
【目 次】
第1章 キャラクターに依存する日本人
第2章 キャラクターが持つ力
第3章 「ゆるキャラ」の先祖たち
第4章 武器としてのキャラクター思考
第5章 ブランドの価値とは何か?
第6章 企業のブランドをキャラクター化する
第7章 国家ブランドをキャラクター化する

 

この本が、あなたを変える!

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青木貞茂さん、素敵な一冊をありがとうございます(^^)

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